松田元太さんの話。(移行記事)
私は今、ある1人の男性の出演番組を追って行動の一挙手一投足を観察することを心から楽しんでいる。
その男の名前は、松田元太。
STARTO ENTERTAINMENTという会社でTravis Japanというグループに所属しアイドル活動をしている男性である。
『Travis Japan』というグループ名だけは以前より何となく耳にしていた。
元々クイズ番組が好きでよく見ていたのだが、そのような番組の常連に川島如恵留さんという人がいた。
特徴的な名前に使われた漢字と頭の良さで私は彼のことをすぐに覚えた。
その時の私にとって『Travis Japan』というのは彼がいるグループであり、その頃はまだジャニーズの比較的新しいグループであるという程度の知識しかなく。
私は既に男性アイドルからは完全に手を引いて随分経っていたので、それ以上に知ろうという気も起きずに過ごしていた。
松田元太さんの存在を知ったのは今年に入ってからの話である。
彼もTravis Japanだと知って、最初は「あぁ、川島さんとこの。」としか思っていなかった。
別に最初は好きとも嫌いでも無かった。
今どきのイケメン男性アイドルの1人、それ以上でも以下でもなかった。
風向きが変わり始めたのは、彼が1人でバラエティ番組に出る機会が増え始めた頃だった。
記憶違いでどこか前後しているかもしれないが、最初に印象に残ったのは『千鳥の鬼レンチャン』という番組で彼を見た時である。
歌はとても上手いのに、喋り出すと途端におバカが顔出した。
ただでさえこの番組には他にも阿呆と呼ばれてしまっている先輩がいるというのに。
しかし、これはただシンプルに頭が悪いということでは決して無い。
私から見て松田さんという人は、深く考えて言葉を紡ぐより前に思いついたことが全て口から出てしまうタイプなのではないかと思った。
私と真逆のタイプである。
そして、奇跡的にもその表現のほとんどが面白かった事から彼が気になり始めた。
Travis Japanの松田元太。
イケメンなのにぶっ飛んだ男。
いつしか私は彼を松田くんと呼ぶようになり。
昔に比べて若手アイドルを覚えにくくなったはずなのに、その名前と顔は割と早くしっかり一致した。
その後、『今夜はナゾトレ』というくりぃむしちゅーの上田さんが司会を務めるクイズ番組で非常に強い衝撃を受けることになる。
あるAかBの2択を選ぶ問題が松田くんに回ってきた時、彼は「どちらでもないと思います」と言い切った場面を見た。
衝撃的であった。
私は生まれて初めてクイズ番組で2択を提示されてどちらでもないという人に出会った。
普通なら変なことを言っている面白いだけのワンシーンなのだが、他のところでも松田元太という人の発言を見てきた私は彼に自分には無い発想力を感じてしまった。
私は2択を提示されたらほとんどの場合そのどちらかを選んでその日まで生きてきた。
しかし、それが正解でないことだってあるのだ。
東野圭吾さん原作のドラマ『ガリレオ』の最終回だって、赤と青の配線のどちらかを切る場面でそれ以外の選択肢が存在したし。
2択ではなかったがジブリの映画『千と千尋の神隠し』だって、最後の場面で用意された豚の中に千尋の両親はいなかった。
そう、世の中には用意された答えの中にあると見せかけて無いことも確かに存在するのである。
私は凝り固まっていたと松田くんに教えられた。
ただのクイズバラエティ番組のトンチンカンな発言にここまで考えを巡らせる私のような思い込みの激しい奴が他にいるとは思えないが、私はその瞬間「松田元太」という存在にとてつもない魅力を感じた。
それからというもの、私は『Travis Japan』や『松田元太』という言葉を聞きつけるとなるべく欠かさず見るようにしている。
ベルを鳴らして餌を与えると、次第にベルの音を聞くだけでヨダレを垂らすようになる犬の実験でおなじみのパブロフの犬のごとく。
松田くんが口を開くと何か楽しいことが起きると条件付けされ、期待してしまう自分がいる。
いつしか私は松田元太の犬になってしまったのだ。
これまでバラエティ番組を中心に見ていたが、先日見たミュージックステーションでの彼は非常セクシーであった。
珍回答や珍発言に隠れていて気がついていなかったのだが、彼の顔には非常に色気がある。
私は彼の丁度よく幅のある鼻が好きだ、彼の顔を見ていると私はいつもその特徴のある鼻に目がいく。
そして、彼はとてもダンスが上手い。
そもそも、Travis Japanというグループは全員ダンスが上手いのだが松田くんのダンスは一際惹き付けられる。
表現が難しいがとにかく動きに過不足が無くそれでいて滑らかなのだ。
一度捉えられてしまうとなかなか目が離せなくなる。
全て彼の思いのままに、きっと頭で考えるよりも先に体が自然と弾むように動いているのだと思った。
加えて、彼のダンスをしている時の顔。
まさに余裕綽々と言った顔をしている。
私が彼らのダンスを踊ろうとすれば、関節が確実に足りない。
そんなダンスを彼は表情豊かに楽しそうに踊っているのだ。
彼の感性の良さと自由さ、溢れ出る余裕を大いに感じた。
今後、歌番組を見逃すことも多分無いだろう。
ここまで書いて「もうお前ファンじゃん!」と思われるかもしれないが、手放しでファンと名乗る勇気はまだ無い。
なぜかと言うと、私が以前アイドルファンをやっていた経験があるからである。
Travis Japanの先輩でもあり、全盛期は日本を代表する国民的男性アイドルグループにまで登り詰めた5人組だ。
彼らのファンをしていた時、とても楽しかった。
だけど、苦しい思いに押しつぶされそうな時もあったのだ。
日々、彼らの身の回りの報道に怯えて一喜一憂した。
彼らがアイドルだったから尚更である。
私はあの時よりも大人になったけれど、その先輩グループから離れた時に「アイドルのファンは辞めておいた方が良いかもしれない」と何となく心に決めていた。
しかし、10年以上経ってその決意を揺るがすような逸材に出会ってしまった。
彼は間違いなく1周回って天才と呼べる部分がある。
ジワジワと湧き上がりつつある、どうしようもなく松田元太くんが好きだという思いに今日も理性と感情が争っている。