拾った後悔と落とした後悔|加藤紘基
皆さんこんにちは。
2022シーズンの主将を務めさせていただきました、加藤紘基と申します。
1年生の頃広報部に所属し、先輩たちや同期のブログが公開されることを部署内から見ていた自分が、ついに最後のブログを書くことになってしまったことに驚きを隠せません。そして本気で取り組んだサッカーとけじめをつけることになるこのブログは、本当に筆が進まず、期限内に書くことができませんでした。(原ちゃんほんとにごめん。)
部活を引退し、今思うことをありのまま書いていこうと思いますので、しばしお付き合いください。
これを読んでいる皆さんは、後悔したことはありますか?僕はサッカーに限った話をすれば、2回あります。
1回目は、2017年11月18日(高校3年生)
横須賀リーフスタジアムで、桐蔭学園にラストプレーで失点し、2-3。日大高校サッカー部の自分たちの代の活動が終わった。その時自分は何をしていたのかというと、一足先に引退してフェンスを一枚隔てた応援席で応援していた。その試合のひと月前に引退し、サッカーをもうやめると決意していた。ずっとトップチームのベンチで試合に出れない日々に嫌気が差し、受験を言い訳に先に逃げたのだった。試合を見た後、どれだけ後悔したか。目の前で必死に相手に食らいつき、高校の看板を背負って戦うチームメイトに羨ましさを覚え、何度目をそらしたか。
小学校の頃は朝からグラウンドに行き、半日以上外でボールを蹴っていてお手伝いの保護者に変な目で見られていたし、中学校の頃は自主練の日は毎日部員とミニゲームしていた。高校の頃もサッカーが嫌いになりかけるほど練習がきつかったけど、思い返してみれば朝から授業始まるギリギリまで耀(高校の主将。これ読んでくれてるかな。)と自主練していた。
自分でも馬鹿だなって思うくらいにはサッカーが大好きだったのに、思うようにプレーできなかったことで簡単に投げ出してしまった。
この後悔は絶対に晴らしたい。浪人生として日を重ねるごとにその思いは強くなっていき、実は入学前からサッカーをやる気ではいたし、入学後すぐに入部した。(こんな俺よりも入部が早い変な奴が3人もいてびっくりしたけど。)
4年間のうちにはきつい練習、なかなか伸びない自分、試合でうまく振舞えない自分ばかりだったし、最後の年も最終学年として頼りなかった気がするけど、まっすぐサッカーと向き合えて、正直本当に楽しかった。あの日自分がサッカーをきちんとやり遂げて引退していたら、もしかしたらほかのスポーツを始めてサッカーはやっていなかったかもしれない。そう考えると、あの後悔は多かれ少なかれ無駄ではなかった気がするし、自分で後悔を取り戻せたような気がする。
2回目は、2022年12月10日。
東工大の講堂で、東京都大学サッカーリーグ閉会式が行われた日。昨年のリーグ戦の締めくくりとなる会だった。20試合毎試合できる限りの準備をして、出し切った。自分たちのありのままをぶつけられたと思っていた。しかし、2部リーグの戦績発表、順位が発表されている時、気づいたら涙を流していた。「あれ、結果で見るとこんなものだっけ」といった感じだろうか。リーグが進むにつれて自分たちの成長を感じられていたから余計にその気持ちが強くなったのだろう。あとは後輩のことも頭をよぎった。あれだけ自分たちを支えてくれていた、たくましく振舞ってくれた後輩たちに対して、より良い舞台を残してあげられなかったことも大いに関係していると思う。もちろん結果がすべてではないし、それだけを追求するチームではなかったけど、振り返ってもわずかな部分で大きく結果を変えられた試合があった、ちょっとした緩みに対して自分が周りを恐れて強く言えなかった、そう感じるシーンをいくつか思い出せてしまった分、非常に悔しかった。
ただ、この後悔に関しては、1つ目のものと違ってもう自分ではどうすることもできない。自分はア式蹴球部を引退したわけであって、もう二度とあの臙脂色のユニフォームを着て試合に出ることはできない。小平に住んでいるからほぼ毎日みんなのトレーニングを見かけるし、たまに端っこに座ってみているけど、もう参加することはできない。
ありきたりな言葉にはなりますが、自分と同じ後悔、未練は抱いてほしくないので、ありきたりだけどここで伝えさせてもらいます。これを読んでいる後輩たちは、ピッチ内、ピッチ外関わらず、とにかく毎日の活動に全力で取り組んでほしい。プロを目指す集団でもない以上、正直ほとんどの人はここで本気でサッカーをすることをやめることになるだろうから、必ずやり切ってください。どの練習も手を抜かないでください。この部は学生一人一人の自由度も責任も大きいです。人に任せることなく、主体性を発揮してより良い組織作りをしていってください。
日々の活動で余裕が出てきたら、気が抜けてきたなと感じたら、このグダグダ書いているブログを思い出して、ちょっとだけ頑張ってください。来年の終わりに部員全員が笑顔でおわることができれば、このブログを書いた意味があるのかなとか思います。
後悔についてだらだら書きましたが、それをひっくるめてもこの4年間は本当に楽しかったし、伸び伸びやらせてもらったなと感じます。今の自分の想いをそれぞれに綴って、このブログを締めようと思います。本当は全員個別に書き出していきたいけれど、少し恥ずかしいのでそれはしません。
お父さん・お母さん
16年間不自由なくサッカーさせてくれてありがとう。
試合に出れない期間やうまくいかない時色々言われて腹たったけど、サッカーやりきった今、かけてもらった言葉のありがたみも少しずつわかるようになりました。
これからは少しずつ恩返ししていきます。
OB・OGの皆さま
日頃よりご支援・ご声援いただき本当にありがとうございました。幹事会に参加するようになり、改めて自分たちの活動が先輩方のおかげで成り立っていることを痛感していました。また、そのサポートがあるからこそ、日々の活動に全力で取り組むことができました。今年で卒業し、自分もサポート側に回りますが、今年のア式は昨年以上に魅力にあふれる組織になっていると思います。今後もご支援とご声援のほうよろしくお願いします。
戸田さん
2年間という期間でしたが、自分にとっては間違いなくサッカー人生で最も濃い2年間だったと思います。なかなか芽が出ずに苦労を掛けてしまったと思いますが、日々いただくアドバイスはどれも自分にとって愛のあるもので、それと向き合う日々は難しいながらも本当に楽しかったです。本当にありがとうございました。
近岡
毎日のトレーニングが充実したものだったし、日々自分たちができることを積み上げていけたのは間違いなくショウのおかげです。一緒に準備したものを試合で発揮できた時は本当に楽しかった。誰よりもエネルギーを注いでくれていたのに、最後にいい結果を残してやれなくてごめん。あと、チームの面でもいろいろ負担かけてしまった気がします。本当にありがとう。力になるかわからないけど、どんなことでもいつでも相談してください。
直紀
戸田さんがいなくなって、組織作りをしていくときに、先頭に立って引っ張ってくれて本当にありがとう。ナオキがいなかったらどれだけ大変なことになっていたのか、想像がつきません。感情むき出しで喜ぶところをもっと見たかった。
多分今年もエネルギッシュに動くだろうから、しっかり休むことも忘れずに。
琳太朗
プレーで困ったらいつも真っ先に相談してました。状況に応じてどうするべきか一緒に考えたり、外から見て自分では気づかない点を指摘してくれたおかげで自分の成長があると思います。選手の力になることは保証するので、今年も多くの選手に声をかけてあげてください!ドライブ行こうな。
フジ
自分の目標を決め、Bチームの監督として挑戦したいと言った日を今でも覚えてます。自分のことでいっぱいでなかなか上手く声掛けとかできてなかったけど、Bチームの成長はフジの頑張りが大きいと思うので、今年も自信持って振る舞って、チーム力向上をしてください!
Bチームの試合も絶対観に行きます。
同期のみんな
普段はあまり言わなかったけど、本当に感謝しています。4年目は特に自分一人ではできないチームへの働きかけをしていたなと思います。悩んでいた時も前を向けたのはみんなのおかげです。これからも楽しくやっていきましょう!
ナベ、コバ、小松、ジュンキ
まずこの4人にはプレーでも多く支えられました。試合を経るごとに成長し、頼りがいのある選手になっていくみんなを尊敬しつつ、焦りを覚えたこともありました。今年はチームを引っ張る立場になると思うけど、あまり気張らず、自信を持って振舞ってください。何かあればいつでも相談乗ります。力になるかわからないけど。
3年生
生意気です。だけどみんないざとなると一生懸命で、非常に頼りになる集団でした。後輩と絡むのが苦手そうだけど、頑張って巻き込んであげてください。
オンオフのスイッチが緩い人が多いから、そこは指摘しあってください。
2年生
今年になって初めてちゃんと喋ったんじゃないかなというくらい静かな学年という印象です。ただ、内には強い闘志を秘めている人が多いことも事実です。今年から上級生になるわけだし、その秘めた闘志を存分に出しちゃってください。1年生に舐められないように!
1年生
3年生に似たものを感じる生意気な集団です。せっかく生意気なら、サッカーでもそれ以外の活動でも、どんどんチャレンジしてください。2年生の間が一番何でも挑戦できる時期だと思うのでその期間を楽しんで!
スタッフ
まずはありがとう。活動しながら気づいているつもりではいたけど、本当にみんなのサポートがあるからこそ選手は100%集中できるし、組織がうまく循環していると思います。これからも自分の活動に胸を張って、ア式を引っ張っていってください!
4年間、本当にありがとうございました!