【悪い例】こんな電話セールス受けました
こんにちは、favyのしげさんです。
現在、インサイドセールスの体制構築や育成に日々奔走しているのですが、ドンピシャのタイミングで「悪い事例」の体験をしたので、忘れないうちに書いておこうと思います。
※主観バリバリで書いていますので、「要求が高すぎ」と感じられる方もいるかもしれません。予めご了承ください。
こんな内容でした
その電話は仕事中にかかってきました。
社名は私が契約している携帯キャリア、仮に山田さんとします。
以下、音声を脳内再生してお楽しみください。
しげ:はい、笹村です(小声&早口)
山田:サ サ ム ラ シゲル様の 携帯電話の番号で えー お間違いございませんでしょうか?
しげ:はい、そうです(小声&早口)
山田:いつもお世話になっております。わたくし、◯◯◯◯(社名)△△センターのヤ マ ダと申します。
しげ:はい(小声&早口)
山田:ササムラ様には えー 弊社 携帯電話を 1 4 年 の長きに渡って えー お使いいt
しげ:仕事中なんで用件だけ手短にお願いできますか?
山田:あ、えー、この度弊社では あのー 長期間ご利用いただいているお客様に感謝のk
しげ:だから手短にお願いします
山田:あ、あのー ご自宅の光回線をですね ◯◯光に切り替えていただきますと、えー 携帯電話とセットd
しげ:他社の光回線契約したばかりなので結構です
山田:あ、ですから、◯◯光に切り替えていただk
しげ:だから、契約したばかりなので結構です!言ってる意味わかります?
山田:あ、失礼いたしました…
電話セールスで注意すべきポイントって?
「電話で話す」、特に「携帯電話にかける」という業務で注意すべきポイントを2点挙げます。
1.相手の状況に合わせたスピード
2.相手の話をきちんと聞く(一方的に話さない)
もちろん注意点は他にもめちゃくちゃたくさんあるんですが、今回のお電話はこの2点が欠如していたために、「相手に悪い印象を残して終わる」という、非常に残念な結果になってしまいました。
ちなみに私が悪い印象を持ったのは「提案されたサービスが自分に必要のないものであった」からではありません。念の為。
そして山田さんは、この2点が出来ていなかったので「悪い印象」を残して終わってしまいました。
1.相手の状況に合わせたスピード
まず、架電する際に相手のシチュエーションをもっと想定して準備すべきだったと思います。
仮にCRMなどに私の年齢が表示されていなかったとしても、「14年使っている」という情報は持っているので、昼間働いている社会人である可能性は非常に高いと想定されます。
ということは、13時過ぎに電話をしても仕事中である可能性は十分に考えられたはず。
その可能性を事前に想定していたら、赤枠の反応で「あ、もしかしたら仕事中だからあまり長く話せないかな?」と気付けた可能性はあります。
もし気付けていれば、以下のオレンジ枠のような話し方をしなかったのではないでしょうか?
私が最初に悪印象を持ったのはこのタイミングです。
仕事中に営業電話がかかってきた事ではなく、「忙しい時にこちらの都合を考慮せず、一方的にノロノロしたペースで話されたこと」が最初のきっかけです。
(小声&早口)で話すことで、「普通にちゃんと話せる状況ではない」事に気付いて欲しかったなと。
私が「手短に」と言う前に、「お忙しいようですのでまた改めます(or手短にお伝えします)」などが言えていたら、印象は全く違っていたと思います。
2.相手の話をきちんと聞く(一方的に話さない)
この点において、山田さんの問題点は
・話を聞いていない
・聞いているが状況や要望を読み取れていない
のいずれか、または両方だったと考えられます。
まずこのやり取りですが、「要望を読み取れていない」が原因だったと思います。
厳密には、私の要求していた「手短さ」と山田さんの思う「手短さ」に乖離があったという事になります。仮に通常の長さを10、私の要求が5だったとすると、山田さんが持ってきた短さは7でした。
「短さ」が求められていたのであれば、7ではなく5や3まで削ぎ落として話すのがベターな選択だったと思います。
仮に3まで短くして話していれば、「手短さ」に対しての不満は回避できましたし、その3で興味を持ってもらえたら、5→7→10というように徐々に情報を増やしていけばいいわけです。
そして後半のここは、完全に話を聞いていないと思われます。
他の理由がないか考えてみたのですが、「聞いていない」以外の原因が思い浮かびませんでした…
この対応が不満を与えるのは明白ですよね?
私ならこう対応します
「結果論ならいくらでも言えるだろ」と反論されるのは覚悟で、私だったらこう対応するだろうな〜という例を書いてみました。
しげ:はい、笹村です(小声&早口)
山田:ササムラシゲル様のお電話でしょうか?
しげ:はい、そうです(小声&早口)
山田:◯◯◯◯(社名)△△センターのヤマダと申しますが、今少しお話ししてもよろしいでしょうか?
しげ:はい、用件だけ手短にお願いします
山田:ありがとうございます!ご自宅の光回線を◯◯光に切り替えていただくと携帯の料金も割引になるというサービスのご案内でお電話しました。
しげ:他社の光回線契約したばかりなので結構です
山田:左様でしたか。お忙しいところ失礼いたしました。引き続き◯◯◯◯をよろしくお願いいたします。
もちろん、相手がちゃんと聞いてくれる環境なのであればここまで端折る必要はないですが、「どんな状況の相手にも同じスクリプトで話す」が正解ではないことは明白かと思います。
最後に
電話に限らず、営業活動をしている企業・チームの多くは「トークスクリプト」を作成して、新人育成やスキル平準化に使っているのではないかと思います。
しかしトークスクリプトを作る側の立場から言うと、トークスクリプトはあくまで「見本」にしかすぎません。
どんなタイプの人にも必ず通用するものではなく、「より多くのケースで有用な言い回しやトークの順序をまとめたサンプル」がトークスクリプトだと考えています。
トークに慣れるための台本としては有用なものですが、過信することのないように注意し、相手にあわせたトークが出来るようになることが、「脱・初心者」のポイントなんじゃないかなと思います。