吉村喜彦(1954.12.19- )『バー堂島 ハルキ文庫』角川春樹事務所 2019年10月刊 208ページ 『たそがれ御堂筋 バー堂島2 ハルキ文庫』角川春樹事務所 2020年10月刊 196ページ
吉村喜彦(よしむら のぶひこ 1954.12.19- )
『バー堂島
ハルキ文庫』
角川春樹事務所 2019年10月刊
208ページ
2019年11月25日読了
福岡市総合図書館蔵書
https://www.amazon.co.jp/dp/4758442991
「大阪北新地のはずれ、
堂島川に面したカウンター五席の“バー堂島”。
還暦近いマスター楠木正樹は元ブルース・ミュージシャン。
美味しいお酒とつまみ、
心優しい音楽が売りの、ざっくばらんなお店。
女の子みたいに可愛い花屋のマロちゃん、
ヘンな大阪弁のイタリア人アントニオ、
お好み焼き屋のおやじ、
氷屋の若旦那、
スイミングインストラクターのカナちゃんなど
個性豊かな連中がやってくる。
「人生、なんでこうなの?」とお嘆きのあなた。
バー堂島で飲んで笑って、ほろっとしよう。
明日があるさ。心ほどける四つの物語。
吉村喜彦
大阪生まれ。京都大学教育学部卒業。
サントリー宣伝部勤務を経て、作家に。
NHK‐FMの人気番組
「音楽遊覧飛行―食と音楽で巡る地球の旅」の構成・選曲・
ナビゲーターを長年つとめた」
書き下ろし四篇
「春~うらら酒」
「夏~プカプカ酒」
「秋~舟唄酒」
「冬~シャッフル酒」
1955年1月生まれな私と同学年な、
1954年12月19日生まれで
京都大学教育学部卒業・元サントリー宣伝部勤務、
吉村喜彦さんの四冊目。
『バー・リバーサイド』シリーズ三冊と同様に、
登場する音楽
Albert King (1923.4.25-1992.12.21)
I'll Play the Blues for You, Pts. 1-2 (1972)
https://www.youtube.com/watch?v=6SP5JHLqXM8
https://en.wikipedia.org/wiki/I'll_Play_the_Blues_for_You
他をユーチューブで聴きながら読み終えました。
「楠木正樹が「バー堂島」を開いて、
この春で八年になる。もう四年ほどで還暦だ。
…
楠木がはじめてバーテンダーの仕事についたのは、
二十年前。東京・二子玉川のはずれにある
「バー・リバーサイド」という店だった。
…
バー堂島を[大阪・北新地のはずれ]
堂島川の川べりでオープンしたのも
「バー・リバーサイド」にならったのだ。」
「春~うらら酒」
「楠木がアルミホイルに包まれたネギ焼きとそばめし、
モダン焼き、うそ焼きのホイルを開いて、
網の上に載せて中火であたためはじめた。
…
ネギ焼きは、青ネギとこんにゃくの入った生地を
醤油ベースのたれで焼いたもので、
そばめしは焼きそばとご飯を
ソース味(神戸のどろソースが決め手)で味つけしている。
モダン焼きはお好み焼きと焼きそばが合体したもの。
「うそ焼きは、新世界の老舗のお好み焼き屋さんで、
せっかちなお客さんから
『うどんとそば、一緒に食べたい』って
リクエストされて生まれたらしい。
焼きうどんと焼きそばが合体してんねん。
うどんとそばの、『う』と『そ』をとって、
『うそ焼き』。これ、ほんま」
「冬~シャッフル酒」
Albert King (1923.4.25-1992.12.21)
I'll Play the Blues for You, Pts. 1-2 (1972)
https://www.youtube.com/watch?v=6SP5JHLqXM8
https://en.wikipedia.org/wiki/I'll_Play_the_Blues_for_You
吉村喜彦(よしむら のぶひこ 1954.12.19- )
『たそがれ御堂筋
バー堂島2
ハルキ文庫』
角川春樹事務所 2020年10月刊
196ページ
2020年12月6日読了
福岡市総合図書館蔵書
https://www.amazon.co.jp/dp/4758443696
「たそがれ時、堂島川が薔薇色に輝きはじめる頃、
「バー堂島」に灯がともる。
還暦近いマスター楠木正樹が営む小さなバーだ。
会社への不満を抱えた三十歳の彩香、
楠木の同級生で陽気なお好み焼きの主、
季節の香りを届けてくれる花屋のマロちゃん…
常連客は、おいしいお酒とつまみ、
マスターたちとの気さくで楽しい会話や心に響く音楽を求めて、
やってくる。
「止まない雨はない」ーー
さあ、今宵も、「バー堂島」へようこそ。
第一弾は重版! 待望の第二弾。」
1955年1月生まれな私と同学年な、
1954年12月19日生まれで
京都大学教育学部卒業・元サントリー宣伝部勤務、
吉村喜彦さんの『バー堂島』二冊目。
「梅は咲いたか、梅酒はまだかいな」
「父からの暑中見舞い」
「堂島サンセット」
「雨にぬれても」
驚くような事件が起こるわけではなく、
派手なドラマもまったくない、
小さなバーに集まる常連客とマスターとの会話・おしゃべりと
美味しそうなお酒と食べ物、
そして流れる音楽が描かれるだけの何とも緩い物語ですけど、
私は嫌いじゃありません。
三冊目が来年出れば、また来年も読むでしょう。
「きらりと光るシェイカーを取り出した。
ビーフィーター・ジンにザクロの果汁からつくった
グレナデン・シロップ。レモンジュースを1ティースプーン。
手際よく卵白を一つ落とし、かなりハードにシェイクし、
カクテルグラスにコスモス色の液体を手早く注いだ。
液体の表面には、クリームのような泡がふわっと浮かんでいる。
「このカクテル、なんて名前なん?」
「ピンクレディー」
「え? UFO? サウスポー?」
「これ、二十世紀のはじめに
ロンドンでつくられたカクテルなんです。
アイドルのピンクレディーは、
このカクテルに因んでネーミングされたそうです」」
p.116
「堂島サンセット」
「「最近俳句はじめてな、
唐衣 山にのぼれば カラコルム、どやこれ?」
「まったく意味不明やな」
「これ、どうや?
ひさかたの ひかりとのぞみ 新幹線」
「お前、アホか」
「これやこの 行くも帰るも 御堂筋」
「百人一首のパクリやな」
「梅の香の 天神宮で イマジンを」
「ジンって音で韻を踏んでるつもりか」
「ほんなら、とっておきや。
二本(ふたもと)の 梅に遅速を 愛すかな。
どや?
「梅が二本あるけど、
白梅が早く咲いてるからええとか、
紅梅の咲くのが遅いからアカンとか、
そういうルールはあれへんよと。
どっちもええんちゃうのって」
「とつぜん、お前、すごいやん」
「与謝蕪村っていう、大阪生まれの俳人の句や」
p.50
「梅は咲いたか、梅酒はまだかいな」
https://www.youtube.com/watch?v=rB_7IlcYtTg
https://www.youtube.com/watch?v=n4vk-JZB3Rc
https://ja.wikipedia.org/wiki/曼珠沙華_(アルバム)
https://ja.wikipedia.org/wiki/サンセット77
https://en.wikipedia.org/wiki/77_Sunset_Strip
読書メーター
吉村喜彦の本棚
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11274239
https://note.com/fe1955/n/ne303bff51e66
https://note.com/fe1955/n/ndf98c7c38747
https://note.com/fe1955/n/n01590a9369d6
https://note.com/fe1955/n/nd0eae2ad59eb
https://note.com/fe1955/n/n6f47abe3f7b3
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