15年のサッカー人生|木下涼太
引退ブログは、卒論同様テーマ決めに苦戦しましたが、サッカー人生を振り返ることにしました。こんな長い文章を書くのは初めてなので、拙い文章も大目に見ていただければと思います。
サッカーは7歳から始めた。小学生の頃は、区大会を勝ち上がり都大会にギリ進めるくらいのチームに所属し、圧倒的補欠の座を譲らなかった。ずっとベンチウォーマーで、周りと比べて身体的なディスアドバンテージも感じていた。中学に入り体格が周りに追い付くと漸く試合に絡めるようになった。高校時代はボランチの人手不足のため1年秋から試合に出場し、引退する高3夏まで主力だった。持久走が得意で、足元でボールをこねるのが得意で、リフティングはチーム1上手だった。その一方で筋トレはせずヘディングで競ることもなく体を張るプレーは滅多にしなかった。もちろんやるからには勝ちたいという思いはあったが、それよりもスーッとパスが通せたり完璧にミートしたミドルが打てたり華麗に人や股を抜いたりなど自分のプレーが上手くいったときが、何より楽しかった。
高3の秋に遠藤さんのツテで練習参加をしており、ア式に入ることは入学前から決めていた。
1年目
コロナの影響で活動期間自体は短かったものの充実しており、満足のいく時間を過ごした。商東戦の告知動画では私のリフティングが使われ、成蹊戦で嘘みたいなロングシュートを決めた。うまくいかなかったこともあっただろうが良いことで上書きされており嫌な思い出がほぼない1年だった。
2年目
この年の途中からサッカーに対しての想いが変わる。周りのサッカーへの強い気持ちや熱量が自分より高かったし、要求されることも難しくなりサッカーがわからなくなった。練習中のスタッフの話はどこか集中が持たず頭に入ってこないので、いざプレーしてみるとプレスの原則部分が当たり前にわからない。他人に聞くにも聞けず、でもそれはそれでまぁいっかとなっていた。そのほかにも怪我をしたり、大学入学直後から勉強していた会計士試験の雲行きも怪しくなったりしたことでサッカーへのモチベーションは急激に下がっていた。表向きは「会計士試験の勉強」で休部という選択肢を取ったのだが、ただやる気のない中、週6で早起きしてサッカーをすることから逃げただけだった。
3年目
ちょうど新入生が入る前くらいに部活に復帰した。会計士は早々にリタイアすることを決めていながらもサッカーをしたくない一心で申し訳程度に細々と勉強を続けていたのだが、部活辞める決心がつかず、新入生が入ってから復帰するのも気まずかったのでこのタイミングで重い腰を上げた。久しぶりの部活でも、やはりモチベーションは上がらず、淡々と日々の活動を作業のようにこなしていく。チームの士気と自分のモチベーションが不釣り合いであることに目を瞑り、惰性で続けた。1個上が引退し、自分たちが最終学年になってから、チームに全く貢献していない自分がこの部にいる意味を見出せなかった。
2023年3月25日、都トーナメント2回戦、チームは学習院相手に負け、一区切りついた。その日の夜にLINEで近岡に「もう辞めます。」と伝えた。
近岡とは選手と監督という間柄なのは間違いないが、その一方で大切な友達でもある。監督から見ればBで戦力にもならない1/80の選手なのだろうが、友達として見たら1/24のほんの少し貴重な同期だし、その情けで「もう少しやってみようよ」と、繋ぎとめてくれた。後日、近岡とナベと電話で話をしながら、残り1年くらい頑張ってみるかと思えた。
翌日、新体制になった時に書いた最終年度の目標を考え直した。
いつからか、サッカーをやる中で常に大切にしてきた自分への矢印がなくなっていたことに気づく。ア式に入ると、周りの人はチームにどう貢献するかとか、存在意義とか、チームの在り方とか1つ上の層の話をしていた。それにつられていた節もあるかもしれない。改めて、高校と同様、自分のプレーに重きを置き、少しでも自分が上手くなって、いいプレーをして、最後まで辞めないという完全に自分だけで完結する目標を立てた。
気持ち新たに過ごす最後の6か月(特に残り3か月)は、2,3年の時に比べると充実した時間を過ごせたように思える。自分なりに真剣にサッカーと向き合った結果、少しずつながらフジの言うことがわかってきて、サッカーが上手くなって徐々に出場時間増えていったときは素直に嬉しかったし、こんな自分を見捨てず付き合ってくれたフジ(とその他Bのみなさん)には本当に感謝しかない。最後のサタデーも出場機会を与えてくれてありがとう。緊張していいプレーはできなかったけど応援の中プレーする楽しさと高揚感を実感できました。試合後撮れた写真は4年間でのベストショットです。
4年間を振り返ってア式で得たものと言えば、自分に矢印を向けた目的を忘れないことの大切さと愉快な友人と、いくつかの思い出くらい。言葉にすると意外と少なく感じるし、ア式という組織に大きく貢献できた自信はないし、4年の対価として不十分なのかもしれないが、仮にこの時間をやり直せてもどのみち同じような結末が待っていると思うので後悔はない。
今後、プレーヤーとしてはサッカーから距離を置くが、先日弟のサッカーの試合とア式の東京カップを見に行ったら思いのほか面白かったので、1人のサッカーファンとして弟とア式を追っていこうかなと思う。
最後に、今まで自分に関わってくださった全ての方に感謝してこの引退ブログを締めます。
本当にありがとうございました。
木下涼太