モキュメンタリーにハマる話。

9月3日。やっと背筋さんの新刊の発売日がやってきた。
Xで発売の告知を見てから毎日毎日楽しみに過ごしてきた。
今年は雨穴さんがきっかけとなり、ホラー(ミステリー)モキュメンタリー作品にハマった夏だった。

私が初めて雨穴さんの作品に手を出したのは、映画『変な家』のCMに「大ヒット上映中!」などという決まり文句が大げさなフォントで踊り出してしばらくしてからのことだった。
ご本人としては複雑な心情だったそうなので、言い難いのだが実のところ私が最初に興味を持ったのはご本人ではなく某パロディの方の動画だった。

「この原作である本家『雨穴』という人はどんな人なのだろう」
パロディを見たのなら、きちんと本家も知っておく必要がある。これは私なりの筋の通し方だと思っている。
夜、布団に入っても薬の効きが悪く寝付けなかった私は本家の雨穴さんという人のYouTubeのチャンネルを開いた。
人気の動画順に並べ替えて1番上に出てきたのは、『変な家』だった。
映画の宣伝やパロディで「間取り図を見ていたら変な空間が見つかったという話らしい。」ということだけは知っていて、初めてその全貌を知った。

こんなにちゃんと練られた作品が無料で見られて良いのだろうかと思った。
さらに眠れなくなった私は、その下に並ぶ動画に次々に手を出してほとんど徹夜で動画を見続けてしまった。
程なくして書籍も全て購入した。
カルト的な宗教や因習だったりが題材に含まれていて、子供の頃から『禁后(パンドラ)』『コトリバコ』『姦姦蛇螺』『リョウメンスクナ』といった系統のものを好んできた私には相性が良いホラーだった。
雨穴さんの作品は常軌を逸した人間の怖さも描いていることも多い。
それを見ると、幽霊よりとんでもない事件を起こす人間の方がやっぱり恐ろしいのかもなとも思う。

雨穴さんの作品と一緒に並べられていたのが背筋さんの『近畿地方のある場所について』だった。
雨穴さんの作品全てに手を出して、次は何を読もうかと迷っていた私はすぐに手を出した。
感想も書きたいところだが、この手のジャンルはちょっとしたことがネタバレになるので上手く表現出来ないのが難しいところである。
発売からずいぶん経つからそんなに気にしなくていいのかもしれないけど、モキュメンタリーは自分の目で確かめるのが醍醐味な気がするので、やっぱり何も書かないでおく。

ホラー小説を生きがいにしていたという、ちょっとした矛盾を抱えつつページを捲り始めることにする。(了)


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