先輩農家を参考に農業する時の注意点(野菜農家の場合)
本屋に行くと、農家が書いてある本が沢山あります。
また、研修で先輩農家に赴いて教えてもらうことで学ぶこともあると思います。
ただ、同じ作物を作っていても、人によって育て方が大きく違うことが多々あり、混乱してしまうことも少なくありません。
何を参考にしたら良いのかの軸を決めておかないと、毎年色々な育て方を試しているうちに作ることを辞めてしまうこともあるでしょう。
そうならないための軸を紹介します。
◆圃場の環境は似ているかどうか
まず、育てる環境が似ているかどうかで作る作物を決めるのが良いでしょう。
特に気をつけるのは気温。
作物には品種それぞれに発芽温度や生育適正温度が存在します。
例えばセロリは温度が比較的低い時に発芽するため、夏の暑い時期に種まきしても発芽しづらいです。
逆にかぼちゃ系は暖かくなってからの方が発芽しやすいです。
ハウスで電熱線や暖房設備を入れたり、遮光設備を導入して生育をコントロールすることは可能ですが、設備投資に余裕がない時はその地域に適した作物を育てることがうまくいくコツになります。
また、土地の条件も気にしなければなりません。
水はけが悪い土地ではサトイモなど、限られた種類の作物しか育たないので、水はけが良いか悪いかは作る作物を選ぶ上で重要な指標になります。
土地の条件で更に言うと、どのくらいの機械が導入できるかも考えなければなりません。
超大型のトラクターを購入しても、農道が狭かったり、ハウスの高さが低かったりして、せっかく購入したのに使い道がなかったということも出てきます。
◆出荷先は似ているか
育て方で特に大事なのが、出荷先をちゃんと考えれているかどうかです。
例えば農協出荷を主軸にしている場合は、同じサイズの作物を沢山作る必要があるため、サイズコントロールができる育て方をしなければいけません。
また、飲食店への卸しを主軸にしている場合は、扱う飲食店にもよりますが、見た目より味に特化した作り方の方が喜ばれます。
◆考え方は似ているか
考え方とは経営方針のことです。
農業を通じて雇用を社会に提供したいのであれば、機械などの設備を導入して多収量でなるべく手間がかからない育て方を目指した方がいいでしょう。
このように、農業には様々な要素があるため、自分の所有する圃場や考え方と照し合わせて、適した育て方を選ぶ必要があります。
先輩農家から学ぶ際には、その先輩農家の特徴をしっかり把握しながら、学んで行きましょう。