火車切、松井江、蜻蛉切に会いにいく。
今年初めの遠征は、佐野美術館へ決めた。
1日前に。
突如決めた為、何の事前情報も集めず、財布と防寒だけして三島の地へと向かった。
三島田町の駅を降りると火車切、松井江、蜻蛉切のノボリが出迎えてくれるので、佐野美術館までの道も安心に進める。
ずっと行きたくて、タイミングを逃していた佐野美術館。
憧れの地だったにも関わらず、なんの調べもしてないとか、不遜すぎる。
今回の目当ては、火車切、松井江、蜻蛉切だったが、展示室に入ると、凄い量の刀が並んでいた。
数の暴力…
展名どおり、名工と呼ばれる刀工作が大量展示。まさに「ズラリ」である。
少し上げると、新藤五国光、正宗、長光、源清麿、大慶直胤等など…
時代は問わず、メジャー所が並んでいる。
質の暴力…
こんなに、たくさんの刀に大興奮である。
展示順に見ていくと最初に出てくる、火車切。
第一印象は、幅広い。
身幅広い所に、刃幅も太くて、迫力があった。
刃文は丁子や互の目で構成されていて、皆焼がはっきりと見えて豪華だ。
じっくり見ていくと、華やかな刃文なのだが、一見した時は気付きにくく感じた。
火車は悪行を重ねた後、死んだ者の亡骸を奪っていく妖怪だそうだ。
そう聞くと、業火の炎の様な刃文にも、なんだか見えてくる。
次に見えてくるのが、松井江。
松井江も、打刀の割に大きいなという印象だった。南北朝時代の刀だから、当たり前と言えばそうなのだが…。
以前見た、郷義弘の刀より、静かなイメージを受けた。直刃調だった為だろうか？
郷義弘自体は、前期後期で印象が違うらしいので、その関係もあるのだろうか？
不勉強だ。
蜻蛉切はどこにいたのかと言うと？？
360度、四方八方から見れる様になっていた…
初めて見る展示の仕方だったので、とても驚いたが、なるほど、鑑賞ポイントの多い槍なのだ。
前(？)からは刃文や形を楽しめ、反対側の樋には彫物を鑑賞できる。
横から見ると厚みがどれくらいかを発見できる。
なんなら下からも見る事が出来るので、蜻蛉切ファンは水涎ものだろうと感じた。
私自身、槍はまったくの不勉強で、良いのか悪いのかは分からないが、この展示の仕方は面白いなと思った。
メインの二振り一本も面白いかったが、その他の刀も相当面白いものばかりだった。
個人的には源清麿をもう一度みたいと思っていたので、何振りか出ていたので嬉しいばかりである。
個性的な刀も多くあるので、量と質を一気に浴びれ、勉強にもなる。
タイミングがあれば、1日かけて行った方が良さそうだ。また行きたい…。