日本人は世界の徒手療法界の流れに乗り遅れるな!!!
1ヶ月ほど前に、あるイギリス人理学療法士が書いたブログが徒手療法界の間でバズりました(笑。彼は数年前からあらゆる徒手療法の効果に疑問を呈し、あらゆるところで世界中のセラピストたちと論争してきた人です(有料ブログを読むと誰だかわかります)。
彼だけでなく世界では今や多くのセラピスト、特に理学療法士達の間で「Evidence-based(エビデンスに基づいた)」治療をすべきと語られていて、特に理学療法士の間では「俺たちはマッサージ師じゃないんだから・・・」と論文を読みまくり系の”意識高い系”の人たちが徒手療法を否定しはじめています。理由は単純、あらゆる徒手療法(カイロ、オステ、マッサージ、鍼灸、ドライニードリング、その他)は痛みや病気を治すというエビデンスが非常に乏しいからです。そして痛みの治療に一番エビデンスがある方法とbiopsychosocialモデルに基づいて我々徒手療法家は患者に接すべきと彼等は説いています。
その痛みの治療に一番エビデンスがある方法とbiopsychosocialモデルについての詳しい情報は有料ブログのほうに譲るとして、その理学療法士が書いたブログの中で私が一番心に響いたこと、それは
良くなるかどうか不確かな方法でお金を得るのはいかがなものか?
です。たしかに過去に自分が治療してきた患者さん達のことを冷静に、そして客観的に思い返してみると、1回の治療で楽になった(もう痛みがなくなった)という人もいれば、数回かかった人、そして数ヶ月、数年かかった人も多くいました。言い訳をするわけではないですが、その数ヶ月、数年間も通ってきてくれた人たちは治療後に楽になったけどまた日が経つと・・・、という人たちでした。つまり私も一体何回の治療が必要で、そしてどれくらい痛みが取れるのかを確約せずに曖昧なことを言って長年仕事をしてきたわけです。
という風に書くと、「俺は確実に数回で治している!お前が下手なだけなんだ!」と反論する人も多いでしょう。ではそれはどうやって治ったかと判断しているのでしょうか?そして患者さんは果たしてあなたに本当のことを言ってくれているのでしょうか?もっというと何をもって治ったとするのでしょうか?たとえ「あなたが治った!」と思っていてもそれはエビデンスレベルでいうと、anecdote(個人の経験、意見)にしかすぎず、信頼度は一番低いのです。
そういう「俺はいつも治している!」と豪語する先生方には私もこの業界に入ってから20年以上たつので、いろいろと関わってきました。その先生方のタイプを紹介すると
A先生:数回で来なくなった患者さん達を治ったと勝手に判断するタイプ
B先生:来なくなった患者さん達を「あの人は俺(たち)のやり方を理解できなかったから治らなかった」と宣うタイプ
C先生:人には(ネットなどでも)「○○痛は☓☓に鍼を刺す(☓☓筋を揉む)と絶対に治る!」と豪語するも、その言っていることはしょっちゅう変わるタイプ→実はそれでは治っていないから(笑)
D先生:さんざん「他の治療法では治らない!」と患者さんの前や仲間に言い、「俺のやり方だと数回で絶対に治る!」といいながら実は同じ患者さん達が長年通っている
E先生:少数穴で治る!と本や講習会とかで言っておきながら、実はそれだけでは患者さんの満足度が得られず、実際はもっと鍼を刺しているタイプ
F先生:効かせるには深部までしっかりと刺激を入れる必要があるといい、太くて長い鍼をガンガンぶち込む、あるいは思いっきりマッサージするも、痛みに耐えられずに離れていった患者さん達を馬鹿にするタイプ
G先生:「私は病気や痛みを治しているのではなく、その人を治している」と達観したようなことをいい、患者さんが良くならなくてもそれは私の責任じゃなく、まだそういう時期(体の状態)なんだと責任逃れするタイプ
H先生:自分のメソッドで治療を数回行った後、仮に患者さんが良くなっていなくとも「全て治した!あとは気の問題!」として勝手に終了し、自分が治したと思い込んでいるタイプ
I先生:治療前と治療後の状態をまだ患者さんは痛みを感じているにもかかわらず、関節のROMの改善、体の歪みの改善などを理由に終了。そして治したと悦に浸っているタイプ
J先生:自分の治療(手技)はさておき、やたら患者さんの生活態度が悪いと治療中言い続けて、(まだ痛むのは)俺の言う通りやらないから治らないんだ!と説教するタイプ
K先生:治った(良くなった)患者さんだけを覚えていて、良くならなかった患者さんは記憶から消しているタイプ
もしこのブログを患者さんが読んでいたら誰でも一度は上のどれかのタイプの先生にみてもらったことがあるでしょう(笑。
とは言えもしかしたら「一発、もしくは数回で絶対に治す!」と豪語する人は特別なパワーや才能を持っているのかもしれません。ぜひ第3者の方に頼んで検証してもらい、そしてもしその中から少しでも我々凡人にでも応用できるようなことを広めていってほしいと思っています。