札幌に帰省して感じたこと
こんにちは、favyのしげさんです。
12日の夜から地元札幌に帰省中です。
2月28日に鈴木知事が緊急事態宣言を発表して以降、北海道の経済はかなり打撃を受けています。
一方で安倍首相は3月14日の会見で「現時点で緊急事態を宣言する状況ではない」と述べました。
悲観的に見た場合、今後事態が終息しなければ「国家緊急事態宣言」が出される可能性があります。もちろんそれによってどのぐらいの活動が制限されるのかはわかりませんが、先行して緊急事態宣言が出された北海道で起こっていることが、全国的に広まる可能性は十分あるのではないかと考えています。
つまり、現在北海道で起こっていること・経済活動(というと大げさですが)を理解しておけば、今後の対策を前もって準備できるのではないかと思いました。
それを踏まえ、今後飲食店が準備したり考えておいたほうがいいのではないか?という点をいくつかまとめます。
<お断り>
・私は政治のことはわかりませんので、それぞれの首長の判断が妥当かどうかについては触れるつもりはありません。
・北海道を生贄にして他の地域を救おうということではありません。同時進行で北海道を救う方法は考えたいです。
感染者が発生した時の対応を決めておく
私が帰省した直後の14日、札幌市内の百貨店従業員の感染が確認されました。そして翌日には全館休館にし、館内の消毒作業を実施しました。
その前日には大型ショッピングモールの従業員が感染したことがニュースになり、そちらも同じような措置(一部閉鎖して消毒作業)を取っています。
いずれも小売大手の店舗だったので、危機管理委員会のような組織がしっかり機能していたんだと思います。
そのぐらい早いスピードでの判断でした。
業態や規模に関わらず、店舗の運営をしている場合は「従業員の感染が確認できた場合にどのような対応をするか」の準備をしておくべきだと思います。
商業施設の中にテナントとして入っている場合と雑居ビルに入居している場合で、影響の範囲は異なる可能性がありますので、その点も関係各社と連携して決めておかないと、対応が後手後手になってしまいます。
その場合のデメリットとして、
・感染拡大の原因になってしまう可能性がある
・そこからの感染が発生しなくても、危機管理体制の弱さが批判される可能性がある
の2点が挙げられると思います。
一昔前であれば、大手以外は2つ目を気にする必要はそこまでなかったのですが、SNSがこれだけ普及した今、規模に関わらず批判の対象になってしまう可能性は十分あります。
営業時間変更の「妥当な」判断をする
営業時間を短縮している飲食店をかなり多く見かけました。
立地などから考えて妥当と思われる変更をしている店舗と、「これはもしかしたら思考停止してしまっているのではないか」と思ってしまうような店舗がありました。
あるチェーン店(客単価1,000円未満・お酒よりも食事メイン)の例ですが、
・国道沿いの大型店は営業時間変更なし
・繁華街にある店舗はランチタイムまたはディナータイムのどちらかのみ営業
というように、その店舗に来る消費者のニーズに合わせて変更をしていました。
一方で、「何の目的でその短縮したんだろう?」という店舗も見かけました。
・深夜営業をしている店舗が閉店時間を5時から2時に変更
・開店時間を17時から19時に変更
元々客数が少ない時間帯だったから「この機会に見直した」のであれば良いと思うのですが、(主観ですが)そうじゃなさそうなお店もあるのでちょっと気になりました。
「周りが短縮しているから」という理由だけで短縮する必要はないと思います。その店舗の状況(業態・客単価・メインの客層・立地など)に合わせて判断するのが良いと思います。
テイクアウトの開始
これは私の父から聞いた話なのですが、勤務先(工場や倉庫地帯)にある食堂がテイクアウトを開始したそうです。
本当に昔ながらの定食屋で、お客はほぼ100%が近隣に勤める人たち。父はリモートも時差出勤もないような仕事なのでいつもどおり通っているらしいのですが、この2週間ぐらいは明らかに客数が減っているそう。
「外食」自体に対する抵抗感を持っている人が増えているのか、職場でも今までは昼は100%外食だった人が弁当を持参したり、スーパーやコンビニで買った弁当を食べるようになったとのこと。
それを受けて、その食堂では「カレーライスのみ」テイクアウト開始しました。
私はこの「カレーライスのみ」という判断、素晴らしいなと思いました。
まず、テイクアウト開始するためには今までは不要だった「テイクアウト用の容器」を仕入れないといけません。
定食で使うものとカレーライスで使うもので形状は異なりますので、仕入れのリスクを考えるとどちらかに絞ってスタートするのは妥当な判断だと思います。
また、他の定食メニューであればこんなデメリットがあると思います。
・作り置きして弁当として販売→廃棄につながるリスクがある
・注文されてから作る→待たせることになってしまいCXが低下する
※さらに厨房は「店内か持ち帰りか」で作業手順が変わる可能性がある
その点カレーであれば、注文されてからご飯をよそってルーをかければテイクアウトの商品として完成します。
「今まで持ち帰りなんてやってなかったから」という理由で思考停止するのではなく、「お客様が求めているものは何か」をちゃんと理解して打ち手を考えているという点で、非常に面白い事例だと感じました。
NYではこんな条例が決まりそうです。日本でも可能性はあるので、その準備はしておくべきだと思います。
http://www.news24.jp/articles/2020/03/16/10610017.html
そもそもなぜ外出しないのか?を考えてみる
自治体の長から宣言が出た事が発端となり、学校や職場などでも「外出は控えるように」「人との接触は控えるように」という指示をされているケースが多いようです。
危機管理の観点から考えると、その指示を批判することはできませんし、その判断がベストだったかどうかはおそらく5年後10年後にならないとわからないと思います。
言いたいことはそこではなく、「そういう指示が出た時にみんなどんな行動をするのだろうか?」を考えよう、ということです。
外食に行く人がゼロになる事態は、今の所そこまで高くないのではないかと思います(イタリアやスペインの例があるので何とも言えないですが…)。
では、この状況下でも行きたいと思う店ってどんな店なのか?どんなシーンで外食に行くのか?などを考えて、自分の店がやるべき事を考える事が重要なのではないかと思います。
まとまりのない文になってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。