アイカツフレンズ!3話備忘録
Youtubeでのアイカツフレンズ!(以下フレンズ!)配信を機に、一から見直してみようと思い視聴を始めました。
フレンズ!は私にとって一年目終盤あたりから読解のモチベーションが上がってきた作品だったので(一気に上がったのは二年目のソルベット王国編からですが)、当時は軽く雰囲気を楽しんで見ていた程度でした。全容を知っている今、改めて初めから見直すことで読み解き、自分なりにまとめようと思い立った次第です。
今回は情報量が多いと感じた第3話について記していきます。
3話はみおちゃんがマテリアルカラーの新作プレミアムレアドレスのデザインに足りないものを考える、というのが軸のお話です。
あいねちゃんといると足りないものが見つかりそうだと一日付き人をお願いすることに。
"足りないもの"とはいったい何なのか?
一方的なみおちゃん
ステージでみおちゃんはカラーコーディネートに大切なことを語っていきますが、聞いている小さい子達には言葉が難しく伝わっていない様子。一方的なみおちゃんに対し、あいねちゃんが分からなかった事を質問します。
アイカツを知っているが故に相手が理解できているかを配慮せずに一方的に話すみおちゃん。
相手のことを考えるというコミュニケーションにおいて大切なことが窺えます。
あいねちゃんの意外な行動
あいねちゃんはアイドルの世界を勉強していくのですが、偶然みおちゃんのイベントステージにアシスタントとして参加することになります。
この時あいねちゃんが誘われたきっかけはダンスの練習でテントを揺らしてしまったというものですが、これはアイドル活動に熱心であるのが伝わったからと取れるでしょう。しかし、この時点においては偶々と言えるでしょう。
台本にない疑問を口にしてしまったあいねちゃんに対して、みおちゃんとスタッフは「え?」と反応します。この反応は台本にない行動を取ったことに驚いたように見えますが、より深く考えるならば"アイカツ世界の掟を侵してきた"ことに焦ったと見れるのではないでしょうか。
あいねちゃんはまだアイカツを初めて間もないため、みおちゃんやスタッフの様にお仕事(アイカツ)の常識を知りません。故に自分の生きていた世界での自然体で接するわけです。すぐにいけない事をしてしまったのだと気付いてイベント終了後に謝ります。この時はあいねちゃんもみおちゃんも失敗だったと認識しています。
しかしスタッフはこれを良かった、と評します。そこで二人は意外に感じた表情を取ります。何故でしょうか?
これは偶然ウケたから良かった、という話ではありません。
好評だったことに喜ぶだけであれば、あいねちゃんの失敗をフォローしてウケを取ったみおちゃんが意外な表情を取るのは少し違和感があります。観覧者の反応は見れば分かるのですから、挽回したみおちゃんが理解していないはずがありません。
みおちゃんが意外に感じたのは、アイカツ世界の掟には無い行動、つまりあいねちゃんの生きていた世界からもたらされたものがアイカツを向上させること、と読み取れます。
このお話では意外な一面という点がピックアップされドレスのヒントになりますが、フレンズ!のテーマを見るうえで重要な描写と言えるではないでしょうか。
写真とアルバム、ドレスへの繋がり
みおちゃんは事ある毎に様々な物の写真を撮っていきます。
しかし写真はどれもブレています。みおちゃんの求めるビジョンがブレていて見通しが悪いという表現と受け取れます。
みおちゃんの写真アルバムを見たあいねちゃんは写真をドレスデザインの参考にしていたと気付きます。
みおちゃんは「ドレスは私から生まれる」と言いますが、アルバムを作りそこから生まれるものに真摯に向き合うという構図はあいねちゃんが既に行っていることでもあります。
友達アルバムとドレスの参考アルバムが重ねられているわけですね。つまりドレスは友達と同列に語られ、カードも友達!という言葉と繋がってきます。
更にみおちゃんはフレンズを組まないのかと聞かれ、相手にとっても大切なことなので慎重に考えると答えます。ドレスへの取り組み方と同じように。
また、雑誌の写真撮影合間にみおちゃんの自然な笑顔をあいねちゃんは見付けます。ももねちゃん曰く、親近感が湧くのだそう。
異なるものが一つ入っていると映えるというのはドレスのヒントに繋がっているのはもちろんですが、これまでのみおちゃんには親近感が薄かったという描写でもあります。
ペンネ
ペンネがみおちゃんの前に現れ、みおちゃんの差し出した手を避け一瞥して去っていきます。ただ現れただけとも取れますが、ここではこのシーンにも意図があると仮定して考えてみます。
みおちゃんに対してのペンネの行動はどうにも否定的です。ならばペンネは何らかの判定をしているのだと考えることが出来るでしょう。
このお話でのタイミングから見ると、他人への向き合い方に対しての評価を下しているように思えます。
みおちゃんがフレンズに慎重であると言う他方、ステージの時のように一方的な視点で考えていることに不服である、ということです。
ダイヤモンドフレンズ
誰よりも輝くアイドルユニットダイヤモンドフレンズが目標だが、どんなに頑張っても一人ではなれないと漏らすみおちゃん。
ユニットに一人ではなれないのは当たり前なのでは?という疑問が出ますが、であればここでの意味は異なるということでしょう。
一人だけが頑張っても駄目だ、という意味も考えられますが、このお話ひいてはフレンズ!で語られているテーマを考慮すると「他者との繋がりなくしてダイヤモンドフレンズにはなれない」と見るのがしっくりきそうです。他者とはユニットの相手を含みません。
この後ドレスを完成させたみおちゃんは一人では出来なかったと口にしますね。
足りなかったもの
みおちゃんの憂いた顔を見たあいねちゃんは励ますためにサンドイッチを作ります。
これを見たみおちゃんはドレスのデザインに足りなかったものに思い至るのですが、ドレスに足りなかったのは「元気をくれるピンク」つまりあいねちゃんの行動、その存在なのです。
出されたのはサンドイッチであり、マテリアルカラーはその名の通り材料・生地の色を反映させたドレスなわけですが、サンドイッチは反映されません。着想されたのはサンドイッチにはないピンクでした。
他人を思いやる気持ち、それこそが足りなかったものであり、このお話で描かれている事だと分かります。
みおちゃんのステージに緊張するあいねちゃんはたまきさんにツッコまれます。あいねちゃんはみおちゃんが向かい合っているドレスが友達と同じなのだと知っているのです。
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