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収益性向上の実践を学ぶ酪農経営セミナー開催

当セミナーでは、「ファームノートデーリィプラットフォーム(以後、FDP)」が、徹底したKPI管理、マネージメントに取り組み、牧場売上を1.5億向上することができたことを、赤裸々に共有するセミナーを開催しました。


モデレーター
株式会社ファームノート CCO 下村瑛史

ゲスト
株式会社ファームノートデーリィプラットフォーム 代表取締役 / 獣医師 平勇人
岐阜大学農学部獣医学科を卒業後、岐阜県畜産研究所にて繁殖和牛の管理と子牛の下痢症予防研究に携わる。その後、愛知県岡崎市にて酪農を中心とした家畜診療に従事し、牧場業務も経験。2017年に株式会社ファームノートに入社。獣医師目線でのプロダクト開発に従事。現在は株式会社ファームノートデーリィプラットフォームにて自社牧場の立ち上げを経て、取締役 牧場事業統括を務める。

株式会社日昭牧場 取締役 西川圭介   
株式会社日昭牧場とは:近隣の大樹町で1,121頭(2019年8月現在)を飼養する酪農メガファーム。スタッフが働きやすい環境に力を入れ、連続休暇や賞与、免許取得の補助など取り入れている。

 

収益性向上のために求められる牧場経営は「経営管理の基礎」


 当セミナーでは、平さんより、牧場経営における収益性向上に向けた取り組みについてお話しいただきました。平さんの経験を通して、牧場経営における課題や解決策についての学びを共有する機会となりました。


「ゼロからの牧場作り」とは

FDPの中標津牧場は、これまでの一般的な牧場とは異なり、ゼロからの立ち上げから始まりました。多くの牧場が世代を超えて受け継がれながら運営されている中で、挑戦したのは完全に新しい形で牧場を作り上げることです。牧場を運営するためには、農家の息子でなければ難しいという現実もありますが、その壁を乗り越えて、牧場を立ち上げる道を切り開きました。

会社としては、設立当初から大株主が存在し、毎月の収益報告を求められるなど、厳格な経営環境の中でスタートしました。このような環境で、どのように収益性を高めていったのかが今日のポイントです。


牧場経営の「ビジョン」と収益性向上

FDPが特に注力しているのは、「誰でも牧場経営ができる世界」を作ることです。農業や酪農に従事したい人々が、障壁なく事業を始められるような仕組みを構築することが目標でした。そのために必要だったのは、牧場を効率的に運営するための収益モデルや、現場で活用できるツール・技術の導入です。

収益性を向上させるためには、まず「事業モデル」をしっかりと構築し、その後、細部にわたって数字を合わせることが必要でした。生産性向上に向けた設備投資や、技術的な取り組みが求められる中で、現場との連携やフィードバックも大きなポイントとなったのです。

西川さんの事例と牧場経営の進化

続いて登壇した日昭牧場の西川さんは、1996年に設立された農業法人の経営者で、2代目として経営に携わってきました。彼の牧場では、遺伝子改良やゲノム検査など、技術的な革新を取り入れた牧場経営が進められています。特に、ロータリーロボットを導入した搾乳作業の効率化や、積極的な新規採用に力を入れた結果、労働力の確保や作業効率化が実現されました。

西川さんは、酪農業界が抱える問題に対して、どのようにビジョンをもって取り組んできたのか、そして収益性向上に向けてどのような戦略を取ってきたのかを共有しました。

牧場経営の「構造」と収益モデルの作り方

収益性を高めるためには、牧場の「構造」を理解し、それをどう作り上げるかが重要です。平さんが目指したのは、単に収益を上げるための効率的な手法だけではなく、誰もが取り組める牧場経営の仕組み作りです。

そのために、牛舎やサイレージ、飼料の管理といった基盤の整備から始まり、さらに生産性を最大化するための組織構造や人材育成にも力を入れました。また、酪農業界に必要な新しい技術やツールを積極的に導入し、それをデータで管理することが、収益性の向上につながったのです。

未来の牧場経営に向けた展望

平さんは、今後の牧場経営に必要な要素として「持続可能な経営」を挙げ、牧場の収益モデルの進化を模索しています。未来の酪農業は、技術革新だけでなく、環境への配慮や労働力の問題解決にも取り組む必要があると考えています。そのためには、牧場経営における「システム化」を進め、より多くの生産者が参加できるような社会的インフラの整備が必要だと強調しました。

まとめ

今回のセッションでは、牧場経営における「経営管理の基礎」がいかに収益性向上に貢献するかが議論されました。平さんと西川さんの経験を通じて、伝統的な牧場運営の枠を超え、効率的で持続可能な牧場経営に向けた取り組みが進められていることが明らかになりました。収益性向上のためには、単に数字や設備だけでなく、ビジョンをもって経営を進めることが鍵であると言えます。

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