就労継続支援とは何か
Farm Agricolaは「平飼いのたまご屋さん」と思われることが多いですが、就労継続支援A型事業所としての平飼い養鶏事業の運営を行っています。
就労…継続…支援…A型…?
正直知らない人の方が多いかと思います。
私たちの取り組みや事業を知ってもらうためにはここの説明は避けては通れないので、なるべくわかりやすくイメージしやすいように解説していきます。
就労継続支援にはA型とB型がある
障害者総合支援法に基づく福祉サービスの中に「就労継続支援」というサービスが存在します。
厚生労働省のホームページから画像をお借りしてきました。
「訓練等給付カテゴリー」の中に、就労継続支援(A型)と就労継続支援(B型)の二つサービスがありますね。
まずは、就労継続支援(A型)の説明を見てみましょう。
続いて、就労継続支援(B型)です。
ほとんど同じ文言で説明されていますが、一つだけ異なる箇所がありました。
「雇用」という言葉の記載の有無です。
A型は「雇用して」とされていますがB型は雇用の文言はありません。
これが二つのサービスの大きな違いになります。
A型:雇用契約を結ぶ
就労継続支援A型は利用者と事業所の間で雇用契約を結びます。
一般企業での就労を続けることが難しかった方、就職に結びつけなかった方など背景は様々ですが、就労継続支援A型事業所という「必要な支援」を受けられる場所で働くことになります。
雇用契約のもとで働くので「最低賃金以上」の給料を会社側は支払うことになります(一部利用者の状況に応じて特例的に減額申請することも可能)
勤務する時間や勤務体制は各事業所の運営方針次第となります。
B型:利用契約を結ぶ
B型事業所は雇用契約ではなく「利用契約」を結ぶことになります。
雇用契約のもとで就労を続けることが難しい方が対象で、各事業所が取り組む生産活動を通して訓練を積む場所です。
A型のように「賃金」という報酬は存在せず、生産活動による「工賃」という呼び方をすることになります。
働く日数や時間も比較的その方にあったペースで調整しながら、生活と就労のバランスを整えていく方も多くいます。
就労継続支援事業所の数と利用者数
全国の就労継続支援事業所の数は以下の通りです。
就労継続支援A型事業所:3,929か所
就労継続支援B型事業所:13,355か所
参照:厚生労働省,令和2年社会福祉施設等調査の概況
およそ3倍もの差があります。
続いて、全国の就労継続支援事業所を利用する方の数は以下の通りです。
就労継続支援A型事業所:約7.2万人
就労継続支援B型事業所:約26.9万人
参考:厚生労働省,障害者の就労支援対策の状況
B型事業所を利用する方が4倍近く多いようです。
事業所数自体がB型事業所のほうが多いので利用者数も同様に多いことが見て取れます。
その逆の考え方として、利用のニーズが高く事業所数が増えているといった見方もできますね。
A型事業所は事業収益をあげ、利用者の賃金を支払っていく必要があるので事業所の運営が難しいことも事業所数の差に表れているのも一つの事実としては考えられるでしょう。
ここではあまり深く触れないでおきます。
どんな仕事をしているの?
就労継続支援事業所だからといって、仕事が限定されている訳ではありません。
事業所ごとに多様な仕事や作業を組み込んで運営しています。
私たちFarm Agricola(就労継続支援A型事業所)でいうと「平飼い養鶏業」を営んでおります。
他の事業所を見てみると、清掃業やクリーニング業、飲食店、パン屋、農業など業種は多岐にわたります。
要は事業所として仕事を作り、または請負い、その事業を営み続けられるかどうかということです。
特にA型事業所は収益を上げていかないと賃金を支払うことが難しくなります。
賃金・工賃は平均どのくらい?
令和3年度の全国の平均データは次の通りです。
・就労継続支援A型事業所:81,645円/月
・就労継続支援B型事業所:16,507円/月
北海道のデータは次の通りです。
・就労継続支援A型事業所:77,769円/月(雇用型78,362円、非雇用型28,224円)
・就労継続支援B型事業所:19,523円/月、時間額284円
ここでは上記の額が高い、低いといった話には触れません。
事実を記載しております。
最後に
就労継続支援事業所について、ほんの少しでも知っていただけましたら幸いです。
福祉サービスという枠組みの中で、支援を受けながら就労の場として利用されている方々がたくさんいます。
私たちFarm Agricolaも、平飼い養鶏業を営みながら、多様なニーズを抱えている方々の就労をサポートしています。