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源清麿に会いにいく

江戸三作と呼ばれる新々刀の刀工、源清麿。
時代で言えば、幕末に入る少し前に活躍をしていた人だ。
謎の多い人物らしく、水心子正秀のようにたくさんの弟子を取っていたという話もないようだ。

清麿は作刀を兄に習ったと言われるらしく、
お兄さんは水心子に作刀を習う程の腕前だったという。
兄の子(清麿から見て甥)は後に清麿の弟子となり、幕末を経験された人物で、廃刀令さえなければ…という、惜しまれる実力だったようだ。

今回の主役、源清麿は開催地(現 東御市)出身の刀工で、なかなか波乱の多い人生をあゆみながら作刀をしていた。

展示のスペースとして、前半は兄、甥の刀などが並び、後半に清麿の刀が並んでいた。

前半の兄、甥の刀も当時、好評を得ていただけあり、質実剛健の雰囲気があった。
親子の刀を、見比べると似ているなと感じた。
ここまでは、落ち着いて「綺麗だなー、かっこいいなー」などを考えながら進むことができた。

しかし、後半の清麿が並んでいる展示室に入ると一変してしまった。
展示方法もライティングも前半と大きく変わらないのに、刀の持つ雰囲気が全然違ったからだ。

親子では似ていた雰囲気が、兄弟になると全く違うものなのか?と疑問が、湧いてくる。

源清麿は前半と迫力が段違いであった。
物理的に強い刀を三者とも目指していたことは見て取れるのだが、強さの桁が段違いだと言うのが伝わって来た。

全体的に
大切っ先のものが多く、重ねが厚く
刃文は互の目か丁子を焼く。
身幅が厚く見える。
それが、ひと目で「強い!!」を、感じとらせるのであろう。
第一印象での刀の形が既に迫力が凄いのだが、そこに華やか目な刃文を焼いているのが、かっこいいのだ!
このまま、ここにいては虜になってしまう…
もう手遅れか…

同じ部屋に水心子正秀や大慶直胤も並んで展示されていた為、江戸三作の違いを見比べられるのは興味深い。
同じ時代に生きているのに、三者三様の作風がとても面白かった。

行くことに苦労をする場所での開催だったが、行って損はない展示だった。


旅のお供に…

フィクションといえ、なかなか、この人大丈夫か?な感じでした。ꉂ(ˊᗜˋ*)

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