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ヤマザキマリ、とり・みき「リ・アルティジャーニ ルネッサンス画家職人伝 22 それぞれの理想」『芸術新潮』2020年2月号


『芸術新潮』2020年2月号 新潮社 2020年1月25日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B083WC1CGV
https://www.shinchosha.co.jp/geishin/backnumber/20200124/

http://torimikisblogarchives.blogspot.com/2020/01/22.html
「ヤマザキマリ+とり・みき『リ・アルティジャーニ』は第22回「それぞれの理想」。ヴェネツィアで油彩技法に試行錯誤するベッリーニに義兄マンテーニャは最新の銅板印刷絵画の可能性を説きます。」

ヤマザキマリ(1967.4.20- )
とり・みき(1958.2.23- )
「リ・アルティジャーニ ルネッサンス画家職人伝
22 それぞれの理想
義兄マンテーニャの考えを聞いたベッリーニは……」p.10-13
2022年6月11日読了

Antonello da Messina (1430-1479)
Giovanni Bellini (1430?-1516)
Andrea Mantegna (1431-1506.9.13)

「お前さんに どうしても 見せたいものがあって来た
私が最近はまっているドイツ式銅板手法(エングレーヴィング。凹版技法のひとつ)によるタロットカードだ
この手法であれば何枚も同じ絵が製造できる
おそらく これからは活字も絵も刷った形が普及していくことになるであろう…」p.10

ヨハネス・グーテンベルク(Johannes Gutenberg 1398?-1468.2.3)の時代なんだなぁ。

「時代の寵児である義兄マンテーニャは鋭い審美眼の持ち主だ
彼が得たインスピレーションは強い影響力を及ぼす
私も彼の作品に影響されて何枚模写をしたことか…
だから義兄は どこかで私を従順で同じ意識を持った同志だととらえているのだろう…

この本(マルシリオ・フィチーノ(1433-1499 ルネサンス期の人文主義者・哲学者)『プラトン神学』1474)は是非お前には読んでもらいたくてな…
民の心を動かす力を持った我々が知っておくべき言葉が記されている」p.11

明治大学文学部学生の頃(1973-77)、
クラス担任・卒論指導担当・小野二郎先生(1929.8.18-1982.4.26)
https://ja.wikipedia.org/wiki/小野二郎
の講義や著書
『ユートピアの論理』晶文社 1969.12
『運動としてのユートピア』晶文社 1973.6
で、ネオプラトニスムやフィチーノの名前を知りましたけど、
その後約五十年、何も読んでいません。

「ゴンザーガ(イタリア北部の都市マントヴァを支配した貴族。マンテーニャは1460年以降、ゴンザーガ家の宮廷画家)の館の装飾の仕事も一段落したので これからは銅版と考古学調査に力を入れてみようと思っている
フィレンツェの知識人達は すでに人間の英知が土の下に埋もれていることに気付いている 彼らはどんどん先を見すえて動いている
しかしこのヴェネツィアはどうだ…
商業の繁栄こそ人間の価値の全てだと思い込み 頭の中身はさっぱり進化していない
民は私達が創るものによって変化する
義弟ジョヴァンニよ そなたも私と一緒に来ないか?

マンテーニャの思いには感動するしかない
しかし 私が目を向けているのは 彼とは別の方向なのだ…
[このコマには、アントネッロ・ダ・メッシーナ「書斎の聖ヒエロニムス」1474-75 が描かれています]

人間という宇宙の開拓の手段…
私はそれを油彩という技法の中に見出したのだ
ヴェネツィアには ヴェネツィアに ふさわしき意識改革があるということを 私は示したかった…」p.12-13

最終コマで、ベッリーニが描いている作品は何だろう?
ベッリーニの絵画を知っている人なら分るんだろうなぁ。

読書メーター ヤマザキマリの本棚(登録冊数73冊 刊行年月順)
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とり・みきの本棚(登録冊数47冊 刊行年月順)
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