「そのうちcafe SNC」with FASTNER
地下鉄五条駅徒歩5分、京阪清水五条駅より徒歩10分。
六条院公園の奥に佇み、公園の風景に馴染み過ぎているカフェ。
こじんまりとした店内には平和を感じる心地よさが満ちている。
店主の浅井さん(@takuya_asai)から話をお聞きした。
ー「そのうちcafe SNC」の由来。
大体の会社員は「そのうちカフェでもやりたいな」とか言いながら嫌々会社員やってるわけじゃん。まあそういうネーミング。
や、辻褄は合わないんだよね。カフェも京都もビギナーで、50から始めた。なんか言えばいえるけどね、そんなことはない。
ー昨日来たカナダ人の話。
フランス語と英語を話せるレスさんという方が取材の前日に来店し、レッスンの紹介をしてくれたとのこと。
「このレッスンのいいところは、レスさんは日本語を習いたいので英語を使って日本語を教えてあげる。お互いに。feeは発生しない。英語を使って日本語をちゃんと教えられる英語力のある人が生徒さんになる。」
ー外国人から見る日本人。
外国人がよく来ます。34か国来ました。とりあえずいろいろ喋るでしょ、外国人って。ヨーロッパの人もそうだけど、結構選択してそのチョイスをする感覚が強いじゃん。失敗したら自己責任とか。常にA・Bから選ぶみたいな。
(日本人は)そもそも選んで失敗するみたいなのに弱いんだと思う。結構日本の人は状況受け入れるというかさ。受け身推奨でね。日本語ですいませんってあるじゃん。日本語覚えようとしてる人は、すいませんって使いなよ、すいませんってすぐ言えばいいって思う。ありがとうもいいよ、すいませんで。おはようございますも、すいませんでいいんだよ。(笑)
すいませんって何かって言ったら日常的な小さなトラブルを回避するためにとりあえず譲歩してっていう感じがするのね。
(日本には)多様性がないみたいなことになってるじゃん、その単一民族でみたいな。そんなことないです、絶対。狭いエリアですごい人口密度でずっと住んでる。とりあえずトラブルを回避すると。すいませんって言って、要は小さな綻びをとりあえず広げないように慎重に。
ーなめらかなカフェへ。
「なめらかな社会とその敵」を書き、その単行本を浅井さんに送った鈴木健さんは現スマートニュースの社長。
10年前に書いて、先月文庫本になった。で、送ってくれたの。ただの知り合いで、ちょうど去年文庫本で50ページ足したの。その原稿をここで書いてた。楽しみにしてますって言ったら一冊送ってくれた。
これ(「なめらかな社会とその敵:鈴木健著」)を読むと、難解だけど朗らかだけど、でもなんか辻褄が合わないというか、無意識に共鳴してるというか。なめらかなカフェにしたいわけです。朝は鳩にご飯を挙げなきゃいけないし、子供が来たら無料でジュースをあげたり。
多くは語らない。聞き手に言葉の意味を考えさせる浅井さんの言葉。
社会の流れに翻弄された時、ひと休みできる場所がここにある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーInterviewees / Asai @takuya_asai
Photographer / Natsuki Sugiyama @0371li
Write /Yuka Umino
Edit /Junna Ueta
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with FASTNER. 裏話。
―どんなつながりでお客さんが増えていったのとかってありますか。
最初の頃は公園に外国人が居たら呼んできたのね。外国人だったら難しくないじゃん。で、喋ってお茶して、すると、グーグルマップにいいコメント残してくれて、それを見た次の外国人が来てくれる。
―カレーにもこだわりがあるんですよね。
カレーはスリランカ人がスパイスを調合して。長く生きてればいろんな友達ができるんですよ。長く生きてればね。霊感なくてもお化け見れちゃうこともあるわけじゃん。長く生きてれば。
取材当時、店内で絵の展示をされていた谷口さん(@ririko_usagipan)とお話をすることに。フィンランドでの思い出を可愛らしいうさぎをモチーフに表現していて思わずグッズを購入!半年留学してその後5回以上旅行で訪れるほどハマったきっかけは、リスに会えるから。滞在中は毎朝ハッピーだった、とのこと。
常連の女優さんと浅井さんの会話から始まった取材。
浅井さんー「今日のガンジーさんの言葉、どうぞ。」
女優さんー「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。」
浅井さんー「今を大事にするということだよね。僕なんて、生きる=学ぶ、だからね。」
なかなかに深いお話をされていた。