アガサ・クリスティー 『チムニーズ館の秘密 ハヤカワ文庫』高橋豊訳 早川書房 2004年2月刊 473ページ Agatha Christie (1890.9.15-1976.1.12) The Secret of Chimneys (1925)
アガサ・クリスティー
『チムニーズ館の秘密
ハヤカワ文庫』
高橋豊訳
早川書房 2004年2月刊
473ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4151300732
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000320073/
「王政復古の機運が熟したある国をめぐって、さまざまな人物たちが
いりみだれるチムニーズ館。そこで突如殺人事件が発生した。
バトル警視以下、館に集った英米仏の探偵たちは推理合戦を展開する
ことになるが……。波瀾万丈の冒険ミステリ。解説 井家上隆幸」
福岡市総合図書館蔵書
2011年2月18日読了
Agatha Christie (1890.9.15-1976.1.12)
The Secret of Chimneys (1925)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DHY79677
1925年に英国で発表された、
アガサ・クリスティの長篇第五作。
ポアロやミス・マープル物のようなシリーズの一冊ではなく
主人公はアフリカ・ジンバブエから英国に帰ってきた若い男性
アンソニー・ケイド。
舞台はロンドン郊外、貴族の邸宅チムニーズ館。
クリスティの作品を発表年順に読んでいて
本書は六冊目になります。
毎晩眠る前に布団の中で少しづつ読んでいたのですが、
昨夜は我慢できずに最後まで読んでしまいました。
次は『アクロイド殺し』1926 を読みます。
「白髪の執事が彼のすぐ横でかしこまっていた。
「わたくしの一存で、閣下の朝食の時間を少し早めました。
食堂にすっかり用意がととのっております」
「わたしは何も喉を通らないような気がするよ」
ケイタラム卿は憂鬱な調子で答えながら、
そのほうへ足を向けると、
「少しのあいだはな」と付け加えた。
バンドル[ケイタラム卿の娘]は彼の腕に手をやって、
いっしょに食堂に入った。
サイドボードの上に十組ほどの重い銀の食器類が
新式の装置で保温されて並べられていた。
「オムレツか」
ケイタラム卿は一つづつふたを持ちあげながらいった。
「エッグズ・アンド・ベーコン、
羊の腎臓(キドニー)、
鳥肉の辛味炒め、
タラ、
コールド・ハム、
キジ肉の冷製。
どれもこれもほしくないね。
コックに頼んでポーチド・エッグを作ってくれないか」
「はい、かしこまりました」
ケイタラム卿はうわの空で
キドニーとベーコンをごっそり皿に取り、
カップにコーヒーを注いで、
長いテーブルの前に腰をおろした。
バンドルはすでに皿いっぱいに盛った
エッグズ・アンド・ベーコンを
せっせと食べていた。」
p.156
「第10章 チムニーズ」
英国の豪華な朝食の美味しそうなこと!
吉田健一(1912.4.1-1977.8.3)が、
ジョイス『ユリシーズ』の腎臓を焼いて食べる場面について
書いていたのを読んだ記憶があって、ググったら→ https://x.com/ReboursAkio/status/1489797335202762756
読書メーター
アガサ・クリスティの本棚
登録冊数14冊 発表年順
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091281
我が家の本棚のアガサ・クリスティは29冊です。
1987年春、福岡への引越の際、
ミス・マープル以外の作品を、
幼稚園のバザーに放出してしまったのを、
今でも悔やんでいます。
2010年12月に、
アガサ・クリスティ(1890.9.15-1976.1.12)は
発表順に読むのが一番楽しめるはずだと勝手に考えて、
https://ja.wikipedia.org/wiki/アガサ・クリスティの著作一覧
を参照しながら、
『スタイルズ荘の怪事件』1920
から十一冊読みました。
冒険ものが多くて楽しかったですけど、
学生の頃(1973-77)に何冊も読んだ
ミス・マープルにはたどりつけずに中断、
11年も経ってしまいました。
『牧師館の殺人』の12年後に刊行された、
ミス・マープル長篇第2作
『書斎の死体』(クリスティ長篇第34作)
The Body in the Library Collins, May 1942 (UK)
も、新訳で読み直したいなぁ。
https://note.com/fe1955/n/n76bb25b02f96
https://note.com/fe1955/n/n72ea3083ac4d
https://note.com/fe1955/n/ne22ac363ec78
「名探偵ポワロ」データベース
https://poirot-database.web.app/index.html