ジャネット・イヴァノヴィッチ 『私が愛したリボルバー 扶桑社ミステリー』細美遙子訳 扶桑社 1996年4月刊 362ページ 『あたしにしかできない職業』1997年10月刊 436ページ 『モーおじさんの失踪』1998年2月刊 464ページ Janet Evanovich One for the Money (1994) Two for the Dough (1996) Three to Get Deadly (1997)
ジャネット・イヴァノヴィッチ
『私が愛したリボルバー
扶桑社ミステリー』
細美遙子訳
扶桑社 1996年4月刊
362ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4594019528
「『私が愛したリボルバー』、いかにもハードボイルドな
日本語タイトルである。主人公はステファニー・プラムという
バウンティ・ハンター(女賞金稼ぎ)。裁判をすっぽかした
保釈中の容疑者を見つけ出し、警察につき出すことで報酬を
もらう。保釈金を踏み倒して身を隠すような輩であるから、
連れ出す相手は相当物騒であることは想像がつく。
護身用にリボルバーを手にしなければならないほどに。
しかし意外にも、ステファニーは勇ましさやたくましさとは
まったく縁がない。銃だって撃ったことがないし、そもそも
危ない仕事など、できればやりたくないというタイプ。
そのミスマッチ感覚がたまらなく楽しい。
仕事をクビになり、クレジットカードも車も没収。電話代も
払えない始末となったのに再就職先がない。たった今
この空腹をなんとかするために、とにかくやるしかない、
のである。お金のために、行きがかり上仕方なく、とはいえ、
ずいぶんとマッチョな仕事についたものである。しかし
ステファニーには、男と張り合う気負いがまるでない。
すぐにべそをかくし、助けが必要ならば一応躊躇(ちゅうちょ)
するだけの職業意識はあるものの、あっさり降参して頼れる男を
呼び出す。彼女をサポートしてくれる男たちも魅力的。男を敵に
まわすよりも共生していきたいと臨む90年代型の女主人公の
登場である。
小難しい筋書きは一切なし。ドジでどちらかというと間の抜けた
主人公が、あれよあれよという間に、かなり危ない事件に巻き
込まれていく。ステファニーの魅力に乗って走り出したら止まらない
事件の行方はジェットコースターなみのドキドキを体感させてくれる。
(木村朗子)」
福岡市総合図書館蔵書
2010年1月26日読了
https://evanovich.com/
https://en.wikipedia.org/wiki/Janet_Evanovich
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャネット・イヴァノヴィッチ
Janet Evanovich
One for the Money (1994)
https://www.amazon.com/dp/198211794X
https://www.amazon.com/dp/0140252924
https://en.wikipedia.org/wiki/Stephanie_Plum
1994年に米国で発表された
ステファニー・プラム・シリーズ第1作。
英国推理作家協会賞最優秀処女長編賞を受賞。
舞台はニュージャージー州トレントン。
最後に意外な犯人が解明されるミステリーですが、
読んでいる間の印象は
ドタバタ・クライム・ノヴェルでした。
すらすらと読めてしまって、
読み応えとしてはやや薄味でしたが、
次作以降も読んでみようと思わせる作品です。
「のろのろとキッチンに行き、夜のあいだに冷蔵庫の妖精が
訪れてくれていますようにと願いながら、冷蔵庫の前に立った。
ドアをあけてからっぽの棚を見つめる。
バター入れのしみや野菜室の底のしなびたくずから、
魔法で食べ物が増殖してくれてはいなかった。
半分はいったマヨネーズの瓶、ビール一本、青かびだらけの全粒パン。
飢えたあたしの前にあるのはこれだけだった。
朝の九時はビールを飲むには早すぎるだろうかとあたしは考えた。
もちろんモスクワなら今は午後の四時だ。それでじゅうぶんだった。
あたしはビールを半分飲み、つかつかとリビングルームの窓に
歩いていった。」
p.22
ジャネット・イヴァノヴィッチ
『あたしにしかできない職業
扶桑社ミステリー』
細美遙子訳
扶桑社 1997年10月刊
436ページ
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784594023614
「「あたし」ステファニー・プラムは、保釈中の逃亡者を
捕まえて警察に引き渡す、逃亡者逮捕請負人、
通称バウンティ・ハンターだ。今回もなかなか捕まらない
逃亡者ケニー・マンキューソを追っていると、地元の
葬儀屋スパイロから妙な依頼が。なんと、棺桶二十四個を
探してほしいというのだが…?
天下無敵の二人組、ステファニーとメイザおばあちゃんが
大活躍! CWA(英国推理作家協会)賞最優秀ユーモア賞
に輝くスクリューボール・コメディ、
「ステファニー・プラム・シリーズ」第二弾。」
https://www.amazon.co.jp/dp/4594023614
福岡市総合図書館蔵書
2010年2月2日読了
Two for the Dough (1996)
https://www.amazon.co.jp/dp/0684196387
https://www.amazon.co.jp/dp/0140255559
1996年に米国で発表された
ステファニー・プラム・シリーズ第2作。
主人公はハンガリー系イタリア移民の末裔という設定で、
お母さんが料理上手です。主人公のおばあちゃんも大活躍。
英国推理作家協会賞最優秀ユーモア賞を受賞した本書は、
第1作『私が愛したリボルバー』同様、すらすらと読める作品で、
読み応えは物足りない感じですが、脇役に魅力があるので、
次作も読んでみます。
「あたしは母さんのあとについて、母さんの本拠地に連行されていった。
こんろの上でジャガイモがゆだり、あたりいっぱいに湯気がたちこめて、
流しの上の窓が曇っている。
母さんはオーブンの扉をあけて、ラム・ローストの焼け具合を調べた。
ラムの脚のにおいが押し寄せてきた。あたしは目がうっとりとうるみ、
期待のあまり茫然自失状態になって口が開くのを感じた。
母さんはオーブンの前から冷蔵庫に向かった。
「ラムのつけあわせにはニンジンがいいだろうね。
ニンジンの皮をむいておくれ」
母さんはあたしに袋と皮むきナイフをわたした。」
p.36
ジャネット・イヴァノヴィッチ
『モーおじさんの失踪
扶桑社ミステリー』
細美遙子訳
扶桑社 1998年2月刊
464ページ
福岡市総合図書館蔵書
2010年2月3日読了
Three to Get Deadly (1997)
https://www.amazon.co.jp/dp/0684822652
https://www.amazon.co.jp/dp/0140256083
1997年に米国で発表された
ステファニー・プラム・シリーズ第3作。
英国推理作家協会シルヴァーダガー賞受賞作品。
巻末解説(三橋暁)によると、
第1作『私が愛したリボルバー』が同協会の最優秀新人賞を、
第2作『あたしにしかできない職業』が最優秀ユーモア・ミステリ賞を
受賞していて、米国の作家が三度以上受賞するのは
「初の快挙ではないか」 p.463 とのこと。
第1-2作同様、
ステファニーのお母さんの料理が何度も出てきて、美味しそうです。
「あたしは鼻をひくつかせた。
「ミートローフね」
「新しいレシピを習ったんだよ」母さんが言った。
「ミートローフにオリーブの薄切りを入れて、
クラッカー粉のかわりに浸したパンを使うんだよ」
母さんの緊張を解くのにいちばんいい方法は、料理の話をすることだ。
三十年間、わが家では愛や怒りを語るのにグレ-ビーソースや
マッシュポテトを使ってきた。
モレリはミートローフふた切れとマッシュポテトとサヤインゲンと
アップルソースを自分でよそった。」
p.156
「デザートはチョコレート・モカ・ソースつきのスパイスケーキだよ」
p.156
スパイスケーキが分からなかったのでググってみると、
生姜・シナモン・クローブ等のスパイスを効かせた焼き菓子のことでした。
ウィキペディアによれば、
ステフのシリーズはもう18作発表されていて、
第12作まで翻訳が刊行されています[2010年2月現在]。
第4作
『サリーは謎解き名人』
For to Score (1998)
以降も読みたいけど、
機会と時間があるかなぁ。
私のパソコンの
エクセル・ファイル
"読みたい本.xls" は2487行です。
来年還暦の私[2024年11月現在69歳]は、
読みたい本が読み切れないほどあるのは幸せなんだ!
と考えるようにしています…。
読書メーター
ジャネット・イヴァノヴィッチの本棚
登録冊数3冊
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091440
ミステリの本棚
登録冊数377冊
著者名五十音順
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091193
https://note.com/fe1955/n/n0bb453a856da
https://note.com/fe1955/n/n2dbf2e9cb582
https://note.com/fe1955/n/n0bf056375bfd
https://note.com/fe1955/n/nc50e1ec88745
https://note.com/fe1955/n/n3e63a3b8cd87