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執着心

独り暮らしを始めるべく
物件を探し始めて約1週間。

一人暮らしを許可する代わりに課せられた条件というものがあって

選ぶ余地もない程に物件が固まってきた。


自分の住みたい間取りに
移りたい時期に
行きたい方向には引っ越せない。

暫くは不便な生活を強いられるし
完全に自立を図るには近すぎる距離。



私に課せられた条件は


実家から北に向かった方角にある家に
12月に引っ越す
そこで寝泊まりを開始する日にちも決まっていて

引っ越す予定の妹が捨てる予定だった
使えるけど不要な家具 を引き継ぐため

来年の、早くても一月下旬まではまともに生活が出来ない。


それまでは、寝るためだけの部屋。


今候補として上がっている家は
今住んでいる実家の目の前にあるマンション。


近くというレベルではない、目の前。
家から家が見える近さのマンション。





自分の自由な時間が欲しいとか
自分一人の空間が欲しいとか

そういう理由で一人暮らしをしようとしているわけじゃないだけに

そこそこ高いお金を払って目の前のマンションを契約することに抵抗がある。

決して金持ちな訳ではない。

貯金は頑張ってきたけども
独立を目指して会社を変えたおかげで手取りは増えてはいるけども

月に70000円以上追加で払うのは想定外だ。

追加、そう追加なわけ

私に課されている最後の条件は
今までと同じ額、家に納金すること。


一人暮らしを許可してもらえなかった頃

その理由にお金の面も告げられていて

私は許しを乞うために
今まで通りの金額入れるから家を出たいと、お願いする気持ちでいた。



散々反対を食らい
突如として許されたと思ったらその条件は他でも無い『方位学ベース』であり
内容もなかなか厳しいものがあって

何もかも私が計画していた事とはズレて来てしまっている。



許されている目の前のマンションは
私的に最重要課題であった『インターネット無料』の項目がないため

今契約している格安SIMのプランの見直し
もしくは
光ファイバーの工事
もしくは
工事不要のWi-Fiルーターの月額支払い

のいずれかが必要になることを考えると

月に70000円以上
生活費を除いて必要になる計算である。



自分の生活を自分でこなすとなると
今までのように超残業はできないし
仕事をセーブする方法で人間に戻ろうと思っている私としては


いくら今までより給料が上がったとしても
毎月7万超えの収入なんて確保できない。





そもそもの話
もし私が遠くに一人で住んでいて
一人親が心配で実家の近くに越してきた娘だったとしたら

目の前にマンションを借りた私を
誰もが親孝行だと言うだろう。



現実の私は
毎日自分の世話を親に焼かれながら
その事を感謝するどころか疎ましく感じて
目の前のマンションに移るわけであり

たとえ自立したいという目的があろうが

自己肯定感を上げるために
必要な努力だと心に決めようが


側から見たらきっと私は
無駄遣いの親不孝娘に映るんだろうな。



周りや世間の目を気にして
今更自分で決めた事を覆す気は無いけど


どうして本当の苦しみや辛さって
人に伝わらないんだろう。



私が限界だと感じている
今の甘えた生活を抜け出す事が親不孝で

心や身体を壊しても
親元に離れずにいる事が親孝行に映るなら
世間一般の固定観念なんてシュレッダーにぶち込んで粉々にして差し上げたい。




子を思う親の気持ちが
間違いだとか悪だとか言うつもりはないし

自分の親に『毒』を付ける気もない



ただ私は

母が私に食事を出す度に
母が私を迎えに来る度に
母が私の世話を焼く度に
それを『やらなきゃいけない』事のように母が周りに口走る度に


どんなに惨めな思いをしてるのか
誰にも伝わらないし伝えられない。



ただ自分で自分の世話を焼く という大人として最低限の事が出来ない生活って

どんなに仕事ができても
どれだけモテても
日々楽に生活できてても

苦しくて情けなくて全然満たされない。



うまく表現できる言葉が見つからないけど


私はいつだって好き隙あらば密かに、自分を抹殺したくなる。


自分の存在を肯定する理由が見つからなくて
唯一親に手を借りずに自らの知識と経験だけでこなせる『仕事』に執着してしまう事

心も身体も崩れ落ちる直前まで働いて
どんなに理不尽な思いをしても手放せなかった理由がそこにあるという事実を


今日初めて親に直接伝えた。





もう
自分を痛めつけてまで働くのはやめよう

そのためには根源を治さないと
きっと私はすがるものがなくなって本当にダメになってしまう



今もし、私が
自分の気持ちをキープしているスイッチが壊れてしまって
会社の帰りに川に身を投げたとしたら



きっとその裏を知らない誰もが
『仕事が辛かったんだ』と思うだろう。

そんな素振りはなかったのに
いつも明るく元気だった
悩んでるとは聞いてない


みんな口を揃えて言うと思う。




川に飛び込んだりはしないけど

死んだ方がマシだと思いながら生きるのは
とてつもなく苦しいと分かっているつもり。




ただの執着だった仕事や仲間たちに
今何よりも救われている事



最初は例え少し無理矢理にでも
今こうして環境を変えたいと思って行動に移し始めている事が

自分がより良い親子関係を目指しているからだと、いつか家族は気付いてくれるんだろうか。





全ては私の勘違い

親が子供を思う気持ちを
私が理解できていないだけ

今でも母は私にそう言うし
実際そうなのかもしれないと思う。



親と一緒に暮らせる事
世話を焼いてもらえる事

何より感謝すべきその現実を
『自立を阻む親』としか捉えられない自分自身に対して
誰より腹が立っているのは私である。


ただでさえ
仕事しか出来ない40近くの独身女というレッテルに絶望感しかないのに

どんどん自己否定項目ばかりが増えていく




やれないのとやらないのは違う。

きっかけはどうあれ
とにかく環境を変えてみせます



『方位学のおかげ』
で、片付けられてもいいから

自己肯定感を上げるために
できる努力はしてみます。



周りに優しくなれるように
親を大切にできるように

私は私の人生に必要な努力や苦労を、ちゃんと味わいたい。

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