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なぜテレビにはノブがないのか

「アメコミ」というジャンルがある。アメリカンコミックの略で、そのままアメリカのマンガという意味だ。
マンガとコミックも正確には違うが、ひとまずここでは置いておく。

アメリカのマンガと言われてもピンとこない人は、ヒロアカのオールマイトをイメージすればいい。ヒロアカというのは『僕のヒーローアカデミア』というマンガの略称だ。
ヒロアカを知らない人は『ワンピース』を見るといい。ヒロアカの作者はワンピースの読者だったという話は有名だが、どの程度影響を受けているのかはわからない。

そのオールマイトというキャラがまさにアメコミをイメージして描かれている。アニメしか知らない人はぜひ原作マンガを読んでほしい。あわよくば『スーパーマン』や『バットマン』などのアメコミも読んで、比較してみてほしい。

あ…。アメコミの説明バットマンとかでよかった。

ところが、今やその「アメコミ」がマンガの1ジャンルになっている。
問題はこれが「外国のマンガ」という意味になってしまっていることだ。アメリカだけでなく、ドイツやフランス、さらに中国や韓国のマンガも「アメコミ」に分類されている。
以前古本屋のアメコミの棚からタイトルも見ずに1冊買ったことがある。英語の勉強になるかと思って買ってみたのだが、読み始めたら何一つ知っている単語が出てこない。あとで調べてみたらそれはインドネシア語だった。
ムチャぶりがすぎる。

…何の話だっけ?
ただの愚痴になってきてしまったので話を戻すと、ドラえもんの道具で6番目に有名なのはタイムマシンだと思う。
のび太の机の引き出しのアレだ。登場シーンも多く誰でも知っているが、あれも秘密道具だということは意外と忘れがちだ。秘密道具と言えばポケットから出すものをイメージしてしまう。
だから物自体の知名度のわりに道具としての知名度は低い。

1位がどこでもドアなのかタケコプターなのかは…、まあ別にどうでもいいか。

どこでもドアに限らず、ドアにはノブがついている。
だが、テレビにはノブがついていない。
これはおかしい。どう考えてもおかしい。

なぜテレビにはノブがないのか。

まず考えられるのは、パソコンやスマホの進化だ。パソコンやスマホ、また動画サイトなどが発達し、テレビでできることはスマホやタブレットでもできるようになった。もはやテレビは「据え置き型タブレット」になりつつある。
だが、思えばパソコンにもノブがない。スマホもタブレットもノブがない。
もしパソコンにノブがあるなら、テレビにノブがないのもうなずける。

…だとすれば、テレビにノブがないのは別の理由があるのだろう。

たとえば冷蔵庫につまずかないのはなぜか。それは冷蔵庫がつまずけないほどに大きいからだ。
冷蔵庫のせいでよろけても、それは「つまずいた」ではなく「ぶつかった」になる。だから大きすぎるものにはつまずけない。

これを応用すると、テレビにノブがないのは別の理由「A」があって、「テレビはAである、Aはノブがない」という構造になっていることがわかる。こういうものを専門用語で「疑似相関」という。

そこで、まずこの「A」が何かを考えよう。
Aの性質は「テレビはAである」、「Aはノブがない」の2つだ。前者より後者のほうが使える。テレビの性質を考えるより、ノブがないものを探すほうが「A」というものの本質に迫れる。

というわけでノブがないものを探そう。
机、イス、壁、蛍光灯、スケートボード、ゴリラ、ヤシの木、酸素ボンベ。
これらの共通点がわかればテレビにノブがない理由もわかるはずだ。
ぱっと見で共通点は自転車に乗せられないことくらいしか思いつかないが、それならスケートボードがあるのはおかしい。イスや蛍光灯もぎりぎり自転車に乗りそうだ。ゴリラは自転車を漕げそうだ。

うーん、わからない。もっと探せば共通点がわかるかもしれない。
牛乳、フラスコ、ゴルフクラブ、アーティチョーク、十手、ケバブ、ミシン。
これらの共通点は…えーと…いや、ムチャぶりがすぎる。さすがにスカイツリーより小さい、くらいしか思いつかない。
だがよく考えるとドアもスカイツリーより小さい。ドアも自転車に乗せられない。まあ人形の家のドアなら乗りそうだが、これもやはりスカイツリーより小さい。
ドアにはノブがある。

というか待てよ?逆にノブがあるものの共通点は何だ?そう考えたほうがいいのかもしれない。
ノブがあるもの…あれ?ドアしかない。ノブがあるものはすべてドアだ。
ドア以外でノブがあるものはひとつもない。

ああそうか。やっとわかった。
テレビにノブがないのは、ドアじゃないからだ。

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