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野生動物との共存

足寄町から置戸町にぬける道道での一コマ、蝦夷鹿の群れに出くわしました。
車と鹿の衝突事故が度々起こるルートです。冬は特に道路上に現れることが多いのです。融雪剤の塩化カルシュウムを舐めに凍結した凸凹路面の上に集まります。
カーブの出口付近にいるとブレーキが間に合わず衝突することもあります。もし、鹿とぶつかれば、車は廃車、人もただではすみません。エゾシカは近年増加傾向にあります。しかも、餌の供給不足で年老いたものは餓死する個体も多いようです。1889年から1896年に絶滅した蝦夷シンリンオオカミは北海道の食物連鎖の頂点に君臨していました。
「ちょっと待って!食物連鎖の頂点は蝦夷ヒグマじゃないの?」
と思う人もいると思いますが、ヒグマは雑食性の動物で極一部のクマが鹿を食べますが、なんらかの原因で死んだ死骸を見つけて食べることはあってもわざわざ襲って食べることは稀なケースだそうです。鹿を狩って食べていたオオカミは時にはヒグマも狩ることもあったそうです。
食物連鎖の頂点がいなくなり、生態系のバランスが完全に崩れた状態で鹿は増える一方でした。ヒグマは近年数が増えています。天敵がいないのと保護されてきた影響です。北海道最大の都市、札幌市内に現れ人が襲われ大怪我を負ったニュースは記憶に新しいところですが、私の住む帯広市にも出没し小学校のグラウンドでハンターが高いところからライフルで駆除しました。
呑気に休日出勤してした私は会社の周りの厳戒態勢に状況が分かりませんでしたが、
「建物に入ったら合図があるまで絶対に出ないでください、クマが今小学校の敷地内にいて駆除しますので」
ゾッとしました。その日の夕方ニュースで事の全てをい知りました。本当に呑気な話です。川づたいに街のなかに入ったようです。翌日、自宅前や会社の近くの川にはクマの足跡が残っていました。
人里に降りるクマを駆除対象にとするのは当然のことなんです。一度人里に降りると何度も来て残飯などあさり人との偶発的な衝突により人の味を覚えると、獲物になります。かつて三毛別の獣害事件に代表されるように。
帯広市でもありました。山菜取りに入った人がクマに襲われ泥饅頭の状態で発見されたことが、完全に人は捕食対象になりました。こういった場合は駆除しかありません。
人は毛も少なく皮も薄くクマからすれば、鈍感でノロマで狩りやすい動物としか見えないからです。
闇雲に駆除するのではなく、駆除対象をきちんと線引きし駆除しています。だから、これに対する誹謗中傷は論外、御門違いもいいところ。
駆除するハンターも命懸けです。生前父がいった言葉に、
「動物を殺しすことに抵抗がないわけではない、田畑、家畜を守るためにやっていることで、好き好んでやってるわけじゃない。だから馬頭さん(動物や家畜を祀った神様)に必ずお供えとお参りをするんだ。魂が安らかに召されるように」

たぬき

試される大地北海道

狩る側、狩られる側ではなく、パートナー的な存在になれるといいなぁ〜、なんて甘いと言われるかもしれませんが、そうなればいいと思います。
野生動物と共存が重要なテーマになっています。人の文化が発展する代償を動物たちに払わあえる訳にはいかないんです。

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