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VOSCUORE 1.フットサル・Fリーグ

しばらく投稿が止まってしまいました。ここで、ちょっと話がそれてしまいますが、仙台のフットサルチーム、VOSCUOREについて書きたいと思います。2024年2月17日18日の両日、(日本フットサルリーグ)F1F2入替戦2試合が行われ、見事に2連勝して、5シーズンぶりにF1リーグに復帰を果たしました。劇的な入替戦でした(その試合については、あまりにもいろいろなことがあり、後で改めて書きたいと思います)。VOSCUOREは、会社の財政面での問題でFリーグ活動休止となり、それから本当に想像を絶するような厳しい道のりを経て、ついにF1リーグ復帰を成し遂げたのでした。
話は長くなってしまいますが、まずは私が経験したフットサルについて書きます。私が中学の部活でサッカーを始めた頃は、フットサルという呼称は無かったと思います。部活では、陸上競技のハードルなどをゴールにしてミニサッカーを楽しんでいましたが、あくまでサッカーの縮小版、ルールやボールはサッカーそのものでした。その頃のサッカー雑誌には、ブラジルなどで行われていたサロン(ド)フットボールなるものが紹介されていたのを記憶しています。また室内で,壁に囲まれたコートで、その壁も利用して行うインドアサッカーも紹介されていたと思います。
大学を卒業し、働くようになった後の1990年代に、フットサルという名称になり、ルールも世界で統一されました。しかし、サッカーをやっていた人の多くは、フットサルはあくまで、サッカーのミニチュア版という感覚だったと思われます。社会人になると、ボールを蹴りたくても蹴る時間もなく、ましてや人数も集まれなくなります。そして当時はサッカーをするグラウンドも少なく、芝生や人工芝などもってのほかでした。そんなサッカー好きの社会人等にとって、フットサルはボールを蹴りたい欲望のはけ口となったと思います。休日や夜間に、サッカーよりは少人数で楽しめるものですから。フットサル場も徐々に増え、街中に近い所にもできていきました。
私も当時通っていたスポーツクラブのテニスコートで、フットサルをやっているサークルがあるのを知り、ボールを蹴ることに飢えていましたので、参加することにしました。2000年代前半の話ですが、私は30代後半で、そのサークルのいきなり最年長でありました。主催者からは私の身を案じてか、とりあえず体験してみて入会するか決めてくださいと言われたものです。当時はそんな時代だったのです。そのうち、そのサークルで対外試合に臨むチームを作っていたのですが、私も誘われてそのチームに入り、休日になるとフットサルの大会に出るようになりました。私が所属したチームには、Jリーグ草創期に選手だった人などがいました。彼らはテクニカルで、相手チームの選手をドリブルで抜いたり、得点を決めてくれました。しかしあくまで、彼らの多くは個人の能力で勝負し、守備はほとんど行いませんでした。フィールド4人は、攻撃の2人と守備の2人のほぼ分業状態でした。当時は、対戦する相手もほとんどが同じような戦い方でした。またそのサークル以外にも、他のフットサルコートで個人参加のフットサル(いわゆる個サル)に参加したこともあります。その際も、集まってくる人はサッカー経験者が多く、それも足に覚えのあるフォワード系のタイプが幅を利かせる傾向にありました。まず守備はせず、味方の選手を使わずに強引な攻撃を仕掛け、奪われカウンターを食らうという光景ばかり目にしたものです。
最近、私はフットサルをやっていませんので分かりませんが、20年位前の私の周囲のフットサルは、サッカー経験者の、あくまでボールを蹴りたい、自分のテクニカルなところを魅せたい、という欲望を満たすためのもの、という感じでした。フットサル場もあちこちにできた今は、さすがに変わっているとは思いますが、あの頃の空気感が今でもフットサル場に残っているなら、フットサルという競技やFリーグの発展は難しいと私は思います。Fリーグが主に試合が組まれるのは大体が週末です。その土曜や日曜は、サッカー、フットサル好きの社会人にとって、自分自身がプレーする時間にまず充てられるのです。家族がいればなおのこと、週末はボールを蹴ることができる本当に貴重な時間なのです。それをあきらめて、Fリーグの試合を見に行こうとはまず思わないはずです。それでももしFリーグの会場に行き、サッカーとは大きく異なる試合(個人にスペースがない中で、攻守の変化がめまぐるしく、あっという間にゴールに至る、等)を見て魅了されたとして、その後にいざフットサルをするとなった時、周りがサッカーの代用としか思っていない人達ばかりでは、せっかく観戦して感化されたものをプレーに生かすことはできないでしょう。Fリーグを筆頭にしたフットサル競技団体と、週末や平日の夜にフットサル場でプレーしている人達とが、全く結びついていないと感じられるのです。土日に練習や試合が組まれるサッカープレーヤーが、Jリーグを観戦できないのも同じように問題ですが、フットサルの方がより深刻と思います。VOSCUOREがF1リーグ昇格を果たした試合を観戦した感動の一方で、今後のフットサルの行く末を案じるのでした。折しもフットサル日本代表が予選敗退して、ワールドカップに出られなくなりました。でも世間的にはあまり大きなニュースにもなっていません。フットサル、心配です。


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