【新嘗祭】11月23日は勤労感謝の日…?実はとっても農業に縁深い日でした
どうも、「よっちゃん」ことFARMY事務局の中川です。
収穫した稲たちを籾摺り(もみすり)・精米し、ついに『お米』が完成しました!
今回、我々が作った銘柄は四銘柄五種類。
あきたこまち、イセヒカリ、原村田んぼ産ツキアカリ、塩尻田んぼ産ツキアカリ、そしてもち米。
この、もち米以外の四種類の新米を、メンバーさんに送る前に、スタッフたちで食べ比べしてきました。
結論…どれも美味しい!
どの子たちも、自信をもってメンバーさんたちの元へ送り出せそうです(^_^)
11月23日は何の日?
さて、新米といえば、本日11月23日は『新嘗祭(にいなめさい)』という、農業にとても縁深い日だって知ってました?
「にいなめのまつり」や「しんじょうさい」と呼ばれることもあります。
『新』は新穀(しんこく)を、『嘗』は奉ることを意味しており、宮中をはじめ全国の神社で、一年の実りを感謝するとともに、国家国民の安寧をお祈りする収穫祭の日でした。
天皇陛下が国民の代表として、五穀(稲・麦・粟・小豆・大豆)を奉納し、神様と一緒に召し上がるそうです。
昔は、凶作ともなれば即生命の危機に直面する時代。
収穫に対する感謝の気持ちは、現代とは比べ物にならなかったでしょう。
また天皇の皇祖神(こうそしん:皇室の祖とされる神)は、太陽神である天照大神。
冬に向かって太陽神の力が弱まる時期に、神様に新穀を捧げ力をつけてもらう、また自身も同じ食べ物を食することで神様の力をいただき、天皇としての霊性を高める儀式という意味合いもあるようです。
11月の後半は、旧暦でいう一年で最も日の光が弱まる「冬至」に近い日取り。
そして新嘗祭は、午後10時という“もっとも太陽の衰える時刻”をはさむように、午後6時と午後11時に二回おこなわれるそう。
なんにせよ農業とは非常に縁深く、もちろん国民にとっても重要な日で、天皇陛下と国民が一緒になって収穫を祝い感謝する、お祭りの日だったのです。
なぜ今は勤労感謝の日なのか
新嘗祭の歴史は古く、日本最古の歴史書である『古事記』にもその記述が。
もっとも長い伝統を持つ祭日のひとつといえます。
それがなぜ、いまや知る人も少なくなってしまったのか。
そしてなぜ、勤労感謝の日と同じなのか?
勤労感謝の日と同じなのは、もちろん偶然ではありません。
というか、勤労感謝の日の前身が、新嘗祭だったのです。
戦後、GHQの指示により、天皇・皇室に関わる”祭日”はすべて廃止され、”祝日”となってしまいました。
『勤労感謝の日』は、『新嘗祭』という祭日が廃止になった代わりに設けられた”祝日”なのです。
祭日と祝日の違い
ここで、話がちょっとずれますが、祭日と祝日の違いをすこし。
祭日とは、皇室で儀式や祭典がおこなわれる日。
祝日とは、国で定めた祝いの日。正式には『国民の祝日』
これ似ているようで、全然違うんです。
「祝日は休日とする」と定められているのですが、”祝日”ってハッピーマンデーのようにカレンダーの都合で日程が変わったり、8/11『山の日』のように追加されたりしますよね。
けれど”祭日”は、儀式や祭典を執りおこなう「その日」に意味があるわけで、本来日程を変えたりするものではありません。
そこで現代の祝日を調べてみると…祭日から祝日となった日は、ひとつもハッピーマンデーの対象にはなっていませんでした。
また、よく「祝祭日」という呼び方をすることがありますが、これ実は俗称で、かつて祭日が存在していた頃の名残だそう。
祭日自体は廃止されてしまったけれど、気付かれないように、名前や意味合い、日本人の魂を残し続けてくれているようで、少し安心しました。
根底にあるのは”感謝”
話を戻し、五穀豊穣を祝う日が、なぜ勤労を感謝する日に変更されたのか?
これについては諸説あり、そのひとつがアメリカの祝日が関係しているという説。
9月の第1月曜日、『労働者の日』を意味する「Labor Day」
11月の第4木曜日に祝われている感謝祭「Thanksgiving Day」
このふたつをあわせ「Labor Thanksgiving Day」
これを日本語訳し『勤労感謝の日』となった、という説が有力だといわれています。
新嘗祭とは本来
「その年の収穫の恵みを神様に感謝するお祭り」
ですがそれは、田んぼの土壌作り、種もみの選定をし育苗…収穫に至るまで多くの人たちが関わりあい、働きがあってこその豊作。
五穀豊穣に感謝するだけにとどまらず、その労働にも感謝する、そういうお祭りでもあると思います。
さらに現代の11月23日は、もっと大きく解釈が広がり、様々な労働・勤労に対して感謝する日へ。
意味合いは大きく変わりましたが、その根底にあるのは”感謝”
感謝する対象が大きく広がったのだと考えれば、意味やルーツを忘れさえしなければ、そんなに悪いものでもないかもしれませんね。
食と労働、そして神様、すべてに感謝を
昔は、神様に新穀を捧げるより前に人が食べるのはおそれ多い!
という考えから、新嘗祭の日までは新米を食べてはいけないとも言われていたそうです。
確かに、結局のところ我々がご飯を食べ生きていけるのは、神様(自然)からの恵みがあってこそですからね。
ただ、稲刈り、天日干し、脱穀などすべて人の手でやるのは非常に大変で時間もかかり(体験談笑)、新米が食べられるのはちょうど11月の後半、新嘗祭のころだった…というそもそもの事情もあったようで。
現在は農業も自動化・効率化が進み、早いと9月には新米が市場には出回ります。
精米してしまった9月のお米を11月末まで食べないでおくのは現実的ではなく、むしろ今は早く新米を食べられることが喜びみたいなところもあったり。
それもあって、より新嘗祭の意味や認知も薄れていってしまっているのかもしれません。
FARMYでは、地方の農家さん、ひいては日本の農業を守っていきたいという想いで事業をしていますが、こういった文化や伝統も守り続けていけたらなと思ってます(^_^)
11月23日は、勤労に感謝するとともに、改めて食べ物や農家さん、自然への感謝の気持ちをもって過ごしてみてはいかがでしょうか。
最後に豆知識
お米は、育てた土地の水で炊くのが一番美味しいと言われています。
水(氷)の結晶はさまざまな形をしていたり、軟水・硬水のように硬度があったりしますから、水にも個性や性格があってそんな”何か”がその土地で育ったお米とはマッチするのかもしれませんね。
もちろん、今回の新米食べ比べも、土地の水で炊きました♪
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