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映画感想 2020-02

去年の冬から年明けにかけてみた映画の覚え書き。いろいろごちゃ混ぜ。
ネタバレもちょいあるのでご注意ください。


マリッジ・ストーリー

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ネットフリックス制作。ニューヨークの映画館で鑑賞。英語音声、字幕なし。ノア・バームバック監督の自伝ともいえる作品で、離婚調停の専門用語をいくつか知っていれば英語でもほぼ理解できた。(ノア監督、グレタ・ガーヴィグと結婚してたのは知らなかった)舞台劇っぽさが強くて超好み。アメリカは50州で法律が異なる不思議な国。離婚・親権に関するルールは似通っているけれど、無過失離婚(No Fault Divorce)を認めているカリフォルニア州では相手が望んだら「離婚は成立」となってしまう。妻ニコールにたいして、夫チャーリーはいやでも僕は別れたくないとかもだもだしているが、結局のところ離婚届を受領するしかないのだ。「親権のために僕が戦ったことを、あの子は知るべきだ」と夫が泣きわめく場面が兎に角いじましくて、印象に残っている。美魔女なんていう単語もおこがましいローラ・ダーンの弁護士にはおそれいった。ニコールをなぐさめる女同士ならではの距離感、神様は空からみてるだけのクソ野郎だけど、マリア様はなんでもできなきゃダメなのよ、といい放つ強さ。まごうことなきMVPです。アカデミー助演女優賞おめでとう!



パラサイト 半地下の家族

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機内鑑賞。英語字幕2回、日本語字幕1回。とりましたね~アカデミー賞!脚本賞、外国語映画賞、監督賞、そして作品賞の4冠!!本作は繰り返しみればみるほど、ポン・ジュノ監督の演出・脚本の緻密さに唸らせられる逸品。韓国ドラマ独特の笑いと不穏と人間ドラマのうすら寒い感じのミックスが大変よかったです。半地下の部屋って欧米都会だと結構ある(もちろん安い)イメージだけどパラサイトの描写はだいぶしんどかったな。ラスト、地下に閉じ込められた父を思う息子の妄想と雪が舞う演出はこってこてだけど、泣ける。韓国と日本は四季の使い方が似てるし、郷愁をおびた演出をされるとこめかみのあたりがツキンとしてしまう。このあたり、同じくカンヌで評価された「万引き家族」との比較をディスカッションしたら面白いかも。とかく韓国は思い出にファンタジー感をいれてくるので、日本のザ・救いがない終わり方と対照的。まぁエグイ話のときはとことん地獄みせてくるんですけどね、韓国…(そこも好き)個人的に金持ちの夫は下流or中流の出自でいまの地位にまで上り詰めた感がある。匂いをしぬほど嫌っているのはかつての自分だったから?奥様は生まれつき上流社会っぽい。ジェシカ、オンリーチャイルド、イリノイ、シカゴという言葉遊びもいけてる。坂の上、半地下の家がどちらもオールセットというのにはびっくり。金持ちの家はガラス張り、はどうやら世界共通らしい。

オープニングシーンの演出について


信頼するChris Stuckmann Review べた褒めでしたね。嬉しい!


ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密

ニューヨークの映画館で鑑賞。英語音声、字幕なし。ライアン・ジョンソン監督は「ラスト・ジェダイ」をひきずってましたが、今回の作品で一気に好きになってしまった。オリジナルのアガサ・クリスティーってあたりが憎い。それでいてハミルトンや移民問題をうまーくとりいれてるあたりも。しょっぱなから死亡する爺さんこと”Harlan Thrombey”の字面が美しく、かつ発音が独特すぎて、まるで勅使河原篤義みたいな感じと周りに力説したが細かすぎて伝わらない悲しみを誰にぶつければいいのかしら。ダニクレの訛りはひどくて聞き取るのに苦労しました…英国俳優にド田舎米方言でしゃべらせて、そのくせ名前が仏系でポワロかな?って盛りすぎですよ監督!今回のダニクレはガタイはいいし訛りのすごい普通のオッサンなんだけれど、どっちかっていうと守ってあげたいタイプで "Sorry I am terribly fond of you, I'll be polite. I promise. "と言って全力で下から見上げていきたいフェチが発動してしまい困っている。空と原の原先生ポジ。キャラのお洋服もお館の内装もよかった。クレジットで一家の弁護士がヨーダのひとだとわかって腰ぬかしそうになった。


T-34 レジェンド・オブ・ウォー

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機内鑑賞。ロシア映画です。ロシア!第2次世界大戦、ナチスドイツの捕虜になったソ連兵士4人が1台の戦車で立ち向かう話。

感想:戦車戦が熱すぎてなんも言えねぇ!



Ready or Not

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機内鑑賞。結婚相手のいかれた風習で「花嫁を朝まで殺せ」ゲームが発動!
ひとがしぬしぬクレイジーリッチ。

感想:花嫁、強かったな…



Yuli

機内鑑賞。キューバ出身のバレエダンサー、カルロス・アコスタの自伝。73年生まれのカルロス、社会主義国家から才能を見出されて、肌が黒いバレエダンサーが欧米でプリンシパルはるとか成功譚なのでは?いや、全然ハードモードでした。本人主演なのでダンスシーンが素晴らしい!伝記なのでバレエ知らんかたでもみれます。おすすめです。南米の歴史や民主主義以外の国家の芸術とはなんぞやを知りたいかたは是非みてください。




過ぎた春  原題“The Crossing” 過春天

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機内鑑賞。香港。16歳。運び屋。スマホの密輸アルバイトをはじめる女子高生の話。青春ものかと思いきや、あっさり裏切ってくれた。ストーリー、画の撮り方、かなり好み。監督インタビュー読むと香港と大陸の関係についてより理解が深まります。返還後の香港への愛憎については、以前大陸チームから聞いてはいたけれど、こうやって映像にされるといかに日本が単一民族のうまみだけすくってきたのか、それゆえに追い抜かれている点とか色々考えてしまう。断絶最近みた映画のなかでは、ダントツで好きな1本。

パイ・シュエ監督インタビュー。
女性監督で実力派、どんどん増えてほしいです。


以上です。


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