ありのまま行こう|藤村俊輔
卒部ノートで何を書くか考え始めてから早1か月が経とうとしてるが、考えや感情が行ったり来たりして、まとまらずにいる。
もうみんなのノートも出始めている。おそらく考えがまとまることはないと思うので、今持ってる感情を羅列して、ノートを締めるところまで行こうと思う。
一緒にやって来たみんなは話にまとまりがなく、長くなることには慣れてると思うから、我慢して読んでください。
半年の見習い期間と2シーズンのBのコーチが自分のア式生活だった。
今まで全ての物事が中途半端だった自分にとって、この2年半は今までにないような経験だった。
終わった後は満足感と充実感、そして解放感だった。
サタデー最終節東大戦、サタデーリーグの初勝利を掴むことができ、素直にすごく嬉しかった。
自分は選手を勝たせるような力は持っていない。選手が一生懸命戦ってくれた先に勝利が待ってる。そのほんのちょっとのサポートができていればいいなと思っていた。
Bチームのマネジメントなんておこがましい表現だがそんなことをしていた立場として、自分のマネジメント方法はそういった考え方がベースにあったと思う。
能力も自信も何も持たざる自分の戦い方だったじゃないかな。
1日の始まりと終わり、試合前などいろんな場所で選手たちに前で話した。優れた話術や語彙力、知識力がない自分が何を話せば伝わるか、最初のうちは緊張で小さな声で俯いて話していたと思う。
入部したての1年生に自信持っていいのにと言われる始末だった。
今もそうだがうまく考えをまとめ上げてストーリー性を持って言葉としてまとめることはできない。
だから開き直ってその日その日の想いを言葉としてありのまま表現することにした。
話し始めて上手くまとまらずにぐだぐだ話すこともあったし、うまく行ってないと感じたその感情をありのまま伝えたから、選手にネガティブな感情を植え付けてしまったこともあった。
それでも自分が今チームのためにできると思ったことをそのまま表現した。
その考えが合ってるか分からないし、自信もない。
ただ、その考えは今の自分の中にある事実だったから、想いが乗った言葉として届けられたかな。
伝え方だけでなく自分の魅せ方も考えて振る舞っていた。美しいことはできないから、がむしゃらに泥臭く。
泥臭い戦い方で1つだけ拘ったことがある。戸田さんを見て来た半年間。全てのことが異次元すぎて真似できないが、自分にもできることを見つけることができた。
それは集合30分前にグラウンドにいることとしっかり挨拶をすること。
1日1日の練習にこだわるため、練習前には設営を済ませてスムーズに練習を行えるようにする。万が一、寝坊や乗り過ごしがあっても、遅刻はないようにする。
これが実際の意図されたものだったかは分からないが、自分はそう思って継続し続けたし、役に立っていた。
そして、挨拶。
仲間はもちろん、試合を見に来てくださる保護者の方、OBの方、地域の方、時には小平グラウンドの施設を綺麗にしてくれる清掃員の方や警備員の方、近くで活動する全ての人にリスペクトを持って、挨拶をすることを意識した。
戸田さんに社会人として当たり前のこと、しっかり相手に届く挨拶をしろと教えられた。
人として当たり前のことを当たり前に行う。これが大事なことだったかなって思う。
今年の一年生には特に口酸っぱく言った。サッカーよりそっちの方が多かったんじゃないかな。
準備も挨拶も相手に見られているもので、それがある程度の信頼をもたらせてくれたと思う。
今年のスタッフにもしつこく言った。これが自分の2年間の役に立ったことで自分が渡せる唯一のことだと思ったから。
これが持たざる者の戦い方だったと思う。
毎朝30分前に来て準備を怠らず、挨拶をしっかりできる。この人間はさぞすごい人物なんだろうと見えるが実際はそんな事ない。
大学との両立は諦め、ア式に全てを費やした。本当に費やしてたら、もっとできることは増えてたから、正しい表現をすると多分言い訳にしていたと思う。
全てのことにおいてもっとできることはあったが、怠けきってた。
生活は怠惰ですぐ娯楽に逃げる。無駄な時間を過ごすくらいならフットボールを極めるか、バイトするなり勉強するなりすれば、出来る事がもっと増えていただろうに、今も苦しめられていないだろうに。
甘えが出ることは多かったけど、あれ以上の努力はできないのも自分だと思う。その中でも、大切なことは見極め、練習は手を抜かずに準備するし、さっき言った大切なことについては頭の片隅に置いて行動し続けた。
だから、自分の中では出し切った感があったと思う。来年も学生の身となる予定だが、ア式として活動することは微塵も考えられなかった。
社交辞令かもしれないが続けてほしいと言ってくれる後輩もいたが、大学院は研究が忙しいからと断った。勉強を頑張りたいと言う気持ちももちろんあるが、それよりもこれ以上はできないという気持ちの方が大きい。
思考が働かない。体が動かない。気持ちが入らない。そんなことが何度もあった。正直苦しかったし、みんなはそれ以上ア式で色々な活躍をしたり、他のことを頑張っているのを見て情けなかった。
でも、それが自分の最大限だし、今は認めてあげたい。こう思えるくらいにはやってたんじゃないかな。
追い詰められることもあったが、シーズン中は不思議とア式を辞めたいと思うことはなかった。正直言うと練習したくないと思うことはあったから、それが辞めたいという感情に分類されるなら、嘘ついたことになるけど。
けれど、日々の練習をサボるようなことは一度もしなかった。それはみんなのためっていうのは1番大きい。
信頼してくれる人、頼ってくれる人、他大学から途中から来たのに暖かく受け入れてくれたみんな、そんな人たちのために頑張れた。
自分はBチームのコーチになる器では絶対ない。迷惑かけることの方が多かった。
けどBチームとしての組織、そしてそこにいるみんな、途中からはサポートしてくれるマネやスタッフのみんなのことも少しは考えられるようになったかな。Aチームまでは届かなかったみたいだけど、一生懸命努力した。
こないだ相原になんでBチームのコーチを続けられたのって聞かれた。そん時はあんまりうまく言葉にできなかったけど、今少し思ったことあるから書いておく。
自分は到達できないところに、みんなが行ってくれる。その姿を見て自分がほんの少しでも後押しできていたかなって思った時が次の活力になる。
コウタやユウマが久々にリーグ戦に関わった時。怪我のクワジやタイジが少しのBチームでの時を経て、Aで頑張っている時。コウシや西田やコウキがAにあがって食らいついているのを見た時。そして、野口がリーグ戦に出た時。
他にもたくさんあるけど、ヒナタとかはふと上がっては結果出しちゃったり、あきら、八巻、ケイ、篠田、ショウタ、シゲとかは出来る事が多くてちょっと可愛くなかったりするかな。他のサ式のみんなは元々持ってるものがあるから、自分が何かできたことはないかなって思ってる。
ただそれだけじゃない。リーグ戦で戦うことだけが自分が到達できない領域ではない。ピッチで、プレーで躍動することも自分にはもうできない、諦めたことだ。
ア式というのはいろんな目標を持った人が集まる組織だ。その中には現時点ではリーグ戦、Aチームを目指すのが第1目標にはならない人。他の領域でも目指すものを持ちながら、ア式としてフットボールを通じて何かを掴もうとする人。その人たちが見せる成長にも支えられた。
コツコツ努力を続けてくれたヤギ、ユウノスケ、湧賀。彼らの直向きな姿勢はすごくすごく救われた。
怪我してばっかだったシオンやシュンスケは今年Bチームの中心として引っ張ってくれた。
シンノスケやヤブタ、イツキが人として成長していると感じることもあった。(ヤブタに成長なんて言葉使ったら怒られるかもしれないけど)
ショウヘイだって守備の意識はどんどん良くなっている。上手ではないけど。
カズオはスタッフから転向した当初からは考えられないくらいの責任感で今年のサタデー全試合を任させてもらった。
セ式のみんなはサタデーにもTMにもあまり出してあげられなくて、申し訳なかったと思うけど、まだまだ押し上げが足りなかったかな。来年はみんなの番だと思って頑張って欲しい。
ノリ、カズマ、マサ、リツあたりはもっとできる。みんな持ってるものは素晴らしいから、本当に期待している。
勉強もサッカーも中途半端で成し遂げたこともない自分はおそらく自分のための努力ができないんだと思った。やらないといけないこと、後の自分が痛い目見ることになるだろうと思うことでも、スルーしてやらないでおいてしまう。
でも、誰かのためになら必死になって継続してことまでできたんだと思う。
これがどういう意味なのかまだ理解できていない。人によく思われたいっていう気持ちとか人のことを高く評価しがちだとか、そんなのが関係してるのかなって思ってるけど、実際は全く分からない。
後は立場があったというのも1つの要因かもしれない。
「立場が人を作る」という考えをナオキにもショウにも話した事があったと思う。2人ともに否定された記憶がある。
2人は自分の力で上り詰めていったことは事実だけど、自分にはそれができない。
立場がもたらしてくれた責任感で自分を動かす。それが自分という弱者の戦い方、振る舞い方。
そして、Bチームという立ち位置、集団の自分の立ち位置、物事の捉え方、戦い方がBチームメインコーチという立ち位置とマッチしたのかなって思う。
強さ?も弱さも全て曝け出して、その上で努力を重ねて組織の先頭に立たせてもらった。責任感を奮い立たせてもらい、継続することを与えてもらった。
ここまで自分の行動や思考を振り返ってきて、他の人よりも短い2年半だったが自分の人生では最も濃い時間だったと思う。
色んな感情が湧き上がり、色んなアクションをとったア式生活で多くの貴重な経験をさせてもらい、成長させてもらった。
それは気をかけてくれた先輩方や信頼してくれた後輩たち、支えてくれたスタッフのみんな、温かく見守ってくれたサ式のみんな、そして多くのものを授けてくださった戸田さんとショウがいてくれたからだ。
特にショウがいなかったらBチームを回すことはできなかった。サッカー面で多くのことを授けてくれたショウには尊敬しかないです。ありがとう。
サッカーが軸になってはいけない人間が集まる組織の中で、ア式にいる意味を考え、その先にある「何か」を掴むのだと考える。
自分はいる意味を考える間もなくアクションし、継続した先に何かを掴んでいるのではないかと考えている。
それも周りの環境や関わってくれた人たちのおかげだと思う。
みんなも価値観、考え方は人それぞれだが、1つのことの囚われずに、考え、もがき苦しみながらも続けることで「何か」が待っていると思います。
それぞれの場所でこれからも頑張っていきましょう。
藤村俊輔
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