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精液

最近、夜中に起きてしまう。ストレスで不眠症にでもなってしまったのだろうか。そのせいで日中はかなりの頻度でふわふわして何も出来ないし、集中もできない。しまいには午後に長時間の昼寝をしてしまい、余計に寝れなくなってしまう。この生活が3週間ぐらい続き、どんどん思考能力を低下していくのを感じる。正直、ただでさえ変なことに片足を突っ込んでいるのに、これ以上突っ込むわけにはいかない。そう思っていたはずなのに、オレはまた"未知への興味"に翻弄させられてしまったのだ。


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「ぷるるるるっ ぷるるるるっ 」

ある日曜日、アラームで8時に起床した。日曜日でもアラームを設定している。自分のやっているゲームの試合が朝の8時から始まるのと、朝にちゃんと起きる癖をつけないと今後が大変になりそうだったからだ。寝ぼけながらもアラームを消す。この音を聞くと1日が始まったのかと思い、憂鬱になる。

「ふわあぁ……とりあえずゲーム…… ゲームやろ……」

欠伸をしながらゲームを起動する。携帯ゲームはすぐ出来るから良いなあ。しかし、起きてすぐ携帯でゲームをする気力を別のことに活かせないものか…。


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「もう午後過ぎ…?」

気付いたら昼過ぎになっていた。午前中何かしてた記憶がない、健忘か? とは言え、基本的にやる気が起きないのでダラダラとSNSをしていたら時間が過ぎていたのだろう。最近は何かしなきゃと脅迫概念に襲われる。時間があるんだから身になることをしろ、みたいな。だから自分の趣味の中で1番頑張りたいこと、絵を描いたり文字を書いたりしている。最初は絵も日記も描くのが楽しくて毎日やっていた。けれど、ある日を境に急にやる気がなくなってしまう。でもやらないと…と思いながらやると恐ろしいくらいに何も書けない。そのせいで余計に書くのが億劫になってしまう。創作は体調が良くなければ良いものを創ることは出来ないと聞いたことがある。実際その通りで、今のオレは体調も良くなければ、精神も良くない。その時は大抵眠くなる。自分の中で寝る行為は嫌なことから逃げる最終手段だ。だからなのか、強いストレスや不安を感じると眠くて眠くて仕方がない。きっと昼寝してしまうのはそういう理由があのかな。ダメだ、瞼が重い。少し寝るか…。強烈な眠気に襲われてしまい、ベッドに横になることにしたのだった。


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「……んぅぅ いま…何時だ……??」

寝ぼけながら外を見ると、明るかった外も真っ暗になっていた。携帯で時間を確認すると18時過ぎ。確か…14時ぐらいに寝たから4時間近く寝てたってことか!? いや、寝すぎだろ…。これ、普通の人だったら鬱になるでしょ。せっかくの休みを寝て過ごすのって仕事してたときに何回かやったことあるけど、本当に1日無駄にした感が半端ないんだよなあ…。……今は関係ないけれど。

「あ、起きたんだ お風呂空いてるから入りなよ」

「あー… うん、そうする」

母親がちょうどお風呂から上がったのか、体にタオルを巻いてる格好で話しかけてきた。眠気も覚ましたかったし、ちょうど良いタイミングだ。寝汗で体もベタベタして気持ちも悪かったので、そそくさとお風呂に向かうことにした。


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「はぅ〜〜 生き返るぅ…」

別に死んではいないけれど。お湯が体に染みる。湯船に浸かること自体は好きなのだが、体質的に長風呂は体に合わないのだ。お風呂って色々と考えことが捗るし、好きなんだけどなあ。

「はぁ〜……」

あまり長風呂して体を悪くしてもいけないのでそろそろ出ようかと思ったら、最近オナニーしてないことに気付いてしまった。なんでだよ!? 急すぎるだろ。でも、実際やれていなかったし、ムラムラする頻度が多かったような気がした。…別の実験をしてるのもあるのかもしれないけれど。風呂でシコると精液がお湯で固まって排水溝が詰まりそうだよな…と思ったが、風呂なら後処理楽な上にムラムラが止まらなくなってしまったので、余計な事を考えることをやめてオナニーすることにしたのだ。しかし、画像や映像がないのというのは中々にキツい。想像だけでシコるのは限度があるのでは? まあ、刺激を与え続ければそのうち…と思いながらシゴいていく。自慰行為に勤しんでいるその時、あることを思いついてしまったのだ。

「…精液って本当に美味いのかなあ……」

美味いわけねえだろ!とすぐに思うはずなのに、思考回路がうまく回っていないのか、舐めてみたくなってしまったのだ。本当にどうかしていると思う。けれど、オレの中で何がおかしくて何がおかしくないのかの境界線がボヤけ始めているのだ。人間、あるべき事をしないと腐っていくのだなあとか他人事のように思ってしまった。するともう止められない。早く出して舐めないと!

「うっ…は…早く出ろよ…っ…」

普段は早漏なのにこういう時に限って中々イけない事に少し腹が立ってしまう。いつもより少し激しめに擦る。軽く痛みを感じてしまうぐらいだったが、この痛みが逆に気持ち良くて無事にイけそうだ。

「うっ!! 出るぅっ…!!!」

びゅるると勢いよく精液が噴射される。出る前に片手をチンコの近くに持ってきて受け皿にした。久々だったせいか、手から零れ落ちるぐらい精液が出た。少しサラサラとして水っぽい。

「はぁ…はぁ… 舐めないと……」

呼吸が乱れているので、整えながら精液が付いてる手を顔に近づける。すると、精液特有の青臭さが鼻腔を刺激する。臭すぎる。こんなの舐められねえよ。見た目、そして匂いで舐めるとか言ってる場合ではない。そ目の前にある汚物を今から口の中に入れる事にゾッとしてしまう。

「だ、だけど……」

出してすぐ舐めないと精液が劣化してしまう。ナマモノは鮮度が命なのだ。迷っている間にもどんどんと酸化してしまう。分かっていても躊躇ってしまう。でも…、やるしかないよな……。ここでやらないとレポだって書けないし…。勇気を持って舌を伸ばし、先端で軽く精液に触れる。すると不思議な感触が舌に感じた。

「………!!!!??」

あまりにも微量だったからか、味はしなかったが、なんとも言えない感じが口の中に広がった。そして自分のした事に気持ちが悪くなってしまい、すぐに吐き出して口の中をめちゃくちゃ洗った。

「オエエェッ……」

吐くまではいかないが、気持ち悪さが後に引く。何でこんなことやってるんだよ、とふと冷静になる。しかし、一度やると決めたら最後までやらないとなあ…。嫌だけど、明日リベンジしよう。何事もチャレンジしないと成果は得られないのだから。


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2日目。今日も用事を済まして家に帰ってきたら昼寝してしまった。良くないと思っていても生理現象には勝てないのだ。平日の昼間に寝るっていうのは中々犯罪的で優越感があるが、夕方まで寝て1日が終わるのは鬱になりそうだ。鬱じゃなくてもこんな訳の分からない事に力を入れてる時点で何かしらおかしいと思うけれど。それにしても今日もレポートの為に舐めないといけないのは中々くるものがあるな。嫌なのに、何故か決行してしまう自分が怖い。人にヤバイ奴認定されたいとかおかしいことしてる奴がいるとか言われたいのではなく、ただの興味本位。昔から気になった事はすぐにでもやりたくなってしまう性格なのだ。だから内容がどうであれ、興味があったらやってしまうただのアホ。もう少し若い時に色々と興味を持ってやりたかったが、今さら過去の話をしても仕方がない。今日も今日とて頑張りますか。気合を入れ、お風呂場に向かう事にした。


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「さて、射精するか……」

渋々自慰行為を始めるという若干地獄な状態だが、日が開いたら絶対やらない気がするので何ともしてでも今日やらねば。昨日出したせいで今日はたいして性欲がない。ムラムラもしていない。それでもエッチな事を考えたり、思い出したりして自分とチンコを奮い立たせる。若いから何でも出来る精神って割と嘘ではないのかもしれない。なんとか勃起状態まですることが出来たので、昨日と同様に激しめに擦り続けた。すると刺激に耐えられなくなったのか、熱いものどんどんと亀頭に込み上げて来たのでラストスパートを決めた。

「…ゔっ!!!!」

無事射精することに成功した。昨日抜いたのもあるせいか、昨日と比べると半分ぐらいしか出なかった。水っぽくてサラサラしてるのは同じだけれど。しかし、こんな無理をさせてしまってチンコに申し訳なくなってくる。したくもないのに無理やり射精させられて可哀想に。こんなオレを許してくれ……。

「よ、よし… 匂いさえ嗅がなければイケる…はず」

昨日は匂いを嗅いでしまったせいでうまく出来なかったが、匂いを嗅がないように口呼吸で行けば良いことに気付いた。どうして無駄なところで冴えてしまうのか…。人って毎日やるとコツを掴むんだなあ…。まだ2日目だけど。

「……ふぅ」

息を吐き、呼吸を整えて準備は完了した。迷う前にさっさと舐めることを初日学んだので目を瞑りながら勢いをつけ、先端を付ける。

「……………」

昨日と同様、味がしない。量が少ないのかな…。うぅ、やりたくないけど……。もっとガッツリ舐めなきゃ。気合を入れ直し、さっきよりガッツリ舐める。すると…

「……しょっぱっっ!!???」

めちゃくちゃしょっぱい。思わずペッペッと吐き出す。なんだこれ…。海水でも飲んだのかと思うぐらい塩味が強すぎる。これ、全部舐めたら高血圧になっちゃうじゃん。しっかり食レポ出来るぐらい衝撃を受けた。1回やれば抵抗がなくなるのか、味を確かめ直す為にもう1回舐める。

「やっぱりしょっぱい……」

思ってたのと違って凹んでしまう。よく苦いとは聞くけど、しょっぱいって……。食生活乱れてんのかな。確かに心当たりはあるけど、こんなところまで影響していると思うと結構マズイのでは…?  衝撃が強すぎてズレたことばかり考えてしまっていた。

「はぁ……」

思わずため息をつく。みんなの精液の味が気になってしまうのだが、そんなこと聞けるわけがない。仮に自分が「ねえねえ、精液何味?」なんて聞かれたらぶん殴っていると思う。

「とりあえず食生活気をつけるか…」

精液で食生活が分かるというどうでもいい発見して初めての体験は終了した……

はずだったのに…!! お風呂から出て、色々と調べたら精液を飲みたくなってしまったのだ。お前、酒飲みたいから飲むみたい流れで言ってるけど、精液!なんだぞ!!!目を覚ませ!!!けれど、一度壊れたものを元に戻すことは出来ないのだ。…それに舐めるだけじゃレポして弱い気がしたのもあったからだ。こうして悶々な気持ちを抱えながら夜が更けていくのだった。


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3日目。精液は3日でハマる。ブスは3日で慣れるみたいな感じだ。こんなくだらないことで悶々とした気持ちになりたくないので、早く終わらせたいのに、お風呂の時間になって欲しくないという双方の気持ちが心の中でグチャグチャに混ざり合っていた。けれど、今まで良い事も悪い事も最終的には迎えることになるし、どうにかなってきたので時の流れに身を任せることにした。


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「…………っ」

ドキドキが止まらない。これから射精する上に出したものを飲み込むなんて、ただのおかしい奴だ。なのに、興味と興奮が収まらない。ここまで来たら後には引けない。それに引くつもりも元からなかった。

「…やろう」

覚悟を決めてチンコを握りしめる。興奮しているからか、既に半勃ち状態になっていたので簡単に勃起することが出来た。オレは気持ちに迷いがあるのに、チンコは早く出させてくれと言わんばかりに素直に直立してるのが羨ましい。オレもこんなに素直なれれば生きやすくなるのだろうか……。昨日よりも激しく擦る。この3日でそこそこの強さになれてしまい、やるたびに強くしなきゃいけないのはあまり良くない気がした。そのうち手じゃイけなくなりそう。そんなことを考えているうちに限界を迎えていた。

「うっ… で…るぅっっ!!」

びゅるびゅると精液がチンコから溢れてできた。いつもより興奮しているからか、3日連続でしているとは思えない量が出た。自分の手のひらにある精液を見る。迷ってる場合じゃないのに。決心が揺らぐ前にやらないと。人生、今までなるようになってきたじゃないか。そう、飲み込むだけ…。舐めた後に飲み込むだけ。簡単なことじゃないか。自分に言い聞かせるように何回も自己暗示をかける。

「………………」

そっと目を瞑り、手のひらにある精液を勢いよく思いっきり舌で舐めた。ここですぐ飲み込まないと吐き出しそうな気がしたので、すぐに喉に流し込んだ。

「……………………」

「…あ、あれ…?」

思わず拍子抜けしてしまう。昨日はしょっぱく感じたのに、今日は特に味はしなかった。舌で感じる前に飲み込んでしまったからだろうか。ビールを飲む時に舌で感じる前に飲み込む理論って精液にも通用するんだな…。

「ん゛っ゛…… 喉元に引っかかる感じがする…」

喉に違和感を感じる。飲み込んだはずの精液が残っている気がする。というか絶対残ってる。頑張って唾を何回も飲み込んだが、流れる気配が一切ない。飲み込むことも吐き出すことも出来ず、喉に留まってる感じが気持ち悪く感じた。けれど、どんなに足掻いても今は為す術がないので、後処理をした後に体を洗って風呂を出た。


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人間やろうと思えば何でもできるんだなあ…。お風呂に出た後、ベッドの上でボーッとしながら自分のした事を振り返っていた。精液を飲んだ後は特に異変はなかったが、少し頭が痛くなってきた。本来出すものを再び入れるべきではないんだな…と思った。病気になったり体調不良になったら嫌だな…。喉元に引っかかる精液はお茶で流し込んだ。その後は違和感もなく、夕ご飯も普通に食べられたので何ともなさそうだ。良かった。 実際、精液っておいしくない。「精液美味しい♡」みたいな事を言ってるを見かけるが、味覚障害だと思う。初めて精液を飲んだけど、不思議と二度と飲みたくないとは思わなかった。不味いのに何故か体が求めている、みたいな感じ。最近、自分の潜在的マゾ要素が開花し始めいる気がする。普通の人は自分の舐めて飲んだりしないし、また舐めたり飲んでもいいなんて思わないはず。なのにオレは……。

「考えるのやめよう…」

いろいろ考えると自分の中の何かが目覚めてしまいそうので、無理やり別のことを考えて誤魔化した。


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その日の夜は久々にぐっすりと寝れた。いつも夜中に起きていたのに…。もしかして精液って安眠効果でもあるの?まあ、寝れればなんでも良いけど…。 それ何にせよ、やりたい事リストが1つクリアできたのでこの調子で色んなことをこなしていきたいと思ったのだった。
















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