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歴史に学ぶサバイバル術(3):リンドン・ジョンソンー冴えないオッサン副大統領の生存戦略
人気者ケネディの陰で
アメリカの歴代大統領で最も人気のある人物といえば、やはりケネディだろう。ニュー・フロンティアの理想を高く掲げ、甘いマスクと感動的な演説、才気あふれる妻とオープンで仲睦まじいファミリー、とくれば誰しも心惹かれるだろう。その悲劇的な最期はさらにヒーロー性をよけい際立たせている。そのケネディの裏で副大統領を務めていたのが、リンドン・ジョンソンである。
ジョンソンの経歴と政治的手腕
ジョンソンはアメリカ南部出身で、しばらく教師をしていたが、やがて政治家を志した。当選後は民主党の院内総務として長年議会対策を切り回してきた。日本でいえば、幹事長か国会対策委員長だろう。時に妥協、時に恫喝を巧みに使い分け、民主党の法案を通してきた。そういう意味では民主党を長らく裏方として支えてきた功労者でもある。彼も当然大統領を目指していたが、そこに巻き起こったのがケネディ旋風だ。ジョンソンは党大会で惨敗を喫してしまう。
乞われて副大統領に
ケネディは大統領選でこれもベテランのニクソンを破り当選を果たすが、意外なことに副大統領にジョンソンを選ぶ。ここにはケネディ一派の狡猾な計算があり、南部の地盤が欲しい、議会の大物を骨抜きにして囲い込んでしまいたい(副大統領になると議席を失う)というのが本音だったようだ。それでもジョンソンは引き受ける。案の定、ケネディ政権は彼をないがしろにした。しかし、ジョンソンは腐ることなく、当て職や軽い仕事にも全力を尽くす。それはなぜか?
人の行く裏に道あり花の山?
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