インターステラー
クリストファー・ノーランの「インターステラー」実は6年も前の作品なんですね…びっくり。池袋グランドシネマIMAXでリベンジ鑑賞できたので今更ながら感想を覚書き。ネタバレ注意です。
*DevianArtリンク追記
撮影はホイテ・ヴァン・ホイテマ。「裏切りのサーカス」「ぼくのエリ」「her/世界でひとつの彼女」など、ときに憂鬱でときに美しく、ノスタルジーを感じさせる映像をつくらせたらホイテマの右に出る人はいないと思ってます。ノーラン監督は「メメント」「インソムニア」で面白いけど小難しい…と敬遠してたのですが、当時参加してたオフ会・映画ファンの集いで前売り券をいただき、みにいったら見事に号泣しました。わが心のエレン・バースティンが!年老いたマーフ!あああああぁぁぁぁあぁぁ(涙)てゆーかさー、ノーランくん、マコノヘーの「コンタクト」好きでしょ?私も好き!
時系列を描いた海外アートも面白い DevianArtより
何度もみていると、壮大なヒューマンドラマなのに結構笑っちゃうポイント多いんですよね。ノーランの人間臭さがにじみ出ているというか。
・IMAXの使い方が贅沢すぎる コーン畑>宇宙
・宇宙の氷上のポカスカ決闘
・マット・デイモンによるマッドサイエンティスト・マン博士
・コーン畑燃やされてた上にハグされてるケイシー・アフレックの真顔
・ちょまてよレベルで爆弾残していく教授
・美少年ティモシー・シャラメからのケイシー・アフレック変化
・え…ラブ…?マジで…?
未来の自分が過去の自分を助ける、そんなタイムリープありかよ!とかツッコミどころはあるけれど、ノン・ノーヒット・ノーランの手腕にかかれば万事解決。スペースコロニーやタイムトラベル、ワームホールといった単語、手塚治虫やガンダムで習ったよ!というひとにはすんなり入ってくる世界観。円形スペースコロニーなんて想像のとおりでしたね。
水の星で海面をすれすれに爆走していく宇宙船なんてもろスターウォーズだし、TARS/CASEなんてHALの親戚じゃないですか。ああ、宇宙映画への愛にあふれている。
穀物が次々と枯れていく世界。じゃがいも、小麦がダメになり、今年はオクラが枯れてしまった。数年後にはコーン(トウモロコシ)も終わるだろうと語る農家たち。オクラって切り口が星型ですよね…
インセプションあたりからお仕事魂に定評のあるノーラン、インターステラーでも専門家が知恵を集めて極限に対処する姿勢は変わらない。餅は餅屋にというのはわかるのだが、水の星での失敗のあと、マンかエドマンズの惑星かというトークがどこか庶民ぽくてツボでした。
後半、クーパーがブラックホールの果てに落ちる五次元の中の四次元テサラクトは、図書館のデザインで最高にテンションがあがりました。知恵の宝庫に主人公をぶっこんで、過去の娘に未来を託す。バイナリで、ツートンで信号をおくる。なんてメタでアナログな方法なんだろう!そう、人類に最後まで残されるのは知恵と希望なんですよ。パンドラの箱にもそう書いてあったし、復活を選んだラザロ計画のネーミングだってそうでしょ。ラピュタは死なぬ!何度でもよみがえるさ!
インターステラーの締め方はブラント博士が風とともに去りぬっぽくて好きです。あの「明日は明日の風が吹くわ…」な表情とdon’t gentle 〜を老マーフが上書いてくれるのが最高にマッチしてる。クープのフェードアウトもずるすぎでしょう!!!!誰にもいわないで去っていくヒーローとか5億点ですよ!!
好きな場面が多すぎるインターステラー、ひとつあげるとすれば、ブラックホール・ガルガンチュアの横をを疾走するエンデュランス号ですね。音のない空間と色彩の美しさがあいまって神のおへそをみたような背徳感がありました。あとこれ↓
スペースデブリをものともせず、ドッキングしにいくクーパーの心意気よ
先日ふと、愛とはなんぞやという話になったのだが、自分は世界の解像度を上げるものだと思っています。
Love doesn't scale but capture the one.
サントラの最後にはいっている詩の朗読は俳優陣が一小節ずつ読み上げてくれます。大中小マーフとかクープの声で聴けるディラン・トマス!
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IMAXのススメ