見出し画像

【インタビュー#13】名古屋(小牧)空港で航空機の整備・点検をする仕事┃整備部ライン整備グループ(名古屋基地)

FDAプロフェッショナルズとは?

FDAの安全で快適な運航は、多くのスタッフの力が結集して遂行されている。地上から空の上まで、自らの役割を誇りをもって全うしている彼らが、何を大切に思い、どのようにFDAらしさを体現しているのかを探るインタビュー企画『FDAプロフェッショナルズ』の第13弾(2023/10/1時点)。

今回は、名古屋(小牧)空港で航空機の整備・点検を行っている整備部ライン整備グループの整備士の仕事に密着した。


「“この飛行機には、大切な家族が乗っている”という気持ちで出発前の整備・点検を行い、安全で快適な空の旅を守っています」

2023年7月。17時35分名古屋(小牧)空港に一日の運航を終えたバイオレットカラーの16号機が到着した。

到着後すぐに、数名の整備士が機体に駆け寄りエンジンやタイヤ、翼など機体回りの確認を次々と行っていく。運航終了後の整備点検である。その後、機長が整備士へ、その日の機体の状態を伝え、ログブックを渡した。

「この仕事を任されるようになるまで、入社から5年ほどかかりました」

こう話すのは、整備部ライン整備グループの確認主任者で、一等航空整備士の山本翔太さんだ。

一等航空整備士の資格を保有している整備士は、一日の運航を終了した機体の状態を機長から聞き、その内容が記載さ れたログブックを受け取り、機体の状況を把握する。

山本さんは2013年4月に入社後、「認定作業者」という社内資格で修業時代を過ごした。

「専門学校を卒業する時点で小型機を整備できる二等航空整備士の資格は取っていましたが、その資格ではFDAのエンブラエル機の主要な整備や整備をした機体の出発判断をすることはできません。最初のうちは、先輩に付いてタイヤやバッテリー交換を行ったり、エンジンを整備する際に、先輩のわきで工具を渡したり、整備のアシスタント業務をしていました」

一等航空整備士の資格を取らなければ、本格的な整備はできない。

「一人前になりたい一心で、仕事の合間には、格納庫にある自習室で資格試験の勉強をしました。FDAの整備士は、社内訓練だけでなく自己学習によって知識と技術を身に付けていきます」

入社時からずっと山本さんを指導してきた上司でグループリーダーの松尾友幸さんは、感慨深げにこう振り返る。

「彼は1年目、2年目、3年目と段階を踏んで社内資格を取り、キャリアを積みリーダーになりました。最近では、日々成長したなと思いますね」

ライン整備士は、お客さまと接する機会がほとんどない。しかし、山本さんにかぎらず整備士は、安全運航とお客さまの笑顔のために黙々と努力を続けているのである。

全16機の〝健康状態〞を知り尽くすサポートデスクも兼務

山本さんは現在、サポートデスクという業務も兼任でこなしている。

「私たちは機長から、一日の運航を終了した機体の状況について聞き取りをします。また、機体に搭載されているコンピューターのデータも定期的に回収して、日々の機体の状況をモニターしているのです。そのデータやこれまで機体ごとに発生した不具合の情報をもとに、事前に点検や部品を交換する予防整備を実施していますが、サポートデスクは部品等の費用面も考慮しながら、機体の品質を最適化できる方法を検討する役割を担っています。また、機体に不具合が発生した場合は、即座に整備指示を出せるよう機体の状況をモニターしています」

運航終了後には機体に異常がないか、機体全体を点検する。

技術基準に定められた定例整備内視鏡でエンジンをチェック

取材当日、16号機は運航終了後に格納庫に移動した。定期的な点検が決められているエンジンの内部検査のためである。

この点検では、外径6ミリメートルの極細のビデオスコープを使う。右手にチューブ、左手にはリモコンを持ち、チューブをエンジン内部に入れながらリモコンを操作、カメラの角度を変えて、確認していく。まさに人間の胃腸検査などに使用する内視鏡と同じなのだ。

工業用ビデオスコープを用いてエンジン内部を点検する。その方法は、人間の臓器を見る内視鏡検査と似ている。全神経を集中してモニター画面を見つめるまなざしは真剣そのものだ。

「エンジンの細部までモニターに映し出されるので、頼りになる検査機器です。とはいえ、見落としがあってはいけないので、気は抜けません。たとえば、エンジンの点火が悪いとか、エンジンのガス温度が高いなどの兆候があると、その部分を注視しながら作業を進めます。今回のこの機体のエンジンは不具合兆候は見当たらなかったので、今日の点検は予防整備の意味合いがあります。時間をかけられる定期点検だからこそしっかり見て、不具合が何もないということを確認できればよいと思っています」

「私たちは10名ほどのチームで、マニュアルに基づき日々の整備作業をし、問題や課題があればチームで解決していきます。もちろん工具の置き忘れ、部品の紛失など、こまかなことでもミスは絶対に許されないし、自分が整備をして送り出す飛行機には、自分の家族が乗っているという気持ちで、整備作業に取り組みます。日々の整備も含め、作業は確実に行いますが、結果として何も不具合が起こらず、今日も安心だったねと言えるくらいがいいのかなと思いますね」

飛行機の整備では、異臭を嗅ぎ分け、傷を見つけ、エンジン音を聞き分けるなど五感(嗅覚・視覚・聴覚・触感等)も使うため、 体調管理に気を使っているという。

確かな技術と豊富な知識、そして、10年目を迎えた経験の裏には、お客さまの安全を守ることを使命とするプロ意識がある。山本さんの表情は自信に満ちていた。

最後に整備士の仕事の様子をYouTubeで見てみよう🎵


学生の皆さまへ - カラフルな未来を目指して🌈 -

FDAは「地方と地方、人と人を結ぶ」をコンセプトにしているリージョナルエアラインです。従来の大型機主体・拠点空港中心(ハブ&スポーク方式)とした形態とは異なり、新たなビジネスモデルに挑戦をしている航空会社になります。

FDAのカラフルな機体のように、人材に関しても様々な個性が集まって切磋琢磨しあうことを求めています。

各々の個性を活かしながら仕事に向き合い、単色に塗込められたような未来ではなく、様々な色彩が開花する未来へと向かって一緒に仕事をしてみませんか?

たくさんのエントリーシートお待ちしております🤝