美しく老いるために
イライラする
夜、
仕事あがりで
疲れているからか、
老害を目にして、
「早く死ね」
と殺意がよぎる。
老いゆく者には、
2通りのパターンがある。
秦の始皇帝、
そして釈尊。
不老不死を願う者と、
老いも死も、
所与のものとする者。
私はどちらだろうか?
人格的に優れた先達には、
恐らく最大限の敬意を払う。
だが、我欲にまみれ、
後進に道を譲ることさえしない、
ろくでもない先達には、
「老害」と言い切るのだから、
見苦しい生き様だと
感じているのだ。
秦の始皇帝のように、
不老不死を求める姿を、
私は品がないと思っている。
リベラリストのように、
価値観の問題だ、
と言うは容易い。
いつまでも、
飽きもせず生を貪る姿が、
美しい姿だろうか。
若い頃の容姿は、
時とともに変わってゆく。
「これが今の私か」
鏡をのぞきこんで
老けていく自分の肉体。
遅かれ早かれ死ぬのだ。
鏡の中の私は、
悲痛な面持ち。
みな老いて死ぬ。
鬼籍に入った師、
親戚の寡黙な男たち、
同級生の父親。
学生時代の先輩。
老いてまで
我執に溺れたくはない。
権力の奪い合いや
血で血を洗う争いに
首を突っ込みたくはない。
我欲は捨てたい。
こざっぱりとして、
風雅に遊びたい。
そのためには、
手段を選ばない利己的な
生き方を今からやめる。
簡単なことだ!
人様のためにつくす!
人様の幸せをいのる!
僅かでもこの世の中を
自分のできることで
明るく照らす!
釈尊のように
美しく老いるために、
素直な生き方を
今から目指す!
「簡単なことだ!」
そう自分を励ましながら。