ミドルスクールでウルザトロンを使おう!
「まあ、不毛の大地が使えるミドルスクールでウルザトロンを使おうなんてバカな考えはよすんだな。はははは」
「出来らあっ!」
発端
そもそもの発端は私がいつものようにミドルスクールのフリープレイをこんなデッキで遊んでいる時のこと。雑談でこんな会話がありました。
「私、オースってデッキ、実はあんまり好きじゃないんですよねー、ドローしちゃいけないカードをドローした時のムカつく感じが……」
雑談としてはこれで終わったのですが、後で振り返った時に気づきます。ドローしちゃいけないカードを無くす=ドローしても唱えられるようにすれば良いのでは……? そうだ。ウルザトロンを使おう《天才のひらめき/Stroke of Genius》
フィニッシャーは?
オースで出すクリーチャーをウルザトロンで唱えられるようにする。言うのは簡単ですが、どれをフィニッシャーに据えれば良いのかが問題です。ミドルスクール環境においても強いクリーチャーはいるにはいるのですが、どれも色拘束が強くてウルザトロンのコンセプトに合いません。
条件としては以下の通り。
7マナ前後
無色または色拘束が薄い
攻撃が通りやすい
何らかの除去耐性持ち
Deckedというアプリに条件を入れて検索し、リストを総浚いしました。するといるじゃないですか。ちょうどいいクリーチャーが。
ではなく……コイツ
7マナ前後→ちょうど7マナ
無色または色拘束が薄い→それぞれ1マナずつ。《サングラスの卵》を使えば3tキャストも可能
攻撃が通りやすい→トランプル持ち
何らかの除去耐性持ち→いわゆる『幻影』能力持ちでコンバットや火力ではほぼ死なない。ソープロかバウンス(か非業の死)でないと対処不可。
ほぼ理想通りのスペック。さらには《魂の絆》能力持ちのため、後出しでライフレースをまくることも可能。完璧です。ということでオースから出すクリーチャーは決まりました。
後は、ウルザトロンを揃えるために《輪作》と《根囲い》。追加のフィニッシャーとしてマッドネスデッキ等で採用実績のある《ワームの咆哮》。コイツは《ドルイドの誓い》や《根囲い》で墓地に送られ、相性が良いのもポイントです。さらに追加のフィニッシャーとしてコントロールキラーの《正義の命令》を投入して完成です。
オーストロン第1稿
ということで最初のデッキ案がこちら。
根囲いを採用する都合上、モダンの緑トロンでよく使用される《彩色の宝球》や3tニショーバのために必要な《サングラスの卵》は不採用にしました。フィルターランド《サングラスの大草原》経由で4tニショーバでも十分強いという判断です。代わりにサイクリングランド(《隔離されたステップ》と《平穏な茂み》)を採用し、色マナ確保とデッキ圧縮を兼ねてます。
いざ実戦
ノンクリーチャーデッキに全く勝てん!!
そりゃそう。だって、ノンクリデッキ相手だと腐る《剣を鍬に》と《ドルイドの誓い》が8枚もメインボードに入っているのですから。代わりにクリーチャーアグロには強いのですが、ミドルスクールはコンボ環境(とそれに対抗するためのコントロールが強力)で、ノンクリデッキに結構よく当たるということを念頭に置く必要があります。補充、エンチャントレス、タックスラック、アルーレン、ドレッドノート、ランドスティル、カウンターバーンなどなど。これらのデッキにメインを落としてサイドを2本取るのは容易ではありません。
ではどうするか。《幻影のニショーバ》を採用する都合上緑白は確定のため、サイドカードの常連であるコンボ対策札はいくらでも採用可能です。ただ、そういうカードはクリーチャーアグロに対しては腐ってしまいます。メイン採用可能なコンボ・コントロール対策札…そんな都合の良いものが…?
うんうんと頭を悩ませていると大会で当たった対戦相手が「こういうのいいのでは?」と教えてくださいました。
オーストロン第2稿
ということで第2稿として作ったのがこちら。
第1稿との主な変更点は
《抵抗の宝球》の採用。2tに宝球を出しても、4tに8マナを使って《幻影のニショーバ》や《ワームの咆哮》というウルザトロンの強みを押し付けるムーブは変わらずに可能である点もポイントです
宝球と相性の良い《不毛の大地》《黄塵地帯》《リシャーダの港》のマナ否定パッケージの採用。宝球があることでより効果的に働きます
正義の命令の減量:4tに1/1の人間を5体出してもあまり旨味が無く、消耗戦の末に大量マナから出すのが強いため、2枚で十分との判断
《抵抗の宝球》の採用により、噛み合い次第ではコンボ・コントロール相手でも全然戦える状況になりました。一応これでデッキとしては良い感じになったかと思います。とりあえずこれでメインボードは完成です。
サイドボードについて
サイドカードはメタによってかなり変わるため、以下は採用しうるカードをちょこっと解説付きで紹介していきたいと思います。
《天啓の光》《解呪》《帰化》
嗜みとしての置物破壊。《天啓の光》はオースや根囲いにより、フラッシュバック可能となることもあり好相性です。緑が第1色目のため、《解呪》よりは《帰化》の方が使いやすいかと思います。最低でも合計4枚。《抵抗の宝球》があるとはいえオーストロンのデッキ構造上コンボに弱いため、5枚以上も全然ありかと。
《ファイレクシアの炉》《トーモッドの墓所》《スランの鋳造所》《クローサ流再利用》
嗜みとしての墓地対策。好みに応じてどれでも。基本は炉か墓所だと思うが、自分の墓地に落ちてしまったニショーバを再利用したい場合はスランやクローサもアリ。
《リシャーダの港》
マナ否定戦略をするために追加のリシャーダの港。《土地税》デッキや単色デッキ相手に《不毛の大地》と交換する形でサイドインしたい。コントロール相手にも追加のマナ否定パーツとして入れる。
《呪われたトーテム像》
マッドネス系やサイカトグ、エルフ、アルーレン等に良く効きます。あとはワームが全て押し戻されてしまう《波止場の用心棒》対策にも。ただ呪われたトーテム像が有効なマッチアップは、えてして《ドルイドの誓い》のお得意先であるため、そこまで必須のサイドカードという訳でも無いかも。
《コーの安息所》
主に《ファイレクシアン・ドレッドノート》対策。関東のメタではドレノ遣いが一定数常にいるイメージ。
《聖なる場》
相手の土地破壊への対策。例えば《不毛の大地》《ハルマゲドン》《大変動》《燎原の火》《壊滅的な夢》《石の雨》などなど。自分は絶対に土地破壊されないと思うなら要らないと思う。
《赤の防御円》《勇士の再会》《一時の平和》
スライ、バーン、RDW、ゴブリン等の赤いデッキに対する対策。ニショーバで足りると考えるなら無くてもいいかも。ちなみに《勇士の再会》はイラストアドが高いため、1枚サイドに入れるとQoLが爆上がり。
《束縛》
起動型能力への打ち消し。しかもキャントリップ付き。カードとして渋い。基本的にはこちらのトークンを一掃する《火薬樽》《破滅的な行為》に対抗するためのカード。あとは《不毛の大地》に打てばジェネリック《テフェリーの反応》となる。意外と当てる先はある、が無くても全然良い。
《森の知恵》
対コントロール専用サイドカード。フェッチランドが無いためシャッフルが出来ず、あまり強くないかも。
終わりに
と、ここまで偉そうに書いてきましたが、このデッキ、まだ全然結果を出した訳ではないです。本当にこのデッキがミドルスクールで戦えるのかは、今後の私の努力次第ということで。これから頑張ってみたいと思いまーす。以上。
追記(5月20日)
3−0しました!!
ということで、ミドルスクールでもウルザトロンは戦えます!!みんな、組もう、トロンオース!!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?