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2023/11/19 水滅法

人助けと言って過言ではない

日付のずれは無視しておくれ。今日とてライブでした。微妙に怒られの匂いがする内容にもなるのでその辺は暈しつつも、なんとも心が卯の花のようにほわほわとした感じにもなっているのでメモとして、事象として胸を張って書いておこう。

17時から開場ということもあり、15時までは家事やら家事やら家事をして時間を浪費する。詳しく書くと、来週の分のお弁当のおかずとか、お米をすぐ炊ける様に水につけとくとか、まぁそんなこんな。えらい。

余った時間を[龍が如く7]で有意義に使いつつ、時間ほどになったのでシャワーを浴び、ワックスで髪をきめ、おきにの香水をつけて部屋を出た。

梅田につき、梅田地下道を‥と思ったが、そうそう。あの地下道無くなったんだなー」と思いながら地上の歩道を進みライブ会場へ。ライブ会場がバレバレ。

10分ほど待つ。客層は概ね若めの女性たち。わりと激しいジャンルだと思うんだけど、聞くんだなぁーと。ジャンルに性別は問わないが、どうしても、意外だなーと感じる。

番号順に並んでーというスタッフの声があったので、2.3度番号を聞かれた。待機の女性に。こう、この年になると新しい人間、かつ、女性に話しかけられるのって無いと言っても過言でないので、正しく気持ちを述べると嬉しくなる。

でも、なんか質問(番号だけだが)される回数が増えた様な?なんなんだろ。パーマをちゃんとセットして、身なりも綺麗にしてきたからか、過去の僕より話しかける、というハードルが下がっているんだろうか。そう思って、嬉しがっておこう。

ドリンク代600円(500円の時代に戻して)を払い、ドリチケを受け取り、ドリンクカウンターへ。やや列が出来ており、ぼぅと待ってると違和感に気づく。2枚受け取っていた。あ!」とも思ったが、しめしめ!」とも思い1枚をそっとポケットにしまい、1枚でジントニックを受け取る。

この場合、返すのが正しいのだろうが、入る番号も良かったし、まぁしめしめ!とも思いつつ、使わないのでプラスマイナス0で終わる話だ。店側からするとドリチケの出荷と入荷が合わないのでやや慌てるかもしれないが、今頃良い壁際のポジションを手放して、ドリチケ2枚ありました」と行く方が阿呆らしい。

壁にもたれつつやや待ってるとライブスタート。ライブはいいものだ。本当に思う。魂と熱と重低音とカオス!が僕を虜にさせる。この場に立つために無味無臭の平日に耐えられる。心の渇きが満たされ、今ならビルから落ちても死なないんじゃないか、と無敵感覚が曲ごとに更新される。

とまぁライブに酔っていると、前の方が少しざわつき、前の方にいた綺麗な女性が後退して、僕の前の壁を背に蹲ってしまった。

ど、どうしよう。

僕こと僕は、女性経験こそないが、女性とお付き合いした事は2度あるし、友達は、女と女と男である。つまりは女性にそれなりには慣れている。とかいいつつ、他人かつ病的な女性をどうこうする人間力はなかった。演者さんに気を使わないように、ここの地区では何もないですよ!というふうに馴染ませるのが精一杯だった。スタッフを呼んで欲しそうではない様に思えたので。

幸か不幸か、ラスト2曲ぐらいであり、その状態のままライブは終わった。ライブ後、声をかける。ありきたりな、それでいて、そんなわけないのに、大丈夫ですか!?」と。

女性に話しかけたのは何年振りだろうか。大学では流石にしてたと思うが、なんというか野良でこの行動をしたのは、記憶の限り初めてだった様に思う。なんでかって、そりゃぁキモイだろ。180cmのインキ眼鏡から話しかけられるのなんて。

女性はぼやーとした表情のなか、あ、はい。すみません。」と見た目に反して丁寧にお辞儀しつつ、質問とややずれた謝罪をしてきた。多分僕より年は下である。髪は金髪で毛先が水色。化粧は濃く、白い肌にマスカラも口紅もレタリングされた様に浮いて見えた。服は所謂(所謂?)童貞を殺すセーターの様な形を模しており、つまりは胸元が空いていた。これを着る人ってたまーにいるよね。

というか謝罪か。話しかけてしまってこちら側が謝罪しなければとも思ったが、彼女は僕のライブを邪魔してしまったことを謝っているのだろう。なるほどね。

まぁ確かに残り数曲からライブは壊れてしまった。注意の半分以上が座り込んだ女性に使われたので、感動のアンコールもなんかぼやっとした記憶しかない。とはいえ人に優しく、がスローガンで命題の僕は寧ろ座り込んだ女性に何も出来なかった自分が悔しく、謝られる事をしたという気は1mmも無かった。

少々女性と話すが、何処かまだぽわっとしているようで、返事が曖昧だ。ライブが終わって人が去っていくのに壁から動かないし。まぁ初動は人が多くて動けないんだけども。急に隣にいた男が女性に尋ねてきた。水あります?」と。いえ‥」という女性。水とってきます!」といい彼は人混みを掻き分け消えていった。その様子をぼーとみる僕。

ふと思います。ドリチケを取り出し(正確にはポケットから床に落ちてた)、ちょっとそこにいといてください!」といい、ドリンクカウンターの列に並ぶ。ややあって水を確保し女性の元へ。受け取った水を女性に渡す。女性は2口3口水を飲み、少し元気を取り戻した。

このためだったのか。伏線というか、こうなる事が分かっていたかの様だ。現実で勝手に伏線回収が起きるとすげー気持ち良いのな。

少しその場で談笑する。久々のライブでお酒も飲んでしまってぐわぐわになったのだと。壁際にもたれながら見るのがおすすめですよーと話していると周りは殆ど人がいなくなっていた。帰りましょうか、と出口に向かう。

女性はクロークに物を預けていた様で、クロークが‥」という。少し考えたが、そこで荷物とか持ってあげるとか、いやまぁ、頼られたなら全然するんだが、こっちからするのもなぁ、と思い、じゃあここでー、またねー」といい別れた。出口には演者さんがおり、がっちりと握手してもらえた。嬉しい。暖かい手だった。

連絡先も名前すら聞かなかったけど、1人をそれなりには助ける事ができた。またねーと言いつつ、普通に考えればもう会えないだろう。多分、僕じゃなくても誰かが彼女を助けていただろうが、今日はそれが僕の役目でよかった。

聞かなかった、というより聞けなかった、が正しい僕な気もする。金髪女性目線からもこの日を見てみたい。

Song  素敵滅法/物語シリーズ

今は傾物語まで聞きました。

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