Adaptive Sizing
Java仮想マシン(JVM)は、Javaアプリケーションが実行される環境を提供し、メモリ管理に関して高度な機能を数多く備えています。その中でも「Adaptive Sizing」という機能は、JVMがアプリケーションの実行状況に応じてヒープメモリのサイズを動的に調整することで、性能の最適化とリソースの効率的な利用を図るものです。Adaptive Sizingのメカニズムと、それがHeap Committedとどのように関係するかを説明します。
Adaptive Sizingとは
Adaptive Sizingは、Javaのガーベージコレクション(GC)フレームワークの一部であり、JVMが実行時にヒープメモリのサイズやGCのパラメーターを自動調整する機能です。Adaptive Sizingの目的は、アプリケーションの性能を最適化しながら、メモリ使用量を効率的に管理することにあります。
JVMはアプリケーションが起動する際、ヒープメモリの初期サイズ(-Xms)と最大サイズ(-Xmx)を設定します。Adaptive Sizingはこのヒープメモリの範囲内で、実行中のアプリケーションのメモリ使用パターンを監視し、必要に応じてヒープサイズを動的に調整します。
この調整は、以下の目標の優先順位を基に行われます。
最大一時停止時間目標
スループット目標
最少フットプリント目標
詳細に関しては、以下のJavaドキュメントに記載されています。
https://docs.oracle.com/javase/jp/8/docs/technotes/guides/vm/gctuning/parallel.html
Heap Committedとの関係
「Heap Committed」とは、JVMが物理メモリから確保し、アプリケーションが使用可能としているヒープメモリの量を指します。つまり、JVMによって「確約された」ヒープメモリの量であり、アプリケーションが実際に消費しているメモリ量とは異なります。
Adaptive SizingとHeap Committedの関係は密接です。Adaptive Sizingによるヒープサイズの調整は、Heap Committedの量を変更することに直結します。JVMがヒープサイズを増やす決定をした場合、Heap Committedの量も同時に増加します。逆に、JVMがメモリ使用量を削減できると判断した場合、Heap Committedの量は減少することになります。
この動的な調整により、アプリケーションは必要以上にメモリを消費することなく、また必要に応じて迅速にメモリリソースを確保することが可能になります。
参考情報
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