ズレていく話。

推しの活動の方向性と自分が好きだったところがズレていく悲しさや寂しさ、もどかしさ。
何度経験してもじっとりしていて後味が悪くて最悪な気分になる。
知らせを聞いた時に、「君はアイドルなんか?」と一言だけ漏れた。
少なくともそれに歓迎の気持ちはなかった。


たった一つの出来事で好きだった人の事が分からなくなっていく。
辛い時期を支えてくれた人から、私の気持ちが離れていく。
変わることを良しとしない私が不満げにしている。
君はそんな人じゃなかったんじゃないのか。
君はそんな…

推しなんか他人なんだし、他人が何をしても構わない。
そう思うのも本音だ。
本音ではあるのだけれど、それでもやっぱり私の中で勝手に理想の姿というものは組み立てられているようで。
私が年単位で1つ1つ知って積み上げて完成したその姿からはみ出されると、とてつもない速度で嫌悪感がツーンッと鋭く私の体の中を貫いて。
そのまま過ぎてしまえばいいものの、貫いていったその痕がジクジクと私を蝕んで嫌な人間にさせようとする。

☆好きだけど、これは私が好きな貴方じゃない。
私が納得してきた姿じゃない。
だけど、それでもやっぱり好き。(☆印に戻る)
嫌悪感の痕が消えるまで永遠に。

面倒くさい、だから推し活なんかどハマりするようなものじゃない。
どんなに好きであろうが、生かしてもらった恩があろうが「ま、お前のことなんか別にどうでもいいけど。」…とそれぐらいの冷たさを持って心の中では線を引いていたい。
冷たい気持ちは、私の波立つ嫌な感情が落ち着くまで凍りつかせておいてくれるだろう。
今までもそうやって私は嫌な人間になることを耐えてきた。
次に目にする時はきっと、私は推しの活動を受け入れていつも通りでいられるはずだ。(了)

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