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中共は年に2回、台湾周辺で軍事演習を行い、総費用は約37億円を超えると推定される

中華民国の国慶節が終わった後の10月14日、中共は「聯合利剣-2024B」と呼ばれる軍事演習を行いました。この演習では、遼寧号空母打撃群が中華民国の東方海空域に配備され、陸軍、海軍、空軍、ロケット軍による連携が行われ、制空権の確保や陸海上での打撃演習が実施されました。加えて、複数の中国海警の艦隊が中華民国周辺の海域でパトロールを行い、福建海警も東引島や馬祖島周辺の海域で総合的なパトロールを実施し、地域の緊張が高まっています。

中共の年2回の中華民国周辺での軍事演習は、内部の不安定さを示すだけでなく、非常に高額なコストがかかります。中国の2024年の国防予算は約34兆円に達しており、前年に比べ7.2%増加しています。

画像出典:インターネット

今年8月末に発表されたロイター通信の報道によると、2023年に中共が行った中華民国周辺での軍事演習の費用は約2兆2230億円で、これはその年の国防予算の約7%を占めます。この演習の費用は主に燃料、消耗品、人件費および維持費に関連しており、燃料や消耗品の費用は全体の費用の3倍以上に及ぶことが多いとされています。

2023年には、中共は西太平洋で9200回以上の航空飛行と7万回以上の海上出航を行い、総航行時間は170万時間を超えました。これらのデータは、中共が中華民国周辺での軍事活動を頻繁に行っており、そのコストも非常に高いことを示しています。今年5月に行われた「聯合利剣-2024A」演習では、燃料と消耗品の費用だけで約1億9450万円に上り、演習全体の費用を推定することは困難です。

今回の「聯合利剣-2024B」演習の具体的な費用は公表されていませんが、この演習は約13時間にわたり、153回の航空飛行と14隻の軍艦が動員され、1日での最多記録を更新しました。このような大規模かつ複数の部隊が参加する演習は、全体のコストをさらに引き上げる可能性があり、数十億元に達する可能性があります。直接的な軍事費用に加え、装備の維持や後方支援の長期的なコストも考慮する必要があります。高性能兵器の導入に伴い、これらのシステムの維持費も年々増加しています。

画像出典:中華民国国防部

このように膨大な軍事支出は、中共にとってソビエト連邦崩壊直前の危機を彷彿とさせるものです。1980年代、特にレーガン大統領時代のアメリカは軍事予算を大幅に増加させました。1980年から1989年にかけて、アメリカの国防費はほぼ倍増し、約45兆円に達しました。この増加は、冷戦時代の地政学的な要因、レーガン政権の反共主義、及び「スターウォーズ計画」などのハイテク軍事プロジェクトによるものでした。当時、ソ連はアメリカとの軍拡競争に対抗するために大幅な軍事支出の増加を余儀なくされ、1980年代の軍事費はGDPの15%から20%、後期には25%を超えていました。

この莫大な支出は、教育、医療、インフラなどの社会分野への資金を圧迫し、ソ連は重工業や軍事技術で一定の成果を上げたものの、消費財の生産や農業、サービス業などで立ち遅れていました。このような構造的な問題により、経済成長が鈍化し、生活水準が低下しました。軍拡競争はソ連の財政負担を増大させるだけでなく、経済の不均衡を生じさせ、社会的な対立も深刻化させました。これに加え、内部の経済体制の問題と改革の失敗が重なり、1991年末には崩壊へと至りました。

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