【独断と偏見で語る】2023関西学生バスケ/リーグ戦総括[前編/上位6チーム]
コロナ禍からの脱却。
今年の4回生は、大学入学時にコロナの影響で休校/リモート授業を余儀なくされ、リーグ戦は無観客開催。FASTBREAKSがライブ配信をスタートした世代があっという間に最終学年。2023シーズンは有観客/応援解禁でこれまでの鬱憤を晴らすかの如く盛り上がりを見せてくれたシーズンでした。
独断と偏見で語る関西学生バスケ
関西学生バスケを愛してやまないFASTBREAKSが、独断と偏見でリーグ戦を振り返ります。(全チームに対して愛があるあまり、失礼な表現になってしまっていたらゴメンなさい。)
1st|大阪産業大学 11勝3敗
90年を超える歴史の中で初優勝を達成。
17年ぶりのインカレ出場を達成した前主将・小栗瑛哉が4年間で築き上げた新たな土台に、同じ開志国際のDNAを持つ髙木拓海(現主将/開志国際)がチームを受け継いだ。4回生からスタート出場を勝ち取った新谷亮(4回生/関大北陽)は得点ランキング2位/3Pランキング1位で平均20ptsを記録。屈強なフィジカルからは想像できない綺麗なシュートタッチで得点を量産。無名選手がチームを優勝まで導く原動力とまで登りつめたその姿は、特異な輝きを放っていた。個人的にはここ数年で最も印象的な選手。実業団チームへの就職が決まっているとのことだったが、Bリーグで彼の姿を見てみたい。
言うまでもなく、その活躍を下支えしていた髙木拓海の最優秀選手賞は納得。チームの勝利を優先してアシストや献身的なディフェンスでチームの心臓部となった。
大阪産業大学が瞬間的な強さであることを否定する要素として下級生の活躍も著しいものであった。ウデーレジョシュア(2回生/開志国際)・金友蓮(2回生/大阪桐蔭)・松浦奏斗(2回生/桜丘)・古川晟(2回生/帝京長岡)・佐藤憲太郎(1回生/高松工芸)らが、大阪産業大学時代の到来を期待させてくれる躍動ぶりだった。それらを鑑みると、もはや1部/2部リーグを往来しているようなチームではなく、れっきとした強豪校の仲間入りをしたと言って間違いない。
2nd|京都産業大学 10勝4敗
宇都宮陸だけじゃない。個人技の集合体が噛み合えば無敵の布陣へ。
リーグ序盤で大阪経済大学に敗れ、幸先の悪いスタートだったものの最終的には準優勝。これまで(独断と偏見による偏った見方では)接戦に弱いイメージだったものの、OTで天理大に勝利するなど、ここ数年の京都産業大学とは違った印象を放つチームとなった。宇都宮陸(3回生/報徳学園)の圧倒的なゲームメイキング/アシスト力は言うまでもなく、ロングレンジを手に入れれば日の丸を背負う選手になると勝手に期待している。藤原瞭我(4回生/北陸学院)・島村亜留(4回生/関大北陽)・片原飛斗(1回生/仙台大明成)らは、“関西最強のガード陣”としてチームのエンジンとなった。
3rd|天理大学 10勝4敗
“チーム力”で戦えることを証明。
天理大学は上位ながら、得点/3P/REBランキングTop3に誰もランクインしなかった。それは決してネガティブなことではなく、チームの方針を徹底し、チームプレーを徹底した結果。個人技に頼らないスタイルは、関西が今後関東に対峙していくうえで絶対的に求められることであり、全チームが見習うべき存在として関西を牽引していってもらいたい。
4th|神戸医療未来大学 8勝6敗
板敷・中村・フセインの“BIG3”は間違いなく関西最強の布陣。
3回生BIG3【中村瑞稀(3回生/中村学園三陽)・ジリメンヤフセイン(3回生/別府溝部学園)・板敷遼(3回生/鹿児島商業)】がチームを率いた。中村瑞稀は今春から本格的に頭角を現し、各チームが徹底的にマークした。厳しいマークに遭いながらも得点ランキング3位で平均20ptsを記録したことで実力を再証明。ただ、本人的には苦しいリーグ戦となったのではないかと見ていて感じるところもあり、チーム力の底上げによって中村瑞稀のポテンシャルが最大限に解放されれば、我々は体験したことのないモンスタースコアラーを目にするにことになるだろう(そう信じている)
ゲーム中、フセインと板敷遼がコミュニケーションを頻繁に取っている部分が見受けられ、来シーズンのテッパンコンビ間違いなし。(板敷遼はもっと注目されるべき安定感と攻撃性を兼ね備えた好ガード)中村瑞稀にマークが集中している際には田中虎太朗(3回生/延岡学園)らが中心に持ち堪えた。彼らの中から第四の矢が頭角を現せば、来シーズンの関西制覇が見えてくる。
5th|大阪体育大学 9勝5敗
佐野悠星の登場で飛躍的に攻撃力UP。堂々のインカレ出場へ。
下田平翔(4回生/育英)と仲田泰利(4回生/福岡第一)らが大阪体育大学を率いてきたが、そこに請田祐哉(前エース)を彷彿とさせるニューフェイス・佐野悠星(3回生/育英)が登場。3ポジションに強キャラを揃えた大阪体育大学は、1次リーグで大阪産業大学を撃破するアップセットを演出した。元祖・雑草軍団の意地と根性をインカレでいかんなく発揮してもらいたい。
6th|大阪学院大学 9勝5敗
俺たちは絶対にインカレ出場を掴み取る!意志とプライドで勝ち抜いた。
今年は良い意味で大阪学院大学“らしくない”選手が揃った。エンタメプレーで周囲を沸かせる佐々木綾聖(4回生/白樺学園)とエナジーマッスル植田碧羽(2回生/富田)だ。2人が起点となって苦しい状況を打開し、ここぞという勝負所で力を発揮。結果的には神戸医療未来大学に勝利し、インカレ最後の出場枠を掴み取った。センスしか感じない司令塔・山下力也(2回生/九州学院)やインサイドで存在感を発揮した吉田龍空(2回生/野崎)など2回生の活躍も著しく、来シーズンも盤石だ。