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I rep|宮津佑介

MF 背番号29 #宮津佑介

皆を笑わせるムードメイカーの一面を見せつつも、ボールを散らす中盤でのゲームメイクは安定感をもたらした。


宮津佑介の最後のメッセージ。

 みなさん、おつかれさまです。

 ア式の部員ではなくなった、今の自分にとって、ア式での4年間はどんな意味を持つのか。そんなことを考えて、卒部ブログを書いて、ちょっと違うなって思って提出し直して、また卒業式後にやっぱちょっと違うなって思って書き足して、原ちゃんに提出し直しました。結果的に、わかりづらいかもしれないけど、自分にとってはいいブログになったと思います。

「自分を発揮する」

 上手くなくても、運動神経が良くなくても、効果的にプレーして、チームに貢献することはできる。これはサッカーをする上での自分のテーマだった。周りと比べて、サッカー全然上手くないし、ア式という組織ももしかしたら自分にはそんなに合ってはいなかったかもしれない。それでも自分を発揮することが大事だと改めて感じられた4年間だった。

 入部して2年間くらいは、本当に何もできなかった。負け続けるBチームの、その中でも一番下手な方。皆川とか戸塚さんのストイックさを見て努力でも勝てないと感じた。2年目の冬、残りの2年間で何かを成し遂げられる絵が見えず、辞めることを決めた。思えばあのとき初めて、部活と真剣に向き合った。

 結局、七條さんと話して、もうちょっとだけやってみることにして、開き直ってプレーしたら、何より楽しめたし、プレーも思いの外うまくいった。気長に取り組んだリハビリの成果も出ていた。春、チームとしても取り組んできたプレスやビルドアップが形になりだして、個々の技術ではかなわないような相手に勝てたりもした。自分も、自分の持てるものをピッチ上に還元して、チームに貢献できている、そんな感覚でプレーできた。自分をフルに発揮できれば、大学サッカーでも通用するんだと、道が開けた感覚があった。サッカーの楽しさを再確認して、自分がア式で活動することの意義を感じさせてくれたから、あの時のBは自分にとって特別だ。(ついでに観戦体験も。疲れたけど、あれやってちょっとア式のこと好きになりました。かくぼ、まいちゃん、応援しています。)

 去年のBの最後の試合。最後の2週間だけAチームにいた自分は、その試合の全部を外から観ていた。引退する4年が躍動して、高揚感に包まれた試合だった。自分は外から観ていたのだけど、ピッチ上で起こっていたことの、自分もその一部だったと、心から感じられた。自分も一緒にプレスかけて、パスを出して、「ほへい」と言っていた。そんなファンタジーな経験がア式ではできました。

 「自分を発揮する」プレー外でも同じだ。内気な自分も、みんなのおかげでかなり自分を表現することができた。わかりやすく自分にしかできない貢献は少なくても、部活の中で自分を発揮することで、自分なりにチームに貢献できたと思っている。自分を変えるとか、チームのために個性を発揮するとか、そんな大袈裟なことじゃなくても、得意なことも苦手なことも、自分自身を最大限に発揮する。まずはそれでもいいんじゃないかと思う。誰でもできるようなことも、意外とみんなやらないから。

 Bチームにいると、思うように行かず、気落ちしたり、ふてくされてしまったりしている選手をよく見ます。でも、自分の持っているものを発揮できれば、選手として大きく成長することも、部に貢献することも、いつからでも遅くない。自分を発揮できれば、自ずと、ア式のことも好きになれると思うし、チームにとっても特別な存在になると思います。引退間際、引退後だけでも、自分の知らなかった後輩たちの一面が見られた、と思うことがありました。一人ひとりのそういった部分がもっと出れば、もっともっといい部活になると思っています。森谷とかこうきとか、もちろん頑張っていて偉いけど、くすぶっているやつとか、よくわかんないなと思われているちょっと変なやつとかにこそ頑張ってほしいと個人的には思っています。応援しています。見返してやってください。

後悔していること。

 結局リーグ戦に出られなかったこと、これはやはり心残りだし、情けなく思う。おれがリーグ戦に出るなんて思ってなかったでしょ、そんなブログを書いて引退するつもりだった。味方の怪我かもしれないし、大差がついた試合のラスト数分かもしれない。それでも今年はリーグ戦に出ると決めて、そして実現できると確信して臨んだ4年目だった。全く上手くいかなかった。チャンスとか、周りのサポートとかには、恵まれた方だと思うけど、やっぱり努力不足だったし、気持ちも弱かった。

 ぐちゃぐちゃだった春先のBチームの練習、その後Aに上がって何もできなかった時、自分のパフォーマンスにもチームにも不満を抱きながらも解決できずにイライラしていた夏明け。あの時こうしてれば、とか、逆にどうしたらよかったのよ、ということが振り返るといっぱいある。今でもあまり消化できていない。

 自分なりにもがいて頑張った4年間だった。でも俯瞰で見ると、並の取り組みに並の結果がついてきたと、まとめることもできてしまう。もっと尖って突き詰めないと。

I rep

 「一橋大生として、・・・」とか「ア式蹴球部のOBとして、・・・」みたいな感覚が自分にはあまりない。地元愛もないし、そういう感覚は弱い。リーグ戦で活躍して、・・・、みたいな、みんなが思い描くような、ア式王道の4年間でもなかった。そんな自分でも、ア式でみんなと過ごした時間が、間違いなく今の自分を作っていると感じる。あの時やめなくてよかったと本気で思えているのは、みんなの優しさと、途中からかもしれないけど自分が部活に向き合って過ごしたからだと思う。

 自分を、この4年間をrepして、強く優しく、生きていきたい。そんな自分を、変わらず仲間として、お願いします。

 本当にありがとうございました。

 宮津・ザ・深海魚

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