薬剤師国家試験の概要をFラン薬剤師が解説する ~各科目編~ 1/3
前回の全体概要編に続き、下位層の大学の薬学生に向けて、薬剤師国家試験の各科目の対策について独断と偏見で解説します。基本的な方針としては、“薬剤師国家試験のため勉強”を減らし、できるだけ世間一般に通用する共通の武器で身軽に立ち回りましょうというスタンスです。薬剤師を取り巻く環境は今後も厳しくなってゆくことが予想されることから、広く通用する力を同時に身に着けるためです。
いわゆる物化生
必須問題:15問 理論問題:30問 実践問題:15問(複合問題)
よく、「理系の学習を進めていくと、生物は化学に、化学は物理に、物理は数学に、数学は哲学に変化していくんだ」なんて言葉を耳にすると思います。しかし、薬剤師国家試験においては、まるでセントラルドグマに逆行するレトロウイルスのような摩訶不思議な現象が起きます。
物理
内容としては、熱化学を中心とした物理化学と分析化学のことを指します。
このセクションは、高校の物理、化学、数学の考え方を用いて論理的に解答を導き出せる場合があるため、真面目に頑張ってきた人にとっては味方になりえます。一方で、“大学の課程”を修めていないと本質的には解けない問いがあるため、哀愁の伴うセクションといえます。
化学
主に有機化学と生薬・漢方のことを指します。化学が一部生物(植物)に変化します。
有機化学については、基本の知識があればある程度はロジカルに回答できるため、コスパは良いと思います。ただし、大学レベルの問題については、“物理”と同様です。
生薬・漢方は出題範囲に対して出題数が少ないことからコスパが悪い上、知ってるか知らないかだけの問題です。また、東洋医学のよくわからん考えの神髄は、国試対策ベースのアプローチとは異なるベクトルに感じるので、興味があれば資格を取った後に勉強すればよいのではないかと思います。
生物
生化学、分子生物学、解剖生理学あたりのことを指します。
ほぼ暗記でしかないですが、ひとつ言えるのは、サヴァン症候群とかでない限り細かい内容を全て覚えきれる人間はいないということです。
少し真面目な話をすると、薬理や病態・薬物治療の勉強でどのみち振り返る内容であるため、無理に記憶しようとせず、反復しながら関係性を理解していくのが利口だと思います。
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