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移住をする心のタイミング その2 台湾に行った時
以前、韓国に語学留学という名のプチ移住をした時には高熱に浮かされているような相手に恋焦がれているような時期に行きましたが、一方、台湾に移住した時は実を言うと台湾熱は結そこそこ冷めていました。
以前から台湾人の友達もいて、中国語の勉強も始めておりいつか台湾に住みたいという気持ちは常に持っていました。
でも、現実的に考えて今の仕事がそこまで不安定なわけではないし、台湾に移住して言葉を学んだところでその後の生活どうするの、といつも行きたい気持ちと留まる気持ちがせめぎ合っていました。
そうこうしながら日本での社会人としての地位も捨てずにかつ移住願望をちょこっと満たした気分にしてくれる1週間程度のプチ留学を数回経験し、移住熱も適度におさまった頃、台湾人の友人からこっち来てうちの会社で働かない?という悪魔のささやきのような言葉が舞い込んできたのでした。
その頃、日本でそこそこ安定的に働いており、大きな発展は望めなくてもボチボチそれなりの生活はできている状況でした。
その頃は移住熱も平熱以下におさまっていたこともあり、また、韓国へのプチ移住の時に一時的とはいえ韓国大嫌い症候群になってしまった私としてはそこまでのリスクをおかしてまで台湾に行きたいか、せっかく好きになった台湾のことも嫌いになる時が来たら悲しいと思い非常に悩みました。
悩むことしばし、自分が独身、子なし、住宅ローンも親の介護もなしという非常に身軽、持っているものも捨てるものもないからまだまだ何でもできるのではないかと思い、台湾に移住することを決意したのでした。
ただ、その頃はもちろん台湾は好きでしたが、相手に恋焦がれていたというよりは縁側でゆったりとお茶でも飲みながらのんびりしたい旧知の友人といった対象になっていました。
そんな移住先である台湾にちょっと冷めつつ、まあ、でも、チャンスがあったからちょっとお邪魔します、という感じで台湾に移住してきました。
最初の頃は何かのポイントで嫌いになるのではないかと慎重というかビクビクしつつ過ごしていましたが、幸か不幸か嫌いなるポイントには未だに出会えずにいます。
ただ、韓国プチ移住に比べて非常に緩やかに着地をしてしまい、激動とは程遠い日々を過ごしているせいもあるのか、8年半経った今でも正直馴染めているような馴染めていないような、ここにいる意味があるのだろうかという感覚がいつもあります。
自然に違和感なく暮らせているということは、自分にあっている、ここにいればいいのだよ、ということだとも言えますが、何の壁にもぶつからず定着しまったことに対する違和感を拭えないこともまた事実です。
台湾人と韓国人の外国人に対する受け入れ方にも違いがあるとは思いますが、移住する側の気持ちによっても受け入れ側に対する見方も変わってくることもあるということなのかもしれません。