2018年夏にみた映画
雑多な映画感想シリーズ。ネタバレ少しあるのでご注意ください。
ハン・ソロ
感想:ミレニアムファルコーーン!!!!
日本橋TOHOで鑑賞。ランド役が"This is America"ドナルド・グローヴァーだと知り劇場へ。当初ビジュアルではオールデンが若きハンにみえなくてやきもきしたのですが、なぜ彼がハン・ソロになりえたか?師匠やランド、チューバッカの関係性がみえるにつれて好きにならざるをえなかった。全体的にダークな宇宙西部劇、という点が素晴らしい。ミレニアムファルコンの由来を知ったら泣くしかないだろ…ファム・ファタルなヒロインもツボでした。私は旧3部作と「ローグ・ワン」が死ぬほどすきで「最後のジェダイ」で苦々しい思いをしてあやうく本作ボイコットしかけたくちなので、興行収入は芳しくないのはうなずける。この辺りの読み解きにリアルサウンドの記事はおすすめ。「『ハン・ソロ』なぜ賛否渦巻く結果に? 良い面と悪い面から考える、その魅力と問題点」
ニンジャバットマン
感想:脳が焼かれました
新宿ピカデリーで鑑賞。エンドクレジットで放心状態。なんでどうしてこうなった!?の嵐だったので謎を補完すべく後日デジタルハリウッド大学のワークショップに参加。キャラデザ岡崎さん、神風動画の水崎さんの愛あふるるトチ狂った話が拝聴できました。2018年№1.クレイジームービー!
・キャットウーマンは鼠小僧風味。海外展開だからお尻ボーン
・虚無僧ロビンの石田彰と牧歌パートの相性が抜群
・ジョーカー城襲撃お知らせ場面、紙芝居や巻物に小ネタ仕込みスギィ
・「ミスター殿!」ジョーカーがみてる紙芝居、画面で切れちゃってるけどちゃんと内容あるんですって。「いい歳してはずかしいコスプレした罪で死刑よ!とハーレークインはバットマンにいいました」
・キャラデザ岡崎さん「ペンギンは生魚主食で気味悪がられるので日本にきたら刺身をたべさせてあげたい」と一枚絵を描いたものの、使われず、でもマグロ一本前に嬉しそうな原画をみせてくれました。ちょうかわいい
・ニンバツ、CG活用法を映画アニメレベルの最高峰まで引き上げる
・乳首バットマン(仮)を世に出したかったと嘆く岡崎さん
オンリー・ザ・ブレイブ
感想:なんもいえねぇ。
日本橋TOHOで鑑賞。EXILEのテーマソングが邪魔してみる予定なかったのですが(すまーん)映画オタクの評判がいい、そのくせ感想はみんな揃って口をつぐむ、メンタル削られるから気を付けてと言われて予算追加。スルーしないでよかったわ…傑作。アメリカは森林消防団の話。「セッション」主役のマイルズ・テラー、指パッチンで有名なジョシュ・ブローリンの師弟関係が秀逸。消防団をひきいるチームリーダーが語る「Esse quam videri - To be rather than to seem」 見かけよりも実質であれ。ノースカロライナ州の標語です。自然のなかに馬が「在る」映画が好きなので「ブロークバック・マウンテン」「モンタナの風に抱かれて」に続き、本作も馬映画枠に認定しました。
バトルオブザセクシーズ
感想:時代は変わる、あきらめないで
渋谷シネクイントで鑑賞。テニスまったく知らないけどすんなりと入っていけました。2月に飛行機でみてたから3度目なんだけどやはり泣いて目がしょぼしょぼ…大木凡人みたいなエマが孤独で気高くて愛おしい…アラン・カミング様の使い方…登場人物みんな好き…豚野郎カレルもほんとにいい…音楽最高にバランスいい。毎度エンディングで泣く。If I Dareは好きすぎて買った。パンフみたら製作にダニーボイルが関わってるってだけで笑うしかない。あなたは何度私の人生を弄べば気がすむの!?
ジュラシックワールド 炎の王国
感想:クレアのお尻尊さ測定器100億点
TOHO日本橋で鑑賞。べヨナ監督のストーリーテリング、恐竜のデザイン、炎につつまれる島に涙。幼少期のブルーたちの思い出話も存分に描かれていて、前作以上に好きかもしれない。後で聞いたらアシスタントのジアってキャラ、LGBTQ要素があったらしい(オーウェンにあなた好みだけど男だから残念って感じの会話シーンが削られた)十分ビアンぽさは出てた気はするけどなー。雰囲気だけなのでゲイダ―ないと気付かないくらい、あからさまじゃない分私は好きでした。旧作への愛も負けてません。マルコム博士で始まり、博士で終わるっていう締め方最高だろ…蘇らせた命と共存していくっていう、ダークワールド。ほかにも麻酔銃で撃たれて転がりながら逃げるオーウェン、作業着のでっかいお尻がキュートなクレアに感謝しかない。
ミッションインポッシブル フォールアウト
感想:みんなおトムが心配です
TOHO渋谷で鑑賞。アクション幕の内弁当。眼福。ひとついえるのは、アジャイル開発すぎてイーサンが"I'm working on it"っていうたび背筋が凍る。トイレファイトとパリのバイクシーンが身震いするほどかっこよかった…思わずIMFのIDケース買っちゃったよ。さて、アムステルダムにひと仕事行くかな~
カメラを止めるな!
感想:ハートフルバイオハザード
渋谷ユーロスペースで感想。平日休みがとれたので、朝イチの回予約していったらまさかの立ち見券に行列ができていた。この1週間後にTOHO等で拡大上映になったのですが、まさか製作費300万円から興行収入8億円(2018/8時点)までいくとは思わなんだ。映画を愛するひとたちに愛され、カルト化した熱がメディアに取り上げられ、普段映画をみないひとまでも劇場に足を運ぶ、こんなにうれしいサイクルはない。モノづくりに携わるひとなら誰だって共感してしまう作品だから感染拡大は嬉しいですね。私は1回で満足でしたが、周りの映画好きな友人たちはリピーターになりつつあるのでしばらくカメ止めフィーバーは続くでしょう…"One Cut Of The Dead" 英語のタイトルが狂おしいほど好き!!
二重螺旋の恋人
感想:セクシーなの?キュートなの?どっちが好きなの~
さすがオゾン監督!おれたちにできない事を平然とやってのける、そこにシビれる あこがれるゥ!ごめんジョジョ知らないけど。「彼は秘密の女ともだち」の監督作品、相変わらずの変態アート炸裂っぷりです。主人公の行動規範がメチャクチャで、おなか痛いけど産婦人科では原因不明→精神科医にかかる→付き合う→彼氏兼精神科医にクリソツな男がいたのでモーションかける→どうやら双子。こっちとも付き合う→誰も読めないラストへ… という話。
ジェントルマンな彼氏とバイオレンスな浮気相手、双子の精神科医はリアルに存在したのか?撃ち殺した相手は誰だったのか?愛猫の行方は?美術館の変貌していくアートの意味は?謎が多くて1回見ただけじゃわからない。彼氏似の男の診察室行ったら誰もいなくて、ドアあけたらベッドがドーン!男もドーン!な場面に爆笑した。後半えぐいクローネンバーグ節がちょいとあるのが最高です。イグジステンスとヴィデオドロームがみたくなるね。他にもヌードシーンが多いのにカメラ手腕がすごすぎてギッリギリ陰部が見えないのは感心した。
オーシャンズ8
感想:あの兄にしてこの妹あり
オーシャンズ11~13と復習した甲斐がありました。デビーのタラシっぷりが最高。みんなべた褒めなので飛ばします。ルーは可愛いしタミーはかっこいい。ダフネはキュートでナインボールはギャップ萌え、アミータの安心感、ローズのへたれっぷり、オールラウンダーなコニーに惚れた
検察側の罪人
感想:原田眞人監督…ちょ待てよ…
原田監督の作品は「金融腐蝕列島〔呪縛〕」「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」「駆込み女と駆出し男」あたりが結構好きです。今回はなにはともあれ木村拓哉。ダンディ、セクシー、ブロマンスと三種の神器背負った木村拓哉演じる最上がすごすぎる。親友とホテルで密会、見初めた部下への偏愛、ウン十年の愛憎を抱えて生きる姿、どこからみても雄臭いキムタクとか最高じゃないですか。最高ですね。部下に付きまとう女へのけん制とか、泥だらけで車に乗り込んで前髪はらりバックで運転して気絶する場面とか、俺得ですよ!!!!!!ありがとう原田監督!!!!
とはいいつつ。原作未読なのですが話の展開がフラッシュ光の速さすぎて、ちょ待てよ…となるところもしばしば。ラストは3倍速くらいだったのかな。取調べですごむ二宮和也は半端なくいいし、吉高由里子とのベッドシーンもダサ可愛いし、木村拓哉の最上検事のじっちゃんがインパール作戦帰還者ってだけで入れ込むポチこと松重豊もキャラがたっている。個人的にはここ10年で最も悪趣味な美術デザインを披露した映画です。密会場所のホテルも最上宅の内装も謎の葬式と宗教集団もぶっ飛びすぎて、一周回って笑えてくる。
話の中心となるベテラン検事の最上(木村)とその後輩、沖野(二宮)の関係はどこか「セッション」のメンタルに近い。真面目な話、犯罪絡むので色々いやな場面も多く四ヶ所ほど直視できなくて、怒号もつらくて何度か耳もふさいだ。特に弁護士事務所で松倉(酒向芳)をお祝いする場面、今回は冤罪ですけど、前科2件あって人殺してるのになんで祝う必要があるの?なんで?って本気で胃が痛かった。「検察側の罪人」は罪を裁くのと罪を犯すのは紙一重ってスタートなんだろうけど、あの世界でどこにつくって聞かれたら、最上でも沖野でも橘でも蒲田警察でもなく、私は諏訪部(松重)。歯車が狂ってく正義の天秤をみていたいなと思ったのでした。
以上です!