KTWウィンチェスター M70スーパーグレードIII 注目!エアガンの重さで弾速比較
KTWウィンチェスター M70の3機種とメーカー開発の歴史
KTWウィンチェスター M70にはブラックシャドウ、プリ64、スーパーグレードIの3機種が現在のところラインナップされています。セミブルバレル・マット仕上げ仕様にした新モデルでは、仕様はセミブルバレルになった分、重量が変化しましたが、それ以外は従来品と同じです。
それぞれのラインナップの違いとしては、見た目のディティールの違いも印象的です。エアガンのモデルとなった M70を開発したウィンチェスター社の歴史としては1925年、30-06のケースをネックダウンした.270という新口径の高速実包を開発したことに始まります。
新口径で設計されたボルトアクション・ライフルはM54と命名されましたが、10年あまりの時を経ておよそパーフェクトな仕上がりまで高めたのが1937年に発売された M70です。M70の口径は多種類に渡り、狩猟用のライフルとして多くのハンターに愛用されています。
また、ベトナム戦争の初期に有名なスナイパーとして知られる米海兵隊のハフコック軍曹がM70を用い、狙撃銃としても注目を浴びた歴史があります。北ベトナム軍に懸賞金をかけられるなど、伝説として刻まれている数多くの狙撃記録をM70で残し、S・ハンターが書いた「極大射程」という小説のモデルになったのではとも言われています。もっとも、M70が注目されたのは1964年までに製造されたもので、全削りだし鍛造品のものに限定されています。この全削りだし鍛造品がプリ64で、KTWはプリ64の本体と最高級木製ストックを組み合わせたスーパーグレード・モデルをエアソフトガンとして、ほぼ忠実に再現したと言われています。
M70スーパーグレードIIIと前モデルの比較
KTWウィンチェスターM70 プリ64はM70の原点となる米軍の近代スナイパーライフルの元祖として、マニアの間ではよく知られている名銃です。全長1130mmで重量は3000gほどあります。
これに対して、KTWウィンチェスター M70スーパーグレードIIIは2016年5月に発売された最新モデルで、 プリ64のストックを高級ストックに変更したモデルでセミブルバレルのマット仕様 となっています。プリ64と比べると見た目的に少しバレルが太くなった印象を受け、黒ツヤ消し塗装になったことでより重厚感や高級感が増しています。全長1140mmで重量約2700gなので、やや長くなったものの軽量となり、いっそう細身のスマートボディになっているということもできるでしょう。装弾数は22発、機構はボルト式エアコッキングです。
形が似たモデルで弾速比較
弾速の比較というと、通常はBB弾の重量の違いが大きく影響しますが、ここではエアガン自体の重量の違いで弾速に違いが出るのか比較してみます。プリ64とスーパーグレードIIIでは重量にして300gほどの違いがあるわけですが、この違いで弾速にも違いが出るのでしょうか。
ただし、KTWウィンチェスター M70での実地レビューがまだないため、形状が非常に似ている人気モデルを元に、KTWウィンチェスター M70と同様に3ラインナップがあるモデルのデータを使って検証をしていきます。
2003年12月に発売されたKTWウィンチェスター M70スーパーグレードIIIの形状によく似ている細い、長い、軽いが特徴のボルトアクションライフルVSR-10は全長1075mm、重量1923gと長さに比してスーパーグレードIIIより一回り以上軽量です。0.2gセミバイオBB弾で10発測定した結果は、ホップ適正初速は最高92.53m/s、最低87.02m/s、平均90.80m/sとなっています。ホップ適正で平均が90.80m/sなので、ジュール換算で0.82Jほどです。ノーマル電動ガンに比べてわずかに高い程度ですが、弾道は素直であり命中精度に優れています。
続いて比較の対象とするのが、2004年春にバリエーションモデルとして発売されたVSR-10 プロスナイパーGスペックです。前モデルとの違いとしてはアウターバレルを短縮して全長を95cmに抑えたこと、真鍮バレルと改良型のチャンバーで命中精度をさらに高めたこと、ボルトハンドル形状の変更やスコープ搭載用のマウントベースが標準装備、専用サイレンサーで静粛性を高めるなど使い勝手を高めています。全長は950mmと小ぶりですが、サイレンサーを装着させると1135mm、重量はサイレンサーとマガジンを含めて2090gと前モデルよりやや重いという条件で計測します。0.2gベアリングバイオBB弾で10発測定した結果は、ホップ適正初速は最高92.79m/s、平均92.18m/s、最低91.71m/sとなり、ジュール換算で0.850Jです。
さらにKTWウィンチェスター M70スーパーグレードIIIに重量的にも近く、形状も非常に似ている最新モデルのエアガンVSR-10プロハンターGガンサウンドは2013年5月に開催された静岡ホビーショーで驚愕の新次元と銘打って発表されたモデルです。全長は950mm、サイレンサー装着時は1135mmと前モデルと同様ながら、重量は2900gと重くなっています。0.2gベアリングバイオBB弾で10発測定した結果は、ホップ適正初速は最高84.55m/s、平均83.34m/s、最低82.33m/s、ジュール換算で0.695Jでした。
この結果、重量は次第に1世代、2世代、3世代と順に重くなっていますが、弾速は速い順に2世代、1世代、3世代となっています。>重量は軽量なほどいいということもできますが、単にエアガンの重量だけでなく性能が高度化することも影響を与えます。この点、M70スーパーグレードIIIは軽量になったうえ、プリ64の性能を受け継いでいるので弾速でも期待が持てますね。