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【コラム】 「理想」の先を描く

久々にフリーテーマのコラムです。
最近、自分のことやキャリア相談を通じて、夢や理想に近づくほど、その解像度を上げていかないといけないんだなぁと感じました。
真面目なテーマですが、まとまっていないので気軽に読んでください。
士業の方やキャリコンなど専門職の方には、より実感いただける内容ではないかと思います。

キャリアを考えるとき、よく「5年後・10年後の姿」を聞かれます。
「お金持ちになりたい」「ワークライフバランスを大切にしたい」など、漠然としたものでも良いです。
キャリア相談では、こうした理想像を少しずつ具体化し、解像度を上げることで、理想から逆算して今必要な行動を考えていきます。

理想像が見えたら、人はその方向に向かって歩き出せます。
でもその理想や夢は、近くなる程、細部まで見る必要があります。

例えば、非関東圏の方が、初めて某夢のネズミ国に行こう、と思った時をイメージしてください。
おそらく行き方を調べ、まずは関東方面を目指します。
東京駅まで来たらJRに乗り換え、最寄駅で降りて、入り口へと向かいます。
憧れのお城が近くに見え、音楽が聞こえ、ワクワクしながら入園し、楽しむためにテンションは上がっていきます。

で、園内で何します?
ルートは右回り?左回り?
乗り物から乗る?パレードの場所取りする?
お土産はいつ買う?

そう、憧れの地に辿り着いたら、そこで「どう過ごすか」を決めないといけません。

仕事の話に戻すと、やりたいことをするために、資格を取ったり、会社に入ったりする(入り口に行く)まではわかりやすいのです。
試験や選考を乗り越え、仲間入りする実感が湧き始め、ワクワクするのです。

問題はその後。
「プロとして何をしますか?」

憧れの職業として目指している方ほど、意外とイメージが専攻して、この問いに答えられないのではないでしょうか。

キャリアコンサルタントで言えば、
どんな領域で、どんな就業形態で、どのような活動をするのか。
キャリコンとしてどうありたいのか。
それをどう実現するのか。そもそも実現できるのか

医者で言えば、医学部に入った後、何科を専攻するのか。
医師免許を取得した後は、勤務医、開業医、産業医、公的機関、医学研究者(大学病院勤務)のどこを目指すのか。

最初から全てを考える必要はありませんが、「理想」に近づくほど「理想」の解像度を上げないと、行き詰まったり、”こんなはずじゃなかった”というミスマッチが生まれてしまいます。

もちろん、その理想は固定的なものではありません
業界や仕事に関する知識が増えるにつれ、また求人状況に応じて、軌道修正していくこともあります。
(夢の国で言えば、混雑状況やファストパスが取れ方によって、動き方を変えるイメージですかね。)

プロとして職に就くまでの道筋は、情報を得やすいです。
しかし、プロになった後の情報は少なく、各々でプロとしてのあり方やスタンスを決めていかなければなりません。
そこでは、ときに考えもしなかった問いが生まれ、戸惑うこともあります。

私自身、フリーランスになって仕事の幅を広げられるようになり、
自分はどんなキャリコンになりたいか、どこを目指すのか、
という問いを自分に投げかけることが増えました。
同時に周りのキャリコンの方も、同様の悩みを抱えている方が多いように思います。

ロールモデルも参考にしながら、どのような「プロ」になるかを考える。
そして理想の自分になれた時には、自身の専門性が深まり、社会が変わり、自分も変わり、また次の目指す姿がでてくるかもしれません。

キャリコンに限らず、キャリアを考えることは終わりが無いこと。
理想に近づくほど理想像が具体的になり、また新たな目標が必要になること。
改めてキャリア形成の難しさを感じるこの頃です。