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恋のはじまりは

快楽主義者に弱い。感情の防波堤がはじける瞬間がいとおしいと思う。慎重派な自分とまったくベクトルが違うひとにはいやおうなしに惹かれる。初対面で、もしくは何度か会って、お互いに好意がみえたとき、なんで前の人と別れたの?という質問はこの歳になってくると重要なファクターになる。相手の地雷原や弱点、ゆずれないものがみえてくる。もちろんそれは経験を重ねることで変わっていくけれど、付き合う前にふれることでリスク回避につながると、変なところでばくちにでれないしみったれた性格は我ながら情けない。別れた理由は十人十色。ふられたから、ふったから。その言葉の裏にはたくさんのみえない歯車がある。最初からすり合わせなんてできないのだ。

ふたりに先が見えなくても、思うような人生設計が描けなくても「一緒にいられるならいいじゃん」と言い切ってしまう強さはすごい。ぽっかり口をあけたブラックホールにすいこまれるのは怖い半面、足の届かないプールにはいるようなドキドキ感もある。

つきあいますか、とお断りしてはじまった関係はあまりない。相手の腰が定まらないのでこちらから「次、デートね」と念押ししたことはあるが、きづいたら恋人づきあいをしているのが主なパターン。恋の始まりはそんなもんで、前の彼女も、その前のひとたちも、相手のブラックホールに足を踏み入れていた。交際費にかかるお金、時間、思考とひきかえに得られる幸せはどれくらいか、数値化なんてできないけど、相手は私といることでそれなりの対価を得られるのか、考えてしまうので最初の「別れた原因を聞く」はめになるのだ。


ヤマシタトモコのマンガにこういうセリフがあった。

「30すぎっとケガの治りが遅ぇんだ。気をつけろよ」-くいもの処明良

「体は減らないなんて思ってるか知らないけど、減るのよ。それに気づくのはきっと10年くらい経ってから」-HER

つくづく名言である。どうしたって守りにはいりがちなのは性格なのか、歳なのか。

映画「エージェント」のラスト "You Complete Me" "You had me at hello" 
覚悟をきめたトム・クルーズがかっこよすぎ。こうありたいなと思う


今年の目標は会いたいひとに会う、会いたくないひとには会わない。縁があったひとは、大事にする。昔よりつきあいの幅はせまくなっているけど、ちょっとずつ歩を進めていきたい下半期です。



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