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自分と仲間 |戸田知輝【#卒部note】

戸田知輝
都立立川高校出身

彼がいると、チームには不思議な落ち着きがもたらされる。それはサッカーにおいても、日常のふとした瞬間であっても。ピッチで見せる丁寧さ、冷静さ。その裏にトレーニングでの弛まぬ努力の積み重ねがあった。その姿こそ、戸田が魅せ続けた価値だ。

戸田知輝の最後のメッセージ。

普段はあまり自分のことを表に出すことはありませんが、このような機会なので自分について書きたいと思います。





自分はネガティブな人間です。


自分のプレーには自信を持てませんでした。
自分にはスピードもフィジカルもテクニックもない。だからいつも周りにいる選手のほうが自分より上手く感じていました。瞬間的な判断や行動が苦手。ボール、味方、相手、スペースを認知しながらプレーできないし、頭にあることが言葉としてスムーズに出てこない。周囲の人の行動や言動の一つ一つに意味を考えてしまうし、多くの場合それをネガティブに捉えてしまう。




そんな自分でも大学2年からリーグ戦に携わることができました。リーグ戦では情けない想いや悔しい思いをすることが多かったですが、自分が想像していたよりも多くの試合に出れてよかったと思っています。

4年になるとリーグ戦に出れることもなくなり、Aチームにいることも少なくなりました。思うようにプレーができないたびに自分のことを嫌い、自分が何のためにサッカーをしているのかもわからなくなり、自分を見失いました。

残りの部活人生をどう過ごすのか、そもそも過ごす必要があるのかも含めて考えました。この時初めて自分と自分のサッカー人生を振り返りました。




やっぱり昔から自分はネガティブな人間でした。
でもこんな自分だからこそ出来ていたこともありました。


自分にはスピードもフィジカルもテクニックもない。だからポジショニングや戦術理解を特に意識してプレーする。瞬間的な判断や行動が苦手。だから準備できるものは準備して、できるだけ予測してプレーする。周囲の人の行動や言動の一つ一つに意味を考えてしまう。だから相手の目線や体の向きを意識して縦パスを狙ったり、インターセプトを狙う。


自分のネガティブな部分を変えることが成長、変化だと思っていました。でも、今自分の中にあるものを活かすことも成長であると気付きました。ネガティブだと思っていた側面も考え方、活かし方次第ではポジティブになる可能性がある。こうしてネガティブな自分を少し受け入れることができました。




もう一つ気づいたのは仲間の存在でした。

自分のサッカー人生にはいつも周りに仲間がいました。一人では大したこともできない自分でも、仲間となら試合に勝てる。そしてなによりもサッカーを通じて生まれる喜びを仲間と共有することが好きなのだと改めて知りました。これが今までサッカーを続けてきた一番の理由です。





サッカー人生の最後に自分と仲間について改めて考えることができ、良かったです。その後残りの部活動生活では、結果は残せませんでしたが、自分なりに充実した時間を過ごせたと思います。Bの引退試合もAのリーグ戦最終節も出れませんでしたが、そんなことはどうでも良くて、最終節後に皆と喜びを共有できたことが最高の思い出です。




サッカーを通して多くのことを学ぶことができ、多くの経験、思い出を得ることができました。自分がこのようなサッカー人生を送ることができたのも、周りの方々のおかげです。幼稚園から大学までどのチームにいた時も素晴らしい仲間に恵まれました。皆に支えてもらって、たくさんのことを教えてもらって、自分のモチベーションを上げてくれて、本当に多くのことを与えてもらいました。逆に自分が何を与えられたのかは分かりませんが、身長もスピードもフィジカルもない自分がセンターバックとしてリーグ戦に出たり、4年になっても練習用具を運んでいる自分の姿などを見て何かを感じ取ってくれる人がいれば幸いです。


自分のサッカー人生に関わってくれたチームメイト、仲間、コーチ、先生など全ての方々、そして長いサッカー人生をそばでずっと支え続けてくれた家族に感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございました。

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