勿忘草〜丘野 鈴 編①〜
行かないで。お願い。
ねぇ、お願いだから、もう、どこにも…。
私は、一体何の夢を見ていたのだろう。
モヤモヤしながら朝の支度を始める。
今日は小学校からの親友、小鳥遊 緋代(たかなし ひよ)と会うのだ。
紹介が遅れました。
私は今年で30歳になる、丘野 鈴(おかの すず)です。
ごくごく普通の会社員。
と、このままでは遅れてしまう。
私は準備をして、軽く朝ご飯を食べて、家を出た。
「行ってきます。」
一人暮らしなので誰も居ないけれど、私の習慣だから。行ってきます。と言う