原田ひ香『ランチ酒』祥伝社 2017.11 『ランチ酒 おかわり日和』祥伝社 2019.7 『ランチ酒 今日もまんぷく』祥伝社 2021.6
原田ひ香(1970- )『ランチ酒』祥伝社
2017年11月刊
12月10日第2刷発行
2018年3月10日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4396635346
「へこたれてなんていられない。食べて、飲んで、生きていく!
犬森祥子の職業は「見守り屋」だ。営業時間は夜から朝まで。
ワケありの客から依頼が入ると、人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守る。
そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事を終えた後の晩酌ならぬ「ランチ酒」。
孤独を抱えて生きる客に思いを馳せ、離れて暮らす幼い娘の幸せを願いながら、つかの間、最高のランチと酒に癒される。
すれ違いのステーキとサングリア、怒りのから揚げ丼とハイボール、懐かしのオムライスと日本酒、別れの予感のアジフライと生ビール……etc.
今日も昼どき、最高のランチと至福の一杯!
疲れた心にじーんと沁みる珠玉の人間ドラマ×絶品グルメ小説集。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/原田ひ香
「原田 ひ香(はらだ ひか、1970年 - )は、日本の小説家、脚本家。神奈川県生まれ、東京都杉並区在住。大妻女子大学文学部日本文学科卒業。
2007年に「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。」
WEB本の雑誌 2018年2月21日更新
作家の読書道 第191回:原田ひ香さん 取材・文 瀧井朝世
http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi191_harada/
その1「繰り返し読んだあの名作」
その2「10代の頃ショックを受けた作品」
その3「大学では国文学を専攻」
その4「シナリオライターになる」
その5「小説家になってからの読書&自作」
「『ランチ酒』の続篇は書くことに決まりました。今年の後半から、月1回くらいの更新でWeb連載をしていくことになっています。」
第一酒 武蔵小山 肉丼 芋焼酎 蕃薯考 伊佐美
第二酒 中目黒 ラムチーズバーガー ブルックリンラガー ヒューガルデン
第三酒 丸の内 回転寿司 冷酒 北の勝
第四酒 中野 焼き魚定食 鯖 ビール
第五酒 阿倍野 刺身定食 新幹線で崎陽軒シウマイとキリン一番搾り 冷酒 呉春
第六酒 御茶ノ水 牛タン 生ビール
第七酒 新宿 ソーセージ&クラウト ハーブレバーパテ 黒ビール ハウスワイン赤
第八酒 十条 肉骨茶(バクテー 豚のスペアリブを煮込んだスープ シンガポ―ル料理) 油条(ヨウティヤオ) タイガービール
第九酒 新丸子 サイコロステーキ 鶏トマトチーズ焼き スパークリングワイン サングリア
第十一酒 秋葉原 からあげ丼 チキン南蛮丼 ハイボール
第十一酒 新丸子リベンジ アジフライ ねぎ肉炒め 生ビール にごり酒
第十二酒 代官山 フレンチレストラン
第十三酒 房総半島 海鮮丼 ビール 冷酒 寿萬亀
第十四酒 不動前 うな重 肝焼き 冷酒 会津ほまれ
第十五酒 秋葉原、再び とんかつ茶漬け キャベツ炒め 生ビール
第十六酒 中野坂上 オムライス 冷酒
祥伝社WEBマガジン『コフレ』2017年1月~8月連載、加筆、訂正。
16篇、280ページ。
「絶対に寝るなよ。一晩中起きていることに、おれらの仕事の意味はあるんだから」p.17
「中野お助け本舗」で働く「犬森祥子には、ランチの店を選ぶ、明確な基準がある。酒に合うか合わぬかだ。夜の仕事をしている彼女にとって、ランチは一日の最後の食事となる。ならば酒を飲んで、リラックスしてから家に帰り、眠りにつきたい。」
p.9「第一酒 武蔵小山 肉丼」
1970年生まれな原田ひ香さんを初読み。
http://www.coffret-web.jp/lunchsake/1/
で、訂正前の、「第一酒 武蔵小山 肉丼」p.8-22 が読めます。
小説丸 著者インタビュー 第113回
原田ひ香さん 『ランチ酒』
『きらら』2018年1月号 今月のPickUP 文・取材 瀧井朝世
http://www.shosetsu-maru.com/interviews/113
によれば、1970年神奈川県生まれ、2006年第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞な原田ひ香さんは、
「連載中は体重が増えてしまって、それがちょっと辛かった(笑)」
そうです。
「登場するのはみな、実在のお店。」
「作中に店の名前は載せていませんが、ネット検索すれば出てくるような、よく知られたところばかりです。」
原田ひ香『ランチ酒 おかわり日和』祥伝社 2019年7月刊 303ページ
2019年8月15日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4396635664
「今日はご褒美、もう一杯!
〈見守り屋〉の祥子は今宵も寝ずの番で客を見守る。
夜勤明けの疲れを癒すのは、絶品ランチ酒。
明日はどんな味に出会えるだろう?
さらに美味しくなって帰ってきた!
疲れた心にじーんと沁みる、珠玉の人間ドラマ×絶品グルメの五つ星小説!
バツイチ、アラサー、犬森祥子の職業は〈見守り屋〉。
依頼が入ると、夜から朝までひたすら人やものを見守る。
彼女の唯一の贅沢は、夜勤明けの晩酌ならぬ「ランチ酒」。
街で出会ったグルメを堪能しながら思うのは、一人娘のこと。
別れた夫とその再婚相手のもとで暮らす娘に会えないまま半年が経っていた。
独り思い悩んでいたが、ワケありな客たちと過ごす時間が徐々に祥子を変えていき……。
恋(?)の予感の半生ハンバーグとビール、母心のスパゲッティーグラタンとレモンハイ、復活のからあげ丼とハイボール……
今日も昼どき、極上の一杯をいただきます!」
祥伝社WEBマガジン『コフレ』
https://www.coffret-web.jp/lunchsake-2/
2018年8月~2019年1月連載、加筆、訂正。
第一酒 表参道 焼き鳥丼
第二酒 秋葉原 角煮丼
第三酒 日暮里 スパゲッティーグラタン
第四酒 御殿場 ハンバーグ
第五酒 池袋・築地 寿司、焼き小籠包、水炊きそば、ミルクセーキ
第六酒 神保町 サンドイッチ
第七酒 中目黒 焼き肉
第八酒 中野 からあげ丼
第九酒 渋谷 豚骨ラーメン
第十酒 豊洲 寿司
『ランチ酒』祥伝社 2017.11 の続篇。
一晩中起きている見守り屋という職業の主人公・犬森祥子がお酒と共に食べる美味しそうな食事の描写を楽しみました。
第1作で魅力的に描かれていた「中学時代からの親友、幸江」が祥子の回想以外には登場しなかったのが少し残念ですが、二冊目でようやく、私も行ったことのあるお店が出てきたので文句はありません。
「小山内が指定した店は、神保町の大きな書店の地下にあった。
「ジャーマンセルフサンドとランチビールをいただきます。ビールはブラウマイスターで」
運ばれたオープンサンド、ハムくらいの直径のソーセージに塩漬けの豚肉の固まりが入っているアウフシュニット、生ハムなど肉類の薄切りとサニーレタス、トマトなどの野菜、黒パンが一皿に盛ってあった。シンプルだけど美しい一皿。
まずは、アウフシュニットだけを食べてみる。やわらかなミンチの肉の中の、こりこりした歯ごたえが楽しい。ブラウマイスターのビールにももちろん、よく合う。
黒パンで野菜と生ハムを挟んでみた。パンには少し酸味があり、ハムによく合う。
ビールも進んだ。グラスのランチビールはあっという間になくなってしまった。
「このレモン風味の、ラドラーっていうの、お願いします」
緑の小瓶で、ラベルにレモンの絵が描いてある。レモネードのような甘く爽やかな味わい。いくらでも飲めそうだ。」
「第六酒 神保町 サンドイッチ」
神田三省堂書店ビル地下のレストラン「ローターオクセン」(現在は「BEER膳 放心亭」)へ行ったのは、大学図書館問題研究会福岡支部の全国委員をしていた1995~2000年頃で、常任委員の人達に連れて行ってもらいました。元気だった、若かった頃の、楽しい、懐かしい思い出です。
原田ひ香『ランチ酒 今日もまんぷく』祥伝社 2021年6月刊 320ページ
2021年7月28日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4396636091
「おいしい! が生きる力になる。
珠玉の人間ドラマ×絶品グルメ小説の第3弾!
〈見守り屋〉の犬森祥子のもとには、様々な依頼が舞い込む。話し相手になったり、頼まれれば片づけをしたり、夜から朝までひたすら人を見守るのが仕事だ。
夜勤明けの楽しみは「ランチ酒」。仕事の疲れを癒しながら、離れて暮らす一人娘に、これからの人生に思いを巡らす。そんなある日、十歳になった娘から「話したいことがある」と連絡が入り――。
思い出の餃子×ビール、遠くへ行きたくなるお好み焼き×レモン酎ハイ、好きな人と食べたい白いオムライスと白ワイン……悩んでも、迷っても、食べる喜びが背中を押してくれる!」
https://twitter.com/LunchSake/status/1366230224677920769
原田ひ香 @LunchSake 2021年3月1日 午後0:34『ランチ酒』最終話、「コフレ」で更新されました。こんな感じの真っ白なオムライスが出てきます。そして、最後の最後に出てくる店は私の理想のお店を書きました。よろしくお願いします! (今年の夏頃、書籍化の予定です)
祥伝社WEBマガジン『コフレ』
https://www.coffret-web.jp/lunchsake-3/
2019年10月~2021年3月連載十六篇
第一酒 蒲田 餃子
第二酒 西麻布 フレンチ
第三酒 新大久保 サムギョプサル
第四酒 稲荷町 ビリヤニ
第五酒 新宿御苑前 タイ料理
第六酒 五反田 朝食ビュッフェ
第七酒 五反田 ハンバーグ
第八酒 池尻大橋 よだれ鶏
第九酒 銀座一丁目 広島風お好み焼き
第十酒 高円寺 天ぷら
第十一酒 秩父 蕎麦 わらじカツ
第十二酒 荻窪 ザンギ
第十三酒 広島 ビール
第十四酒 六本木 イタリアン
第十五酒 新橋 鰤しらす丼
第十六酒 末広町 白いオムライス
『ランチ酒 おかわり日和』祥伝社 2019.7 続篇。
刊行されて、もう一年半になりますけど、
福岡市総合図書館予約14人(複本3冊)。
「第十三酒 広島 ビール」p.221-248 を読んでいたら、去年(2020年)11月に読んだ、
新久千映『ワカコ酒 4』2015.1
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/4734195649988370
で知った「ウニクレソン」が登場。
ググってみたら、
「今や広島の新名物・ご当地グルメ 2017年4月7日」
https://macaro-ni.jp/34192
なんですねぇ。知りませんでした。
「広島に来たからには絶対に食べたいものがあるのだ。
「ウニクレソンください、あとビール」
大将がクレソンの束を二つ取りだしてきた。ぱさっと手で折るようにちぎって鉄板の上に置く。そこに、これでもかというように大量のバターを置いた。
――推定、二十グラム。いや、もう少しあるかも。
大将は他に斜めに切ったフランスパンも出してきた。それも鉄板の端に並べる。
――フランスパン? この店に似合わなっ。
バターが溶け出してよい匂いがし出すと、クレソンにからめるように炒めた。しんなりしてきた時にウニの箱を出して、スプーンですくって大切そうにそっとのせた。ウニをさっとクレソンと混ぜると、平皿に盛り付け、上にフランスパンをのせて、「おまちどお」と祥子の前に出してくれた。
箸でクレソンとウニが混ざっているところを一口。クレソンがシャキシャキしているのに生すぎない。クレソンの苦みとウニの甘みが広がる。フランスパンを手でちぎって、皿の底にたまっているバターをぬぐうようにすくって食べる。
――鉄板で焼いているからぱりぱりでおいしい。ウニバターだ。めちゃくちゃおいしい。クレソンとウニ、パンとバターをかわりばんこに食べながら、ビールを飲んだ。最高だな。」p.239-240
「第十酒 高円寺 天ぷら」p.171-187 の玉子天丼も食べてみたいなぁ。
「店主は慣れた手つきで卵をそのまま、琥珀色の油に投入する。
――うわっ、生卵を油に入れちゃうのか……。
卵の白身が広がったところに、天ぷらの衣を菜箸の先ですくってぱらぱらと落とす。それが揚げ玉となって卵にまとわりついた。
揚がった玉子がたれと共にご飯にのったものが出てきた。
まずは白身の部分と揚げ玉をご飯と一緒に頬張った。揚げ玉のしゃきしゃきに玉子、甘い丼つゆがからむ。これは、天ぷらの天つゆとは別物である。
――卵一つでごちそうになるんだなあ。
数口食べたあと、黄身を割る決心がついた。箸の先でつつくとぷよんぷよんと動く。おそるおそる、箸を刺す。とろりと黄身があふれて白飯に広がる。それをすかさず箸ですくい、丼つゆの部分、揚げ玉が一緒に口に入るように案配する。小さな工夫が楽しい。
究極の卵かけご飯だ。卵かけご飯に甘みと揚げ玉、ごま油が加わった新しい食べ物だ。」p.183
https://cookpad-video.jp/videos/1776
たまごの天ぷら!?【玉子天丼】
https://www.youtube.com/watch?v=5vY7Uh-kqyU
卵の天ぷら
ググってみると、他にもいろいろありますねぇ。
読書メーター 原田ひ香の本棚(登録冊数12冊 刊行年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11249567
食べ物の本棚(登録冊数751冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091194
エッセイ、小説、マンガ、絵本、レシピなどを著者名五十音順に並べています。