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思い出せない

 病み方を忘れた。
 別に病みたいわけじゃない。周りに病んでる人が多い。出来ることなら力になってあげたい。
 私は本当に人のメンタルケアが下手だ。「気にしすぎだ。」「やめればいい。」「きっと大丈夫。」と本音で思う。だがそれが無責任な暴論に聞こえるのも分かってるので飲み込む。ただ話を聞いて欲しいだけだと言われ、本当にただ聞いているだけだと「何か言って。」と。未だに正解は分からない。
 私が人を頼って何か相談をしたことがないからだろうか。自分が誰かにしてもらった経験があればそれを手本に人に接せられるのに。
 心の底から共感できてないからだろうか。どうしたらいいかなんて自分で分かってるはずだ。私は人に悩み相談なんて「こういうことがあって、こう思うからこうしようと思うんだ。」と近況報告と自分の考えとこれからの展望を話す雑談の一種としか考えてない。
 とはいえ、私も病んだ経験はある。自己嫌悪にもなった。全て捨てて逃げ出したかった。実際私は全て捨てたと言っても過言ではないのだけれど。
 それでも病んでいる人に共感ができない。
 他人の悩みは大したことに見えないだけなのだろうか。些細なことをコンプレックスに思ってしまうように。
 それとも共感というものは、経験や境遇ではなく性質によるものなのだろうか。
 本当にくだらないよ。その高いプライドも満たされることのない欲も。捨てよう。私も気をつける。

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