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【転職活動】履歴書・職務経歴書から採用担当者に伝わること

履歴書・職務経歴書を書くとき、ただテンプレ書式の項目を埋めている、なんてことはありませんか。

履歴書・職務経歴書は企業との最初のコミュニケーションツールです。
応募者から見た求人票と同じで、採用担当者にとっては、応募書類に書かれた内容がそのまま応募者(=自分)の印象となります。
面接では自分の見せ方、アピール方法を考える方が多いですが、実はその前の書類選考の時点であなたの印象は作られているのです。

今回はエージェントとして多くの応募書類を見てきた経験から、応募者が盲点になりやすい点を中心に、採用担当者が書類の内容からどのようなことを想像するかを解説します!
相手の目線を知り、面接での話題提起にもなるネタやアピール方法を考えるための参考になれば幸いです。

実務的な書類の書き方のコツはこちら。


大前提:採用担当者が抱くイメージに「正解」はない

これから解説することは、人柄やスキルなど、これだけのものが伝わっているよ、という話です。

そのため、採用担当者に「伝わるもの」に正解はなく、伝わった内容をどう解釈するかは、採用担当者次第です。
更に、ここで伝わった情報は第一印象となりますが、あくまでも「こんな人かもしれない」という仮説です。
面接で仮説があっているかを確認するのであり、「話してみたら意外と○○だった」と印象が修正されることも多くあります。

とはいえ、第一印象は重要です。
自分らしさを伝え、面接官に好印象を持ってもらえる書類を作るために、相手の見方は知っておきしょう。

履歴書から受け取るもの

経歴から推測する人となり

経歴はその人の人生史であり、一番その人らしさがわかります。
採用担当者は可能な範囲で、その時々の意思決定や、大学・企業のカラーを思い浮かべながら、応募者の想像を膨らませます。

例えば都内に住み附属高校から進学した人と、地方から大学受験を経て東京で一人暮らしをしながら大学生活を送ってきた人は、同じ大学出身でも経験やそこから得た価値観は異なります。

社会人になってからも同じです。
業界に精通している人事なら企業ごとのカラーを知っているので、応募者の在籍企業を見て、体育会系の営業をしてきたはず、社内調整に苦労していそう、といった社風に基づいた仕事の仕方が想像できます。

転職経験者であれば、転職回数から定着性を見たり、それぞれの在籍年数から合いやすい組織の特徴も想像します。
例えば、大手企業3年→ベンチャー企業5年であれば、堅実な企業運営よりもスピード感のある意思決定や仕事のスタイルが合うのだろうと想像します。
反対に、大手企業20年の1社経験なら、安定志向が強い可能性があることや、新しい社風に馴染めそうか、といったことを考えます。

資格欄から見る向上心

資格は多いほど良いというわけではありません
業務に必要な資格や、業務範囲を広げたり専門性を高めるための自己研鑽をしているか、という点を見ます。

例えば経理職のキャリアを築いてきた方が簿記を受験したことがない、といった場合は目の前の業務だけをこなして、網羅的に経理を学んだことがないのかもしれない、などと考えます。
反対に、経理業務は5年ぐらいなのに会計士の資格を持っていれば、未経験業務を含めて多少難しい業務も任せられそう、という期待が持てます。

こうした背景から、中学・高校時代に取得した英検4級や珠算検定などは、業務に繋がりにくいため、記載することで「他にアピールポイントのない人」という印象を持たれかねません。
業務と関連がありそうなもの、国家資格、その他面接でネタになりそうな資格を優先して記載しましょう。
(ちなみに私は大学生の時に漢字検定2級を取得しましたが、人材紹介の業務には直結しないので履歴書には書いていません。)

趣味欄から見るパーソナリティ

個人的には好きなものに貴賎は無いと思っていますが、趣味欄は素直に書く方が多いので、素の印象を形作る要素になります。

例えば体育会系の企業にいて、趣味が旅行やアクティブなものであれば、かなりの体力と行動力がありそうだという印象を持つでしょう。
反対に、読書や散歩が好きなら穏やかな時間を好むという印象を持ちます。
もし面接官と共通の趣味があれば、アイスブレイクで使おうと考える採用担当者もいるかもしれません。

一方で、「ゲーム、ギャンブル」などと羅列してしまうと、たとえ嗜む程度だったとしても金銭トラブルなどの有無が懸念される場合があります。

趣味欄は必須項目ではないので、無理に書く必要はありません。
趣味を書く際は、書類上のすべての情報があなたの印象を作ると心得ておきましょう。

職務経歴書から受け取るもの

履歴書からおおよその印象、仮説を作ったら職務経歴書に移ります。
職務経歴書からは、スキルや経験はもちろん、履歴書で作った仮説を補強したり、仕事を通じた考え方や価値観もを推測する情報が得られます。

1) 仕事の解像度

職務詳細の書き方は、日頃あなたがどのように自分の仕事をとらえているかが透けて見えます。
例えば、あなたが採用担当者なら、次のAさん、Bさん、どちらの方が仕事がデキそうに感じるでしょうか。

【Aさんの職務経歴書】
所属部署:人材紹介部 食品業界チーム
業務内容:
 求職者の転職支援と企業の採用支援に従事。
実績:
 2023年度  個人、チーム共に目標達成。新規開拓も積極的に行なった。

【Bさんの職務経歴書】
所属部署:人材紹介部 食品業界チーム リーダー(メンバー3名)
業務内容
 求職者の転職支援と企業の採用支援に従事。
 またリーダーとして、新卒を含む3名のメンバーの指導と目標達成の支援を行う。
<転職支援>
 面談(月30名)、求人提案、書類添削、面接対策、クロージングを行う。
<採用支援>
 食品メーカーの企業を担当。
 新規開拓、採用ターゲットのヒアリング、人材提案、選考フォローを行う。
実績
 2023年度
  個人売上 目標3000万円/実績 3500万円
  チーム売上 目標8000万円/実績8050万円
  新規開拓:目標10社に対し、20社の新規開拓に成功。

Aさんの場合は、自分の仕事の大枠だけを記載していますが、Bさんは業務内容だけでなく、組織の中で自分が求められていること(役職、目標数字など)も明確にしています。
さらに、業務内容の具体例や、金額や面談数などの数字も記載していることから、日々のタスクや業務量がイメージしやすく、また仕事を進める上で数字を大切にしていることも察せられます。

言語表現はその人の捉え方が現れます。
自分の仕事を多面的かつ具体的に記述することで、自分のスキルや経験を正確に伝えるだけでなく、視野の広さや視座の高さも伝えることができます。

2) コミュニケーション力

上と少し重なりますが、書類全体の言葉遣いや説明力から、コミュニケーション力が察せられます。

例えば言葉足らずでわかりにくい文章、小さな字でびっちりと埋まった余白の少ないレイアウト、10ページ近い大長編の書類は、読み手への配慮を欠いているように感じさせます。
そのため、いくら「相手にわかりやすい提案をしてきました」と自己PRで書いたとしても、目の前の書類が読みづらければ説得力がなくなります。

反対に過不足なく記述され、要点がわかりやすい応募書類は、読み手への配慮が感じられ、日頃から相手の視点に立ったコミュニケーションを取るのではないかと期待させます。

3) スキル、強み

職務経歴書のメインポイントです。
職務内容や実績をわかりやすく具体的に記述すれば、スキルやこれまでどのような形で成果を出してきたかが伝わります。

さらに自己PRで実績に繋がった強みを客観的に書けば、応募先でも強みを発揮できると、説得力を持ったアピールができます。

4) 仕事上の人となり、価値観

強み・スキルに関連して、自己PRや成果の出し方から、周囲との関わり方や考え方が見えます。

  • チームを引っ張るタイプなのか、リーダーのサポートが向いているのか。

  • 社内の色々な部署を繋ぐのが得意なのか、外注・下請け業者との連携が得意なのか。

  • 相手の感情に寄り添うのか、理路整然と説得するのか。

  • 営業なら、顧客と仲良くなって売上を作るのか、論理的な提案で納得させるタイプなのか。

  • 自分のスキルを高めたいのか、業務改善など組織の底上げが得意なのか。

他にも書き方次第で、さまざまな価値観やコミュニケーションスタイルが伝わります。

まとめ

今回は、書類を読む側の視点を解説しました。
自分が意図する以上に、読み手(採用担当者)には色々なものが伝わっていると感じたのではないでしょうか。

もちろん、採用担当者やエージェントにも力量の差はあります。
業務内容の経験だけ見て、スキルが合ってそうならとりあえず面接に案内する、という企業もあるでしょう。
一方で、例えば「こういう経歴の人は質重視で堅実に仕事をしそうだから、うちみたいに質より量を追う企業では合わないだろう」といった、1段階踏み込んだジャッジをする採用担当者もいるでしょう。

エージェント視点で言えば、上記の情報をもとに、おおよその転職理由やキャリアビジョンも想像し、提案求人を考えている(はず)です。

この記事を読んで、アピール力の高い応募書類を作るのは難しいと感じた方も多いかもしれません。
自信の無い方は、希望業界や自分の経歴に合ったアドバイザーやエージェントを選び、書類添削を受けてみましょう。

ぜひ、自分らしさと長所を伝える書類を作って、転職活動をスムーズに進めていきましょう!

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