自分本位|加久保陽太
こんにちは。
最近は、1ヶ月後に控えたフルマラソンに向けて走り込みを中心とした生活を送っています。そのおかげで今のところは太ることなく過ごせています。大学受験の時は、半年で10kg太ってしまったので二の舞にならないよう気を付けていきたいです。
フルマラソンには、ジュンキとコウタと出るのですが、ジュンキは足をケガして最近走っていないらしいのでたぶん勝てます。コウタにもたぶん勝てると思うのですが、負けた時にはすごく煽ってきそうなので厚底シューズを買ってでも勝ちに行きたいと思います。
肝心のブログについてですが、「まだ書かなくていいか」を繰り返していたら、期限を大幅に過ぎて自分が最後になってしまいました。(りんこちゃん、ごめんなさい。)
何かタメになるようなことを伝えられたらベストだとは思いつつも、結局書くことが全く見つからなかったのでとりあえず4年間を振り返っていきたいと思います。その時思っていたことを素直に書いていくつもりなので、その中でなにか皆の参考になるような部分とかがあれば嬉しいなと思います。
1年生
入学当初は、部活でサッカーをやろうという考えは全くなかった。大学の4年間はモラトリアムの期間と言われるように、適当に遊んで過ごそうかなと思っていた。実際に最初の1ヶ月は、サークルの新歓に行ったり、友達と遊んだりというような小学生の時から続けてきたサッカーからは完全に離れた生活を送っていた。
1ヶ月間そういう生活を送ってみてそれはそれで楽しかったけれど、同時に物足りなさも感じるようになった。サッカーから距離を置く時間が増えるにつれて、だらだらと4年間を過ごすくらいなら本気で何かに打ち込みたいと思うようになっていった。当時のア式は、コロナの影響もあって練習体験とかは一切なく、SNSを見たら既に同期のほとんどは入部していたからどんな雰囲気なのかとかは少し怖かったけど思い切って入部することにした。
入部してまず思ったのは、「レベル高すぎ」だった。一橋のサッカー部って聞いたことなかったから、自分のレベルでもやっていけるかなって思ってたけど全くそんなことなかった。毎週木曜にある10分ほどの紅白戦では、毎回体力切れを起こすくらいついていけなかったし、成城かどっかとの練習試合では、45分間で4失点に絡むという経験もして、自分の中にあったちょっとの自信は完全に消え去った。こんな感じだったから、サタデーリーグ(Bチームの公式戦)とかにはもちろん絡めるわけがなく、練習の雰囲気、レベル感に食らいつくだけで終わってしまった1年生の前期だった。
けど、夏オフ明けに転機が訪れた。
色々な事情があって、Bチームの練習も戸田さんが見ることになった。
1年生の間は直接指導を受けられる機会なんかないと思ってたからすごく楽しみだったし、当時のチームは今とは比にならないくらい選手の入れ替えも激しかったから、ここでアピール出来れば簡単に序列はひっくり返せるなとも思った。
同期の中には、既にAに昇格している人やBでスタメンとして活躍している人が多くいて、彼らと自分の立ち位置の差に焦りも感じていたから、練習中はとにかく頭をフル回転させて取り組んだ。
そういった姿勢が功を奏したのだろうか、夏オフ明けの練習試合やサタデーリーグには、スタメンで出られるようになった。とはいっても、サッカーの実力で勝ち取ったという感覚は全くなく、周りの足を引っ張らないようにとかスタメンとして認めてもらえるプレーをしないととかそんなことばっかり考えながらサッカーしていた。
そして10月の頭、Aチームへの昇格を果たした。
その頃には、自分のプレーにも少し自信がついてきていたからAに呼ばれたからにはリーグ戦に絡んでやると意気込んでいたが、またしてもその自信はすぐに打ち砕かれる。
上級生や戸田さんが作り出す練習の緊張感、1つ1つのメニューの強度、スピード感など挙げたらキリがないがあらゆる面で圧倒された。ある日の紅白戦の合間、ショウさんに「あとちょっと頑張れ」と笑いながら声をかけられた記憶があるが、そのくらいに周りから見ても練習についていけてなかった。練習での緊張感も半端なく、練習後によく乗っていたリンタロウの車では解放感からかボーっとしながら外を眺めるか爆睡しかしてなかった。
結局、1ヶ月ほどでBチームに戻ることになった。当時はきつい以外の感想が出てこなかったけど、今振り返ると、タイジのnoteにもあったようにすごく充実した1ヶ月だったと思う。周りの基準に無理にでもついていこうとすることで、自分の能力は引き上がったし、課題が明確になるからそれに1つずつ向き合うことで成長出来ていると確かに感じられた。
2年生
昨年Aチームを経験したということもあり、今年はリーグ戦に絡んでいきたいという思いがあった。
しかし、実際には停滞してしまったシーズンだった。
リーグ戦が始まる前の1ヶ月ほどは、Aチームにいた時期もあったが特にインパクトを残すこともなくフェードアウトし、その後はBチームでのプレーが続いた。
今シーズンの最初に自分の中で掲げた「リーグ戦に絡む」という目標に対して、毎日の練習や試合で適当に取り組んでしまった日はない。そこに関しては自信を持てるが、ただなんとなく頑張っていただけ、そんな1年だったと思う。練習後、自分のプレーを振り返って「あれ、今日なんかしたっけ」と思う日も結構あった。
もちろん、その都度上手くいかなかったことに対して課題意識を持ってプレーすることもあったと思うけど、それも一過性のもので時間が経てば同じようなミスを繰り返すなんてことも多々あった。
また、この年はサタデーリーグや練習試合など昨年に比べて多くの試合に出させてもらった。出場時間が増えたということは、その分だけトライ&エラーを繰り返すことができて(Bでの試合ならなおさら)成長の機会に溢れていたはずである。
けど、それを活かすことは全くもって出来なかった。
昨年の経験があったにも関わらずである。
結局、高い意識を持って日々取り組めていたのは、当時の練習の緊張感、戸田さんや上級生のサッカーに取り組む姿勢など外的要因によって基準が引き上げられていただけであり、自分自身は大して成長していなかった。
そんなことに1年かけて気づかされたシーズンだった。
3年生
昨年の後悔もあったりで、この年は自分なりに気持ちを入れて臨んだ。冬オフの間は走りこんだり、ボールを蹴ったりとかなり準備をした。
そうした姿勢も相まってかは分からないが、昨年とは打って変わって変化の多いシーズンだった。
自分はこれまでSBを中心にプレーしてきたが、この年からはCBをやる機会も増えた。チームで一番背が低いのにCBってどういうこと?って思ったりもしたが、試合に出られるチャンスが少しでも上がるならいいかとポジティブに捉えることにした。
やってみるとすごく新鮮で、相手のプレスをきれいに剥がせたり、予測がハマって相手の攻撃を潰せたりした時はめちゃくちゃ楽しかった。
そんな感じで初めて挑戦したCBは意外にもうまくいって、シーズン前のお試しみたいな意味合いが強かったからかもしれないが、三商戦ではAのスタメンとして出場することができた。
けど、うまくいっていたのもそこまでで、その後は練習や試合を重ねるにつれてキックの飛距離や上背のなさなどの弱点が露呈し始め、すぐにスタメンから落ちてしまった。
うまくいっていたように感じられたのは、自分の実力なんかではなく、キタガワさん、ナベさん、ヒマルといったずっと試合に出続けていたメンバーがいて、うまくサポートしてくれていたからだと後になって気づいた。処理に困るようなパスは来ないし、変なパスを出してもなんとかしてくれるすごい人達でした。
その後はリーグが開幕するも、なかなか試合には絡むことができずにいた。
そんな中、第4節のICU戦でリーグ戦初出場の機会が訪れた。
この週は、いつもスタメンだったジュンキが資格試験かなにかで間に合わないかもということで、代わりに自分がスタメンに抜擢された。
リーグ戦に関しては途中出場すらもしたことなく、いきなりのスタメンだったから多少緊張はしたけど、直近の練習や練習試合で自分の体が動いてる実感はあったから、今の自分がどこまで通用するのかっていう楽しみの方が大きかった。
試合が始まって10分くらいは、それなりにプレー出来ていたと思う。ボールに全く触れないということもなかったし、守備でも目立ったミスはなかった気がする。
けど、一度相手に抜かれてピンチを招いたことから一気に崩れた。
サッカーの試合でミスをしない選手なんていないし、そこで冷静になれればよかったのだけど、「次は絶対に止める」という気持ちだけが先行して空回りし、むやみにボールを奪いに行っては抜かれるということを繰り返した。
その結果、ハーフタイムで交代。
45分間でチームに貢献出来たこと、相手に通用したことは何1つとしてなくて、自分の実力のなさを痛感したし、交代で入ったジュンキの安定したプレーをベンチで見て、悔しさはさらに大きくなった。
同時に、「今年のリーグ戦は終わってしまったかもな」ということも思った。それくらいに、自分を試合に使うと決めてくれたスタッフ陣の信頼を失うには十分すぎるプレー内容だったと思う。
結局、このシーズンで試合に絡めたのは2試合(先発1、途中出場1)だけで、圧倒的な内容と結果で優勝を果たしたチームの当事者にはなれなかった。去年1年間、リーグ戦に絡めなかったことを考えれば少しはマシになったのかもしれないが、全く満足はできなかった。
こんな感じのシーズンではあったが、自分なりに成長を感じた部分もあった。
「課題意識を持ってプレーする」である。
シーズン当初、CBをやることが多かったからかパススピードに関しては周りからすごく要求されたし、自分でも足りないなと思う瞬間がたくさんあった。
パススピードが劇的に改善されたかというと、全くそんなことはなかったが1年間を通して練習中やフリーの時間で向き合い続けた。こうした意識の変化が、去年よりもレベルの高い環境でプレーする時間を増やせた1つの要因だったのかなと思う。
4年生①(リーグ戦終了~冬オフまで)
ついにラストシーズン。自分たちが最高学年となった。
リーグ戦にスタメンとして出ていた時期もあれば、サタデーリーグにすら出られない時期もあったりと4年間で最も波のあるシーズンだった。
自分たちの代になってから、1部での戦いを見据えてチームは3バックのシステムを採用することになった。これは自分にとって大きな出来事だった。
今までSBとしてプレーしてきた自分にとって、CBをやるかWBをやるかという選択を迫られた。けど、CBをやるには周りと比べてフィジカル面で劣っているし、WBをやるには元々WGだった選手に攻撃面で敵わないなど、どちらをやるにしても明確な課題があった。
練習試合とかではどっちのポジションでもプレーしていたけど、自分にしか出来ないプレー=「自分なりの価値」みたいなものは中々見つからず、かなり悩んだ。
そんな中、Bチームへの降格が伝えられた。
最高学年となる年にこんな状況になるとは思ってもいなかったから、正直かなりしんどかった。けど冷静に振り返ると、大したプレーはしてなかったししょうがないかと思い、次の日からの練習に臨んだ。
この期間、「自分は何に取り組むべきか」ということをかなり考えた。そして練習に取り組みながら徐々にそれは見つかっていった。
「個」の力。
ア式は他の大学に比べると、技術レベルで劣ることが多いから「つながり」を持ったプレーというのが強調されやすい。それ自体は間違っていないし、自分も共感している。
一方、来シーズン1部を戦うということを見据えた時、最低限の「個」の力は絶対に必要になるし、自分が今の位置にいるのもそれが原因なんじゃないかと思った。
だからまずはそこだけを意識して練習に取り組んだ。
例えばポゼッションのメニュー1つとっても、自分のパスでライン突破させる、プレスをかけられても1〜2人なら自分でかわしてチャンスにつなげるなど、とことん向き合った。
本当なら最高学年だしもっとチームの雰囲気に目を向けるとか、そういう役割を担わなければいけなかったのかもしれないけど、ショウタを中心に練習の雰囲気はすごく良かったし、そういうことを気にかけなくてもいい環境が整ってた。
すごく感謝してます。
そして数週間ほどでAに復帰することができた。
結局、冬オフを迎えるまでに、3バックシステムに対する自分なりの答えは見つからなかったけど、リーグ開幕までにやるべきことは明確になった。
とても充実した1ヶ月だった。
4年生②(冬オフ明け~引退)
今年のオフも昨年以上に準備をした。週の半分以上走り込みやジムでのトレーニングをしたり、社会人チームに参加して試合をこなしたりもした。
最後の年だから試合には出たかったし、そのために自分なりにやれることはやりきろうと思った。
オフが終わり練習試合が増えていったが、新システムへの移行などもあってチームとしては中々結果が出なかった。そのため、メンバーが固定されることもなく色んな選手にチャンスが回ってくるような状況だった。
そして、三商戦で自分にもチャンスが巡ってきた。
新チームになってから初めてのスタメン、昨シーズンのICU戦のようなプレーをしたらまた暫くチャンスは巡ってこない。 一方、ここでチャンスを掴めればリーグ戦のスタメンが見えてくる。自分にとってはそういう位置づけの試合だった。
結果としては、チームは勝利し自分もゴールを決めることが出来た。
今まで考えながら取り組んできたことがゴールという形で結果に表れたり、昨シーズンとは違いチャンスをモノにできたことが何よりうれしかった。
この試合を機に、スタメンとして試合に出ることが多くなった。
自分が試合に出るようになってからもチームは中々勝てなかったのだが、試合を重ねるたびに自分なりのプレーというのも見えてきて、成長出来ている実感があった。
そして、迎えたリーグ開幕戦。
圧倒された。
攻め手なんかなくただひたすら相手の攻撃を受け続けた。最終的には3-6というスコアだったものの、その3得点の際、自分はすでに交代していた。第2節の学芸戦も同じような展開。1部の強豪相手に個人としてもチームとしてもほとんど何も出来なかった。第3節玉川戦、第4節上智戦も勝ちきれずチームは連敗が続いた。自分自身も上智戦で怪我をして、しばらくリーグ戦から遠ざかることとなった。
ここからの半年間は本当に苦しかった。
怪我を繰り返し、治ってもその影響だったのかは分からないがコンディションは全く戻らなかった。この頃から整骨院に頻繁に通ったり、寝る前には毎日1時間以上ストレッチをしたりと色んなことを試したが、状況は変わらなかった。
結局、夏オフを迎えるまでそんな状況は続き、リーグ戦に出るとかいうレベルですらなかった。
そして夏オフ明け。
低調なパフォーマンスは続き、8月末にあった東大とのサタデーリーグでは、ベンチスタートとなり出場機会は訪れなかった。中断明けのリーグ戦に出ることを目標にしよう、なんて目論んでいたがそれどころかBの試合にすら出れないという状況。
「引退まであと1ヶ月半しかないのに。」
この日の夜は焦りと苛立ちで中々寝つけず、気づいたときには外が明るくなっていた。
この時サッカーに対するモチベーションは下がりきっていたが、僅かにあった「このまま終わりたくない」という気持ちや、春先に大怪我をして痛みを抱えながらプレーするアキラが頭に浮かんできて、自分よりしんどい状況でも頑張っているやつがいるんだからあとちょっと頑張ってみようと思えた。
この日以降、自分の中で何か吹っ切れたような感覚があってフラットな気持ちで練習や試合に臨めるようになった。
そして暫くして、Aに復帰することが出来た。
Aに復帰したものの、リーグ戦に出るという所まではなかなかたどり着かなかった。その間にリーグ戦は進んでいき、あっという間に最終節を迎えた。
チームにアクシデントが起こったこともあり、久々のメンバー入りを果たした。
試合は先に3点を先取される苦しい展開だったが、ジュンキと西田のゴールで1点差に迫った。そしてこのタイミングで声がかかった。
約半年ぶりのリーグ戦。自分のプレーで追い上げムードを壊してしまったらどうしよう、試合にうまく入れなかったら、とか不安な気持ちを抱えたままタッチラインに向かった。
いざ交代するとなった時、色んな人の声がはっきりと聞こえてきた。スタンドで応援してくれていたみんなの声、遠くから応援しに来てくれた地元の友達の声。
すごく力になった。
不安な気持ちは消し飛び、「やるしかない」とスイッチが入った。
結局、あと1歩及ばずチームは敗れた。個人としても、やりきったとは思うけど、交代選手としてチームにプラスの影響をもたらせたかというとそうではなかった。
けど、プレーしている間は、リーグ戦独特の雰囲気、緊張感など全部が懐かしく感じた。
もっとこの舞台でプレーしたかったなと思った。
最後に
この4年間、「自分が試合に出るには」、「活躍するには」など自分のことばかりを考えてサッカーしてきた自覚がありました。
最後まで読んでくれた人は分かると思いますが、振り返りの中に「チームのために〜」とか「上級生として〜」という類の言葉は全く出てきていないと思います。チームの状況に関する話すらも。
ジュンキやコウタ、シュンスケのnoteを読んで、彼らの取ってきた行動と比較した時、いかに「自分本位」なプレーヤーだったかということに改めて気づかされました。
自分のキャラクターとか立場、周りとの関係性。
自分はそういったものを気にして、最後までチームのための振る舞いといった部分には向き合ってこなかったし、行動を変えようともしませんでした。
けど、そういう振る舞いを出来る人が増えれば増えるほどチームが良くなっていくのは明白なので、ふとした時にでも出来ることを探してみてほしいなと思います。
長くなりましたが、みんなのおかげで濃密な4年間を過ごせました。
1年生の4月に下した自分の決断は大正解でした。
今までありがとうございました。
加久保陽太