北村薫(1949.12.28-)「中野のお父さん 煙草入れと万葉集」『オール讀物』2023年3・4月合併号
『オール讀物』2023年3・4月合併号
文藝春秋 2023年2月22日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BSR6QN94
北村薫(1949.12.28-)
「中野のお父さん 煙草入れと万葉集」
益田ミリ画
p.324-349
「若き日の落語家の間違いを、
なぜ久保田万太郎は指摘したのか」(目次)
久保田万太郎(1989.11.7-1963.5.6)
三遊亭圓生 六代目(1900.9.3-1979.9.3)
『空飛ぶ馬』東京創元社 1989.3
で覆面作家デビューが話題になった頃から、
お名前は知っていた北村薫さんを、
2021年11月に
『中野のお父さん』文藝春秋 2015.9
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6528644213876829
https://www.amazon.co.jp/dp/4163903259
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163903255
から読み始めて、
『中野のお父さんは謎を解くか』2019.3
https://www.amazon.co.jp/dp/416390994X
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6679075502167032
『中野のお父さんの快刀乱麻』2021.11
https://www.amazon.co.jp/dp/4163914617
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6712923085448940
と既刊三冊を読み終わってしまい、
『オール讀物』連載を
2023年1月号から読み始めています。
http://www.hatirobei.com/本を探す/作家から/北村薫/雑誌掲載記事
によれば、この3・4月合併号以前の掲載作は
「漱石と月 中野のお父さん
《アイ・ラブ・ユー》を明治の文豪たちはいかに訳したのか」
2021年10月号
「清張と手おくれ 中野のお父さん」
2022年6月号
「池波正太郎と鬼平犯科帳 「白浪看板」と語り 口演された池波作品に潜む謎の言い回しは、一体誰の遊び心か」
2023年1月号
だけなので、単行本四冊目の刊行はいつになるのかなぁ?
久保田万太郎(1989.11.7-1963.5.6)
大高郁子(1964- )
「先生は[大高郁子 編・絵]『久保田万太郎の履歴書』という本を取り出す。発行は河出書房新社[2018年2月刊]。
https://www.amazon.co.jp/dp/4309026532
表紙には猫を抱いた万太郎。脇には湯豆腐。
「万太郎が酔いつぶれて帰る電車の中でも、ふと名を呼ぶほど溺愛したという猫――トラだろう。万太郎を知る、一番のお薦めはこれだ」」p.328
2018年4月に読みました。
「大高さんは、テーマとして与えられるまで、万太郎を知らなかったそうだ。描くために作品を読み始めたら、父母の歳時記で読み、憶えていた句があった
叱られて目をつぶる猫春隣
その目、その顔に
「丸め込まれている猫好きの他愛なさ。この句が気に入り、花瓶を倒した猫の後ろ姿と、お玉を持って怒っているおばさんの絵を描いた」
この本は、万太郎の著作から文章を抜き出し、それを素材に大高さんが絵を描いている。万太郎の一生という川の流れに寄り添い、絵が川沿いを共に歩いている。ごく自然にね。その塩梅が絶妙なんだ。」p.329
たけのこ煮、そらまめうでて、さてそこで
うつぶせにねるくせつきし昼寝かな
時計屋の時計春の夜どれがほんと
月仰ぐ眼鏡の枠に月あふれ
あきかぜのふきぬけゆくや人の中
秋晴や人がいいとは馬鹿のこと
年寒しうつる空よりうつす水
今は亡き人とふたりや冬籠
湯豆腐やいのちのはてのうすあかり
https://kangaeruhito.jp/articlecat/thinking_cat
大高郁子「考える猫のその日暮らし」一覧
佐佐木信綱(1872.7.8-1963.12.2)
折口信夫(1887.2.11-1953.9.3)
「折口信夫『口訳万葉集』
折口は「まんにょうしゅう」と読んでいた
折口が、この本を出した頃[大正五年(1916)?]は、
日本中どこでも、誰でも「まんにょうしゅう」といっていた
江戸の国学者も、明治の人も大正の人も昭和の初めの人も、皆な、
「まんにょうしゅう」といっていた
「ん」と「お」が繋がると自然にそうなる
「まんよう」が本来の読みなら、
そちらにしようと考えた人がいる
佐佐木信綱[1972.7.8-1963.12.2]だ
折口の教え子、水木直箭(みずき なおや[1897.10.14-1976.4.29])は
『随筆折口信夫』という本の中で、こう書いている。
「紀元二千六百年[昭和十五年(1940)]を記念して、
マンニョウシュウと言うことを止めて、
マンヨウシュウと言うことにしようではないか、
と言われたのが佐佐木信綱先生です」
水木は愕然とした。無茶だ。
本居宣長も『万葉代匠記』の契沖も含め、
今まで誰もが「まんにょうしゅう」といってきた。
歌の世界の指導的立場にいた佐佐木信綱がいったから、
そうなった。でなかったら我々は、
今も「まんにょうしゅう」といっていた」
p.346-347
読書メーター
北村薫の本棚(登録冊数12冊 発表年月順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11607836
オール讀物の本棚(登録冊数13冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11092057
https://note.com/fe1955/n/ndf1a5b068a45
北村薫(1949.12.28-)
『中野のお父さん』
文藝春秋 2015年9月刊 288ページ
https://note.com/fe1955/n/n3a04834f8be5
北村薫(1949.12.28-)
『中野のお父さんは謎を解くか』
文藝春秋 2019年3月刊 336ページ
https://note.com/fe1955/n/nb330e32d0f1d
北村薫(1949.12.28-)
『詩歌の待ち伏せ(ちくま文庫)』
筑摩書房 2020年7月刊 592ページ
https://note.com/fe1955/n/n453b6ff0e41b
北村薫(1949.12.28-)
『雪月花 謎解き私小説』
新潮社 2020年8月刊 224ページ
https://note.com/fe1955/n/n4539d8b0fcaf
北村薫(1949.12.28-)
『中野のお父さんの快刀乱麻』
文藝春秋 2021年11月刊 320ページ